「歌を歌っていたら喉が痛くなってしまった」ということは、誰もが一度は経験したことがあるでしょう。
しかし、歌を歌うといつも喉が痛くなってしまう場合は、歌い方に何かしらの原因があると考えられます。喉が痛くなる歌い方を続けていると、症状がどんどん悪化して治りも悪くなってしまうため注意が必要です。
まずは、喉が痛くなってしまう原因について知る必要があります。本記事では、問題点から喉を痛めない歌い方や日頃のケアについても詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
案内人
- 山吹あや幼少期からピアノ、中学校からサックス、高校から声楽を始め、地方国立大学教育学部音楽専攻へ進学。中学校では合唱部顧問を担当し、県大会を通過し関東大会に多数の出場経験がある。
目次
歌を歌うと喉が痛くなる原因
歌を歌うと喉が痛くなってしまうのには、いくつかの原因が考えられます。ここでは代表的なものを3つ紹介するので、当てはまるものはないかチェックしてみてください。
喉が十分に開いていない
一生懸命歌ってると、喉に余計な力が入って十分に喉が開いていない状態になってしまうケースはよくあります。しかし、喉に力が入ってしまうのは逆効果で、声が出しにくくなるだけではなく、喉を痛める原因にもなってしまいます。
まずは、喉に力を入れるのではなく喉の力を抜くイメージを持ちましょう。喉ではなくお腹や足元に力を入れるイメージで歌うと、楽に声が出せるようになります。
大きな声や高い音を無理やり出している
普段出さないような高音域の声を急に出したり、無理に大きな声で歌ったりすると、声帯に負担がかかり喉を痛めてしまうことがあります。
ウォーミングアップをしっかり行ってから歌う、自分に合った音域から少しずつ広げていくなど、段階的に歌っていくことが大切です。
体調や環境が良くない状態で歌っている
風邪気味のときや疲れているときなど体調が優れない状態で無理に歌うと、喉のコンディションをさらに悪化させてしまいます。体調が良くないときは、無理に歌うことは避けましょう。
また、空気が乾燥した環境で歌うことも喉を痛める原因になります。喉は、乾燥すると炎症を起こしやすくなってしまうため、適切な湿度を保つ環境であることも大切です。
歌って喉が痛くなった際の対処法
歌っていて喉が痛いと感じた際は、そのまま無理に歌い続けるのはやめて、しっかり喉を休ませましょう。
喉になるべく負担をかけないよう、食べ物や飲み物は辛いものや炭酸など刺激になるものは避け、喉越しの良いものを摂ることをおすすめします。また、加湿をして喉の乾燥を防ぐことも大切です。
喉が痛くなる歌い方を続けると……
喉に負担をかけ続けると、喉が炎症を起こしたり、細菌やウイルスが入り込んでしまったりと、さらに状態が悪化していきます。
喉の状態が悪ければ悪いほど、元の状態まで回復するのに時間がかかります。喉が痛いと思ったら、まずは喉をしっかりと休めてから、歌い方を改善していくことが大切です。
喉が痛くならない歌い方とトレーニング方法
喉が痛くならないようにするには、喉に負担をかけない歌い方を意識する必要があります。適切な歌い方を意識すると、歌いやすいのはもちろん、よりきれいで安定した歌声になります。
ここでは喉に負担をかけない歌い方やトレーニング方法について紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
正しい姿勢を意識する
歌うときには喉を楽にし、お腹や足元に力を入れることを意識してみてください。喉に力が入っているときは、肩にも力が入っている場合が多いです。上半身は力を入れずにリラックスさせ、背筋をすっと伸ばしましょう。
下半身は体をしっかりと支えるイメージで、お腹や足元にぐっと力を入れるようにして歌ってみてください。
腹式呼吸を意識する
喉を痛める歌い方をしている人は、呼吸が浅い傾向にあります。喉だけで無理に歌おうとすると、息を吸うときに肩が上がるような浅い呼吸になりがちです。お腹にしっかりと息を入れて、全身で歌うイメージを持って深い呼吸を意識して歌うようにしましょう。
腹式呼吸が上手くできない人は、仰向けや前かがみの状態で深い呼吸をする練習をしてみてください。鼻から吸って口からゆっくりと吐き出す練習を繰り返すと、歌声も安定するようになっていきます。
リップロールとあくびの練習をする
喉をリラックスさせて開きやすくするためには、リップロールとあくびの練習が効果的です。自分では専門的な発声練習ができないという人でも取り組みやすいので、ぜひやってみてください。
リップロールとは声を出しながら唇をブルブルと震わせることで、唇や喉をリラックスさせる効果が期待できます。慣れてきたらリップロールをしながら地声や裏声、低音から高音まで、さまざまな声を出してみましょう。
https://youtu.be/fKERin0QbKE
あくびの練習は、言葉の通り、あくびをする時の状態で口や喉を大きく開いてみることです。あくびをするときには喉の奥までしっかりと開くので、喉を痛めないような適切な歌い方と同じような状態になります。歌う前にしっかりと喉を開いておきましょう。
喉を傷めないようにするための日頃のケア
喉を痛めないようにするためには、適切な歌い方を意識するのはもちろん、日頃のケアも大切です。ここでは喉を良い状態に保つための方法をご紹介します。
乾燥対策をする
喉を良い状態に保つためには、乾燥は大敵です。特に冬など空気が乾燥した季節は、喉を痛めやすくなります。自宅では加湿器などを活用しながら、部屋の湿度が下がらないように気をつけましょう。
外出先で乾燥が気になる場合は、マスクを着用したりこまめに水分補給をするのが効果的です。
生活習慣を見直す
睡眠のリズムや食生活が乱れていると、喉の調子も悪くなってしまいます。喉の調子を整えるためには、十分な睡眠やバランスの良い食生活を心がけましょう。また、辛い食べ物や炭酸飲料なども喉への刺激になるため、なるべく控えましょう。
お酒やタバコは控える
お酒やタバコは喉への負担が大きいため、普段からなるべく控えておくことが大切です。特にカラオケなどでは飲酒しながら歌ったり合間にタバコを吸ったりする人は要注意。喉へのダメージが重なり、翌日には喉をひどく痛めた状態になってしまうので気を付けましょう。
まとめ
この記事では、歌を歌うと喉が痛くなってしまう原因について詳しく解説しました。喉を痛めない歌い方や日頃のケアについても紹介した通り、とにかく喉に負担をかけないような歌い方や生活が大切です。
歌を歌うことを心から楽しめるように、適切な歌い方を身につけていきましょう。