サックスは、管体にキィなどの細かいパーツがたくさん付いているため、強い衝撃を与えると破損の危険がある繊細な楽器です。
そのため、ケース選びは重要です。
楽器に合っていないものを使うと故障につながることもあるので、ご自身のサックスにピッタリなケースを選ぶ必要があります。なおかつ、やはり見た目にもこだわりたいですよね。
そこで本記事では、サックス講師でもある筆者がケース選びのポイントから、おすすめのメーカーと製品をご紹介します!ケース選びで失敗したくない人は必読です。
案内人
- 門田瑞紀中学校からサックスを始める。現在は、フリーのサックス奏者としてソロや室内楽で精力的に活動しながら、中学校や高校で後進の指導にもあたる。六甲道ミュージックスクールサックス講師。大阪音音楽大学演奏員。
目次
アルト以外のサックスケースは種類が少ない
サックスの種類によって使用できるケースが異なります。
定番であるアルトサックスのケースは種類が豊富ですが、実はソプラノやバリトンなどのケースはあまり多くありません。
アルト以外のサックスを使用している方は、そもそも販売されているケースの種類が少ないことを頭に入れておきましょう。
サックスの種類については下記記事をご参照ください。
そのうえで下記のサックスケース選びのポイントを押さえておくと失敗しませんよ。
サックスケース選びのポイント
サックスケースを選ぶ際は、次に挙げる3つのポイントを必ずチェックしましょう。
持ち運びやすさ
サックスケースは以下の3つに分類されます。
- 重量性を追求した『ソフトタイプ』
- 重量性と耐衝撃性を合わせた『セミハードタイプ』
- 耐衝撃性を重視した『ハードタイプ』
ソフトタイプは軽くて持ち運びに便利ですが、衝撃に弱く耐衝撃性に欠けています。逆にハードタイプは耐衝撃性に優れていますが重量があるため、長時間持ち歩くのは大変です。
筆者がおすすめしたいのはセミハードタイプ。最新の素材を使用した頑丈なのに軽いケースなので、長時間の持ち歩きも安心です。特に背負えるリュック式が持ち運びにとても便利ですよ。
丈夫さ
楽器が揺れや衝撃を受けて破損の危険にさらされるのは、やはり持ち運ぶ時です。そのため、衝撃に弱いソフトタイプは基本的におすすめできません。
また、ケース内のクッションが薄かったり留め具が少ないものは楽器の故障に繋がるため、中身を必ずチェックしましょう。
- クッションがしっかりしているものを選ぶ
- フタを金具でとめるケースは金具が多いものを選ぶ
- 留め具が付いているものを選ぶ
価格
安いケースはオンラインショップでたくさん売っていますが、有名なメーカーの出しているケースで3万円以下のケースはありません。
安いからとあまり丈夫ではないケースを購入して、持ち運んでいる時の振動で楽器が壊れたり、ケースのフタが開いて楽器が落ちてしまったり…なんてこともあります。そうなるとケース以上に修理代がかかり、楽器の練習もできません。
なるべく安く抑えたいという気持ちはとてもよく分かるのですが、筆者は3万円以下のケースはおすすめしません。ケースは長く使えるものなので、信頼のあるメーカーが出している良質なものを購入しましょう。
サックスケースの定番「BAM」と他メーカーを比較!
まずサックス4種類すべてにおいておすすめしたいのが「BAM」のケースです。
「BAM」はフランスの老舗メーカーで、セルマーやヤマハ、ヤナギサワなど、どのメーカーにも対応しており、多くのプロ奏者に愛用されています。高機能なだけではなく耐衝撃性もあり、デザインもおしゃれなので大変人気です。
しかし、ここでおすすめする他メーカーのケースも高品質であり、楽器を安全に運ぶのにはBAMと大差はありません。なので「デザインと利便性どちらを重視するか」という点が選ぶポイントになってきます。
自分の好きな色を選びたい方は「Bags」がおすすめですし、収納が多いケースが良い方は「BAM」のケースがピッタリでしょう。
同じメーカーの中でも、軽さ重視のシンプルなケース、楽譜やリードなども収納ができるケース、セミハードやハードタイプなど色んな種類があるので、メーカーにこだわらず好みに合ったものを選ぶのもいいでしょう。
サックスケースのおすすめメーカーと製品:①ソプラノサックス
ソプラノは軽いため付属のケースでも持ち運べますが、おすすめするケースは肩にかけるストラップやクッションがついていますのでより気軽に持ち運ぶことができますよ。
【BAM】 SIGN3020SN
シンプルなデザインが人気のセミハードタイプのケース。ストラップが2本付いているので、リュックにしたり片方だけに付けて肩に掛けたりもできます。
ファスナーロックなのでフタが開いてしまう心配もありません。
【GL CASES】 GLK soprano saxophone bag CASES COMBI CASE
スタイリッシュでかっこいい見た目だけでなく、ハードケースなのでとても頑丈です。
手前にストラップやリードなどの小物を入れられる大容量のポケットもついています。
ハードタイプですがとても軽いので、より安心して持ち運びたい方におすすめです。
サックスケースのおすすめメーカーと製品:②アルトサックス
種類が豊富であるため、一番悩むのがアルトサックスでしょう。
優れたケースはたくさんありますが今回は筆者の独断で2つに絞ってみました。
【BAM】Cabine La Defense
耐衝撃性が更に強化された“強化ABS樹脂”という素材でできており、軽いのにとても丈夫です。なにより、ケースのシルバー色に、持ち手とストラップのオレンジ色の組み合わせがおしゃれ!
ファッションの一部のようなかっこいいデザインなので、周りと差がつきますよ。
【Bags】EFAS M-COPPER
イタリアの大手楽器ケース専門店BAGS。ハードタイプの頑丈なケースでファスナーロック付きなので安心です。
リュックタイプなので持ち運びやすいですし、ケースの中に小さな小物入れが付いているのも嬉しいポイントです。背中のポケットには楽譜を入れることもでき、ケース一つでお出かけできちゃいます。
何よりカラーバリエーションが豊富!10種類以上の種類があるのであなたのお気に入りの色が見つかるでしょう。
サックスケースのおすすめメーカーと製品:③テナーサックス
アルトサックスに次いで人気のテナーサックス。
楽器本体の重さがアルトサックスよりかなり重たいので、ケースを変えると重たさや持ち運びやすさがガラッと変わりますよ。
【BAM】 DEF4102XLPA Hightech La DEFENSE w
このケースは耐衝撃性に優れているだけでなく断熱性もあるため、温度や湿度からも楽器を守ってくれます。そして防水カバーも内蔵されているので、雨の日でも持ち運び安心。
見た目もおしゃれな完璧なケースです!
【NONAKA】超軽量パックケース
軽くて持ち運びやすいだけではなく、中にはしっかりクッションもあり衝撃にも強いセミハードケースです。
「ポケット付き」と「ポケットなし」がありますが、ポケット付きがおすすめ。ネックは楽器のベルの中に、マウスピースやリードは外側のポケットに入れてコンパクトに収納できます。
とにかく軽いケースがいい!という方におすすめのモデルです。
サックスケースのおすすめメーカーと製品:④バリトンサックス
バリトンサックスは非常に重たいため、付属のケースで持ち歩くことはまず不可能。そのため、リュック式のケースを強くおすすめします。
重たさでケースを背負うストラップの金具が外れてしまうこともあるため、結束バンドをつけて外れないよう予防しておきましょう。
Bags
ファスナー式の丈夫なハードケースタイプ。背中には楽譜が入れられるポケット付きなので、収納も充実しています。
そしてBagsのケースはとにかくカラーが豊富なので、自分の好きな色を選べるのも嬉しいポイントです。
【BAM】HIGHTECH
バリトンサックスのケースで一番人気と言っても過言ではないモデルです。
リュック式なので重たいバリトンサックスでも持ち運びができ、ハードタイプの頑丈なケースが外部の衝撃から守ってくれます。
LowA、LowB♭のバリトンサックスどちらでも入るように設計されているので色々なメーカーに対応しています。大人気で入荷待ちの場合もあるので、時間に余裕を持って注文してくださいね。
まとめ
大事なサックスを守るケース選びは重要です。そのため、ネットだけではなく一度楽器屋さんで自分の楽器を入れて試してみることをおすすめします。
最近は丈夫なのに軽い、そしてデザインもおしゃれなケースが増えてきました。演奏活動や部活動のモチベーションアップにも繋がるので、ぜひお気に入りのケースを見つけてくださいね。