ヴァイオリンと言えば、今も昔も変わらず、憧れの習い事です。そんなヴァイオリン、子どもに習わせたいと思ったら何歳から始めたらよいでしょうか。
 
よく3~5歳くらいからと聞きますが、本当のところは?
 
今回はこのような習い事としてのヴァイオリンについて、4つの観点から考察してみたいと思います。


 

ヴァイオリンの早期教育がおすすめな理由

適齢期と臨界期

音楽家を目指す上で必要と考えられているのが、絶対音感
 
大人になってからでも身につけられる相対音感と違って、絶対音感の習得には臨界期があると言われています。
 
音楽心理学を専門とし「一音会ミュージックスクール」の榊原彩子氏によると、絶対音感は音楽のレッスンを始めた時期が早いほど習得率が高く、保有者のレッスン開始時期で、一番多かったのが5歳。
 
また4割が4歳以前に開始しており、9歳以降はわずか3%、成人になってからは一人もいなかったそうです。
 
また、非保有者の中で一番多かったレッスン開始時期は6~7歳だったそうで、おおよそ6歳までが絶対音感の臨界期と考えられています。
 
さて、ヴァイオリンの適齢期となるといつになるのでしょうか。
 
子どもが興味を持ったときが適齢期
ただし早めのほうがいい

 
ヴァイオリニストをしたいなら、やはり3歳~5歳までに始めておくとよいでしょう。
 
プロのヴァイオリニストの9割は、遅くとも5歳までに始めています。
 
子どもが早い段階で、きちんとした音楽教育を受けると、その上達は目覚しいものがあります。

ヴァイオリン弾き方

 
ヴァイオリンは、2歳半ころから始めることもできます。サイズは大人のを4/4とすると、分数ヴァイオリンと呼ばれる子供用のサイズが
1/16、1/10、1/8、1/4、1/2、3/4と、計6種類あります。
 
一番小さい1/16は身長105cm以下のお子さん用ですが、身長ではなく腕の長さを基準に選ぶため、2歳でも一定時間じっと立っていられて、楽器に手が届けば始めることができます。
 
そうは言っても、自分にヴァイオリンの学習経験がない場合、どうやって子供に興味を持たせたらいいの?と思う方もいるかもしれません。
 
確かに、子どもが楽器を目にしたこともないのに、ヴァイオリンに興味を持たせるのは難しく、興味を持たないものを習い事として続けさせるのは大変なことです。
 
もちろん親御さんや兄弟など、身近な人が目の前で弾いてあげられたら一番良いですが、そうでない場合も、0歳から入れるコンサートや、CD、テレビ、YouTube等でも様々な楽器演奏やその音色に触れる機会があります。
 
その中で子どもの好奇心を刺激してあげるのがよいのではないでしょうか。大切なのは親御さんがそのような環境を作ってあげることかもしれません。
 
そして、子どもが興味を持ったときは、思い切って演奏家の先生に会って相談することをお薦めします。
 
体験レッスンを受け入れてくれる教室もたくさんありますし、楽器をレンタルができるクラスもありますので、以前よりは環境も整えやすくなっていると思います。
 
実際子どもに体験をさせて、レッスンの感触を確かめると親子共に納得して前へ進めるかもしれません。
 
都内でお探しの場合、国内トップレベルの講師陣が揃っている小林音楽教室がおすすめです。(体験レッスンもあります)
 

気になる!あの有名ヴァイオリニストは何歳から?

プロのヴァイオリニストになるには3歳~5歳より始めている人が多いと言われていますが、実際はどうなのでしょうか。
 
現在活躍している演奏家について調べてみました。

2歳五嶋龍, NAOTO(2, 3歳ころ)
3歳ayasa
岡部磨知
木嶋真優
五嶋みどり
諏訪内晶子
4歳石川綾子
神尾真由子
葉加瀬太郎
5歳SHOGO
6歳高嶋ちさ子
7歳宮本笑里

 
やはり3, 4歳が最も多く、5歳以降は少数派であることがわかります。
 
7歳で始めたという宮本笑里さんは、始めた時期が遅いように思われますが、彼女の父親は有名なオーボエ奏者・指揮者の宮本文昭氏。小学生のころは自分の好きなように弾いており、中学生になってその道を志すようになってからは、父親の厳しい指導のもと真剣に取り組んだとのことで、14歳でドイツ学生音楽コンクールデュッセルドルフ第一位入賞しています。
 
特別な音楽環境が整っている場合を除いて、ヴァイオリニストとして活躍するには、5歳くらいまでが目安と言われるのも間違いなさそうです。
 

ヴァイオリンを早く始めるメリット・デメリット

ヴァイオリンを早く始めた場合の、利点については先程も述べましたが、他にどのようなメリット、はたまたデメリットがあるのか考察してみましょう。
 

メリット① 脳の発達によい

 
ヴァイオリンは左手で弦、右手で弓を扱うため、左右の手が同時に全く別の動きをします。
 
さらに目で音符を読み、耳で自分や先生、伴奏者の音を聞き、体全体でバランスをとって弾くので、それぞれに指令を出す脳は常にフル回転します。また、幼少期に使えば使うほどよいとされている手先をたくさん使います。
 
このためヴァイオリンは、音楽の道を志す人のみならず、英才教育の一環として習うケースもあり、実際東大生100人に幼少期の習い事を聞くと、ヴァイオリン、ピアノを合わせて6割の学生が、音楽系の習い事をしていたという調査結果もあります。
 

メリット② 集中力・持続力が身につく

 
ヴァイオリンは先述の動作に加え、一曲を間違えずにさらう、さらにはそれを暗譜して弾いたり、発表会など人前で披露することも要求されます。
 
このような技能に集中力が欠かせないことは言うまでもありませんが、小さな積み重ねが重要です。この継続力は大人になっても必ず必要な力ですし、それを親御さんに応援されながら培ってゆけるのは素晴らしいことだと思います。
 
その他考えられるメリットはたくさんありますが、

親子のコミュニケーションが増える
感性が育つ
特技ができ、子どもに自信がつく

など考えられそうです。
 
続いて気になるデメリットですが…
 

デメリット① 親のサポートが必要

幼い子どもが、ヴァイオリンを練習するには親御さんのサポートが必須です。もちろん他の習い事においても親御さんの援助は不可欠ですが、ヴァイオリンは親の負担が特に多いかもしれません。
 
子供なので、何時間も練習するわけではないかもしれませんが、それでも毎日のこととなると、親御さんもある程度の覚悟と忍耐が必要です。
 

デメリット② 楽器を何度も買い替えるためお金がかかる

ヴァイオリン

 
子どもの成長速度は早く、筆者の3人の子どもたちも、ヴァイオリンを3歳から始め、1/2サイズまでは、ほぼ1年ごとにサイズアップしていました。その都度新しいヴァイオリンに買い換えるため、ピアノに比べると出費がかさみます。
 
ただ、教室の中で、使わなくなった楽器を回してくれたり、レンタルできる教室等もありますので、まずは先生と相談するとよいでしょう。
 

まとめ:一流にするにはやはり早期教育がポイントです

ただし、早ければいいわけではありません。子どもによって興味を持つ時期も違いますし、身体や心の成長もそれぞれ異なります。
 
子どもの口からやりたいと言い出すまでは、きっかけを与えたり、自然に音楽に入り込めるよう環境を整えてあげましょう。
 
筆者の場合、自身は他楽器だったので、ヴァイオリンをレンタルし子どもと一緒に練習していました。

 
このような話をしていると、わが子はもう10歳だし手遅れだ…というような方もいらっしゃるかもしれません。
 
けれども、世界で活躍するソリストヴァイオリニストは本当にひとにぎりで、それ以外にもヴァイオリン奏者としての道は様々です。
 
優秀な指導者とされるある先生は、10歳でヴァイオリンを始めたそう。幼少期から習っていると、無意識のうちにテクニックを習得しているため、いざ人に教えるときに、どうしていいのかわからない場合が多いですが、その先生は色々なテクニックを頭で理解しているため、とてもわかりやすいそうです。
 
音楽教室でのレッスン等、身近な親御さんが、お子さんにできるだけ多くの選択肢を与えてあげることがもっとも重要でしょう。
 
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ライター:germanpotate