トロンボーンを吹くうえで、楽器そのものと同じくらい大切なのがケース。楽器を守るだけでなく、マウスピースやオイル、チューナーといった小物を収納するスペースとしても必須です。

持ち運びやすさやデザインは、練習のモチベーションにも関わるでしょう。それゆえ、どれを選んだらいいのか迷いますよね。

そこで、プロ奏者の筆者がそれぞれのケースの特徴と選びかたのポイントについて詳しく解説します。後半では実際におすすめしたいケースの紹介もしているので、ぜひ参考にしてくださいね!

案内人

  • 武崎創一郎広島交響楽団バストロンボーン奏者。
    演奏家をつとめる傍ら、メディアへの寄稿やSNS運用も手がけている。
    自身のTwitterとブログではオーケストラ奏者×子育てのセキララを発信中。

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トロンボーンケースの種類と特徴

まずはトロンボーンのケースの種類と特徴について解説していきます。
ケースには大きく分けて下記の3種類があります。

  • ソフトケース
  • ハードケース
  • セミハードケース

まずはそれぞれの強みを理解しましょう。

ソフトケース

文字通り柔らかい素材でできているのがソフトケースです。
ポリエステルなどの化学繊維、いわゆる「布」で作られてるため軽くて持ち運びやすいのが最大のメリット。リュックのようにして背負ったり、斜めがけや肩掛けもできます。

安価なものが多く、10,000円くらいで購入できるものもあります。

デメリットはやはり凹みやすいこと。
満員電車やトラックでの運搬の際には十分な注意が必要です。

ハードケース


硬い素材で作られた頑丈なケースがハードケースです。
衝撃に強いかわりに大きくて重いので、持ち運びにはあまり向いていません。多くは楽器のメーカーが自社製品専用に作るもので、楽器がガタつかずにすっぽりと納まります。

新品の楽器とセットで購入することが多いので、持っている人も多いでしょう。
普段使いには適していませんが、吹奏楽コンクールやコンサートのためにトラックで運ぶ場合や、長距離の移動では頼れるケースです。

使う機会があまりないとしても、ひとつは確保しておきたいですね。

セミハードケース

使っている人が最も多いのがセミハードケース。持ち運びやすくコンパクトで、ソフトケースよりも衝撃や圧力に強いのが特徴です。

ポリカーボネイトやグラスファイバー、カーボンファイバーといった、硬くて軽い樹脂素材で作られています。

リュックにできるものも多いので、自転車に乗ったり電車を乗り継いで楽器を運ぶ人に特におすすめです。高価なものが多いですが、そのぶん機能的で安全なケースなので選ぶ価値あり。

トロンボーンケースは収納性も要チェック

トロンボーンケースを選ぶときには収納性も重要です。というのも、トロンボーンにはさまざまな形があります。

バルブの形やベルのサイズによって使えないケースもありますので注意して下さいね。具体的なチェックポイントについて確認していきましょう。

ベルのサイズ

トロンボーンのベルサイズのほとんどは、テナートロンボーンなら8〜8.5インチ、バストロンボーンなら9.5インチです。

ドイツ製のハンドメイド楽器などは少し大きめになっていることもありますので、ケースのベル部分のサイズには注意しましょう。
楽器店で購入する場合は、楽器を持参して実際に収納できるかチェックしてください。

F管アタッチメントの形とバルブの種類

F管などの延長管とバルブがついている場合も、ケースに入らないことがあるので気をつけてください。アキシャルフローバルブやセイヤーバルブ、ハグマンバルブなどは要注意!必ず収納できるかどうかを試してから購入しましょう

延長管が大きく飛び出しているオープンラップ、バストロンボーンのオフセットの場合も、ケースに収まらないことがあります。とくにオフセットは、ひとつ目のバルブから迂回した先にふたつ目のバルブがあるので、ケースと干渉しやすくなっています。

トロンボーンケースのおすすめ(ソフト)

ここからは、筆者がおすすめしたいケースを紹介していきます。
まずは持ち運びやすいソフトケースです。
頑丈さではセミハードケースに劣りますが、軽さは抜群。満員電車やバス、トラックでの運搬には注意して下さいね。

PROTEC(プロテック)|トロンボーン用ギグバッグ


撥水性のナイロンで作られた軽量のソフトケース。重さはなんと2kg以下ということで、持ち運びやすさは抜群です。

手持ち、斜めがけ、バックパックスタイルと3種類の持ち方に対応しているのも嬉しいですね。ソフトケースながら、スライドとベル部分にはパッドが入っていて安全性が高められています。

あまり大きくはありませんが小物入れもついていて、使いやすいケースです。

他にも、PROTECのトロンボーンケースをチェックしたい方は下記ボタンからご覧ください。

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MARCATO(マルカート)|テナー・テナーバストロンボーン用ソフトケース

値段が安いのもソフトケースの魅力ですが、MARCATOのケースはとくに購入しやすい価格です。

持ち運びは3wayに対応、小物収納も大きめで使いやすくなっています。オープンラップやアキシャルフローバルブにも対応でき、9インチのベルまで対応できるゆとりある作りが頼もしいですね。

お茶の水に本社を構える下倉楽器がプロデュースするブランドなので、問い合わせやアフターフォローも万全です。

※現在在庫切れとなっているので、気になる方はメーカーへお問い合わせください。

BACH(バック)|トロンボーン用 ギグバッグ


トロンボーンのトップブランドとしておなじみBachのソフトケース。ゆったりとしたサイズで作られているので、約4kgとそれなりの重さになっています。

その分対応しているトロンボーンも多く、小物ポケットも十分な容量があるのも魅力の一つです。もちろん3種類の持ち方で使えます。

なんと言っても人気ブランドのロゴがカッコよく、色とデザインには高級感が漂います。

他にも、BACHのトロンボーンケースをチェックしたい方は下記ボタンからご覧ください。

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トロンボーンケースのおすすめ(セミハード)

次はセミハードケースのおすすめを紹介します。
持ち運びやすいコンパクトなケースが欲しいけど楽器が傷つくのは心配、という方はセミハードケースを検討しましょう。

ちなみに、ハードケースは基本的に楽器に付属してくるものなので、今回のおすすめケース紹介では割愛しています。

Vivace(ヴィヴァーチェ)|トロンボーン用ケース


ポリカーボネート製の軽さと丈夫さを兼ね備えたケース。重さは約3.9kgで、ほとんどのソフトケースより重いのですが安全性は十分です。

ケース内のクッション材は配置をアレンジできるので、ほとんどのトロンボーンを収納できるのも強みですね。楽器を買い替えてもそのまま使えますし、何種類かの楽器を使い分ける人もこのケースひとつで済みます。

カラーバリエーションも豊富なので、ケースの色を楽しみたい方におすすめです。

他にも、Vivaceのトロンボーンケースをチェックしたい方は下記ボタンからご覧ください。

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Bam(バム)|テナートロンボーン用 ソフトパックケース


こちらもカラーバリエーション豊富なケース。外装はABS樹脂というプラスチックでできています。

先に紹介したポリカーボネイト製のVivaceのケースの方が衝撃に強いのですが、こちらのケースは3.5kgと少し軽いのが強み。背負うときに体側にくる面はビニールレザーで覆われていて、快適に持ち運べます。

ケース内の小物入れが取りはずし可能で、そのまま持ち運べるのも便利です。使いやすさや快適さにこだわったケースと言えるでしょう。

他にも、Bamのトロンボーンケースをチェックしたい方は下記ボタンからご覧ください。

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KTL(ケーティーエル)|テナーバストロンボーン用軽量セミハードケース

MARCATO トロンボーン ツアーケース チャコールブラック
MARCATO

ソフトケースに近いセミハードケースです。
ウレタン製のクッションが使われていて、重さは約2.7kgとかなり軽量。頑丈さでは樹脂製のケースに劣りますが、扱いやすさは抜群です。

オープンラップ、セイヤーバルブ、ハグマンバルブも問題なく収納できますが、ベルサイズは8.5インチまでしか入らないので注意して下さい。

ケース内だけでなくケース外側にも収納エリアがあり、いくつもの小部屋に分かれていて、高い収納力を誇ります。

値段も安いので「ソフトケースは不安だけどセミハードは高いものが多い…」とお悩みの方には是非おすすめしたいケースです。

他にも、KTLのトロンボーンケースをチェックしたい方は下記ボタンからご覧ください。

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まとめ

ケースは大切な楽器を守ってくれる大切なアイテム。安全性はもちろん、使いやすさやデザインにもこだわりたいですよね。

お気に入りのケースを使えば、練習やコンサートももっと楽しくなるでしょう。

本記事をきっかけにみなさんが素敵なケースに出会えることを願っています。