4年に一度開催される世界トップレベルのフルートコンクールがいよいよ開催!第10回目となる神戸国際フルートコンクールの出場者数は過去最多の483名。そのうち通過者はわずか56名です。狭き門を通過した世界トップクラスのフルーティストの戦いは必見。今後の日程や過去の入賞者について詳しく解説しますので、ぜひチェックしてみてください。
目次
神戸国際フルートコンクールとは?
1985年に始まった神戸国際フルートコンクールは、4年に一度開催されるフルートに特化した世界的コンクールです。これまでに、エマニュエル・パユや、マチュー・デュフォーなど名だたるフルーティストが参加しており、若手フルーティストの登竜門と言われています。
世界トップレベルのコンクール
本コンクールの注目ポイントは、なんといっても出場者のレベルの高さ。これまでに多くの世界的フルーティストが出場しており、世界からみてもトップレベルと言えるでしょう。
15歳から出場できるため、まだ世に出ていない天才的な若手フルーティストを発掘できるところも魅力の1つです。
35年以上続く神戸国際フルートコンクールには3つの目的があります。
- 有望な若きフルーティストを輩出する
- 音楽を通じて国際交流と友好親善を図る
- 神戸のまちづくり
世界でも稀な国際コンクールが『音楽のまち神戸』で開催されるのは、日本人として誇らしく思えますね。
第10回神戸国際フルートコンクールの応募資格は32歳まで
第10回神戸国際フルートコンクールに出場できるフルート奏者は、1988年~2005年までに出生した人(15~32歳)に限られています。
4年に一度しか開催されないので、エントリー希望者は参加できるタイミングをしっかりチェックしておきましょう。
今後の日程
第10回神戸国際フルートコンクールの概要 |
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開催日程 |
予備予選:2020年10月1日~2021年2月1日 |
会場 |
神戸文化ホール |
コンクールの流れ |
予備予選(音源審査)※終了(2021/8/25現在) |
課題曲 |
予備予選:E.v.Dohnanyi : Passacaglia Op.48 No.2 |
一次審査:下記課題曲を(1)(2)の順で演奏 |
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二次審査:下記課題曲(1)(2)を演奏 (2) 以下の a) ~ d) より1曲選択 |
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三次審査:下記課題曲(1)(2)(3)を演奏 (2) 以下の a) ~ c) より1曲選択 (3) 以下の a) ~ e) より1曲選択。 |
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本選:下記課題曲(1)(2)を指揮者なしで演奏。演奏順は(1)(2)とし、暗譜で演奏する。 |
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審査員 |
酒井 秀明 |
神戸国際フルートコンクールはハイレベル
先ほどもお伝えしましたが、神戸国際フルートコンクールのレベルは非常に高いです。入賞者は、世界的に活躍するレベルのフルーティストばかり。応募者も多く、2021年に行われた予備審査は過去最多の483名が参加し通過者はわずか56名でした。
その狭き門を通過したハイレベルなフルーティストの中から、今年は誰が入賞するのでしょうか。楽しみですね。
会場以外にも動画配信やYouTubeで演奏が聴ける
コンクール演奏を聴く手段は3つ。それぞれに利点があるのでお好みの方法を選択してください。
チケットを購入して会場で生演奏を聴く
神戸国際フルートコンクールは、事前にチケットを購入することで一次から本選まで全ての演奏を会場で聴くことができます。
チケットは、コンクールパスやパッケージプランがあるので、披露演奏会や記念演奏会も聴きたい方はセットになったプランを選ぶのがおすすめです。シングルチケットであれば、一般1,000~2,000円程で販売されています。
生演奏はやはり別格。肌でも音を感じたい人はぜひ会場へと足を運びましょう。
公式ホームページの配信で聴く
出場者の演奏は、公式ホームページでも配信されます。一次審査から本選まで全ての演奏がリアルタイムで生配信されるので臨場感のある演奏を聴きたい人におすすめです。
観る場所を選ばないので、コロナを気にせず応援することができます。
YouTubeで聴く
過去の出場者の演奏を聴きたい方は、YouTubeを利用しましょう。神戸国際フルートコンクールのYouTubeチャンネルでは、2017年の一次審査から本選までの演奏動画がアップされています。
配信とは違い、聴きたい出場者の演奏だけを聴けるのも魅力。また、過去大会の入賞者からのメッセージもあるので出場を考えている方にもおすすめです。
神戸国際フルートコンクールで受賞経験のあるフルーティスト
これまで9回行われた神戸国際フルートコンクールの入賞者の中で、著名なフルーティストを7人紹介します。
ヴィセンス・プラッツ=パリース
ヴィセンス・プラッツ=パリースは、1985年に行われた第1回大会で入賞したスペインの男性フルーティストです。
神戸国際のほか、マリア・カナルス・バルセロナ国際音楽演奏コンクールなどので受賞歴があり、現在はパリ管弦楽団の首席奏者として世界的に活躍しています。
エマニュエル・パユ
現代を代表するフルーティストのエマニュエル・パユは、1989年の第2回大会でペトリ・アランコと同率1位を獲得しています。
世界的なコンクールであるジュネーヴ国際音楽コンクールやドイノ国際コンクールでも1位に輝いたトップフルーティストです。現在は、最高峰のベルリン・フィルハーモニー管弦楽団で首席奏者を務めています。
マチュー・デュフォー
マチュー・デュフォーは、1997年に行われた第4回大会で2位入賞を果たした男性フルーティストです。神戸国際のほかに、ランパル国際フルートコンクールやブダペスト国際音楽コンクールなど著名なコンクールで入賞経験があります。
シカゴ交響楽団首席奏者を経て、2015年以降はベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の首席フルート奏者として活躍中です。
斉藤 和志
福島県生まれの斉藤和志は東京藝術大学大学院出身で、第5回大会で第4位を受賞しました。
日本音楽コンクールやびわ湖国際フルートコンクールなど国内の有名コンクールで第1位を獲得しており、現在は東京フィルハーモニー交響楽団の首席奏者を務めています。
リサイタルや室内楽演奏会はもちろん、作曲や編曲も手掛け、国立音楽大学や東京藝術大学で指導を行うなど活動の幅が広いフルーティストです。
デニス・ブリアコフ
ロシアの男性フルーティストであるデニス・ブリアコフは、第5回大会で5位、第7回大会で3位を受賞しました。様々な国際コンクールの受賞歴を持っており、コンチェルティーノ・プラガ国際コンクールでは見事1位に輝きました。
これまでに、フランクフルト放送交響楽団やメトロポリタン歌劇場管弦楽団などで首席奏者を務め、現在はロサンジェルス・フィルハーモニックの首席フルーティストとして活動しています。
ソリストとしても精力的に活動しており、世界各国でリサイタルや招待演奏を行うなど大活躍中のフルーティストです。
髙木 綾子
東京藝術大学大学院出身の高木綾子は、2005年に行われた第6回大会において、第3位を獲得しました。
これまで多数のコンクールで受賞経験があり、日本音楽コンクールや日本管打楽器コンクールなどの国内有名コンクールで1位を受賞したほか、ジャン=ピエール・ランパル国際フルートコンクールでも第3位に輝きました。
題名のない音楽会や人生が変わる1分間の深イイ話など多くのメディアに出演しており、日本を代表するフルーティストとして活躍しています。
小山 裕幾
小山裕幾は、神戸国際フルートコンクールにおいて日本人で初めて第1位を受賞したフルーティストです。
小山氏は、慶応義塾大学理工学部を卒業後、スイスのバーゼル音楽院へ留学という異色の経歴を持っており、現在はフィンランドを拠点に、フィンランド放送交響楽団の首席奏者を務めています。
次世代のトップフルート奏者たちの演奏を聴こう
非常にレベルが高い神戸国際には、将来有望な演奏家達が参加しています。
とくに、今年第一次予選に出場するフルーティスト56名は、過去最多となる483名の応募者の中から選ばれています。狭き門を突破したフルート奏者達によるハイレベルな大会になること間違いなし。
公式ホームページの配信やYouTubeで演奏を聴くことができるので、ぜひ一度聴いてみてくださいね。