昨今、注目を浴びている津軽三味線。「和楽器バンド」といった邦楽ユニットで津軽三味線奏者が活躍していますし、主人公が津軽三味線奏者の漫画「ましろのおと」がアニメ化されたりもしました。
そんな津軽三味線の本格的な大会が、発祥の地である青森県五所川原市金木(かなぎ)で毎年開催されていることをご存知でしょうか。本記事では「津軽三味線全日本金木大会」の歴史や概要、第35回大会の詳細などを紹介します。
目次
津軽三味線全日本金木大会とは?
津軽三味線全日本金木大会は「人真似でない自分の三味線を演奏すること」を目指して開催される、三味線のコンクールです。国籍、流派、門下にかかわりのない個性を評価する点が特徴といえます。
平成元年に第1回が開催され、このときの優勝者には、現在第一線で活躍する上妻宏光(あがつまひろみつ)さんがいます。
以後、回を重ねるごとに出場者は増え、一般の部・団体の部共に盛り上がってきましたが、2020・2021年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となりました。2022年には規模を縮小して再開、2023年は運営スタッフの不足という事情もあって3部門のみの開催となります。
大会終了後には「仁太坊まつり」という、上位入賞者によるエキシビションが開催されます。
過去の結果と歴代入賞者
第34回大会|個人の部(2022年) |
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一般の部A級 |
仁太坊賞 |
大塚 晴也 |
白川軍八郎賞 |
勢喜ひかり |
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黒川桃太郎賞 |
三浦 幸人 |
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黒川桃太郎賞 |
鈴木 哲弥 |
第31回大会|個人の部 (2019年) |
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小学生以下 |
優勝 |
濱川 愛奈 |
準優勝 |
島 凛 |
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第3位 |
平野 瑠唯 |
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中高生の部 |
優勝 |
平野 ことは |
準優勝 |
眞田 優太 |
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第3位 |
古川 弥音 |
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シニアの部 |
優勝 |
成田 建男 |
準優勝 |
大谷部 年未 |
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第3位 |
酒井 敏彦 |
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一般の部C級 |
優勝 |
渡部 麻帆 |
準優勝 |
大石 真弓 |
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第3位 |
野呂 知世 |
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一般の部B級
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優勝 |
濱川 凛音 |
準優勝 |
山川 拳 |
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第3位 |
藤池 豊 |
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一般の部A級 |
仁太坊賞 |
菅野 優斗 |
白川軍八郎賞 |
藤村 由慈 |
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黒川桃太郎賞 |
三浦 幸人 |
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黒川桃太郎賞 |
髙森 彩花 |
第30回大会|個人の部(2018年) |
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小学生以下 |
優勝 |
片山 真歩 |
準優勝 |
濱川 愛奈 |
|
第3位 |
島 凛 |
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中高生の部 |
優勝 |
濱川 凛音 |
準優勝 |
平野ことは |
|
第3位 |
影山 遙星 |
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シニアの部 |
優勝 |
西山 恵子 |
準優勝 |
原田 実 |
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第3位 |
佐藤 裕治 |
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一般の部C級 |
優勝 |
小林 礼奈 |
準優勝 |
戸野華菜美 |
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第3位 |
阿部 遥 |
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一般の部B級
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優勝 |
阿川 憂己 |
準優勝 |
西村 孝樹 |
|
第3位 |
山川 拳 |
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一般の部A級 |
仁太坊賞 |
鈴木 利枝 |
白川軍八郎賞 |
大塚 晴也 |
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黒川桃太郎賞 |
佐藤 晶 |
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黒川桃太郎賞 |
宮﨑 啓佑 |
大塚 晴也|2022年 第34回大会 一般の部A級で仁太坊賞を受賞
2023年には第35回大会が開催!
津軽三味線全日本金木大会は、2023年に第35回を迎えます。ここからは大会の詳細について紹介します。
審査部門
前述の通り、第35回大会は3部門に絞って開催されます。
- 個人・一般の部A級
- 個人・中高生の部
- 個人・小学生以下の部
※一般の部A級は、津軽五大民謡を弾ける方が対象となります
大会の流れ
大会の流れは部門により異なります。
中高生の部と小学生以下の部は、1回きりの演奏で結果が決まります。
一般の部A級は、トーナメント方式による勝ち抜き戦です(1対1の曲弾き対決)。対戦相手はステージ前にて抽選で決定します。出場人数によっては、予選トーナメント、敗者復活戦もあり得ます。
第35回大会津軽三味線全日本金木大会の日程と会場
日程 |
会場 |
2023年9月17日(日) |
津軽三味線会館 多目的ホール (青森県五所川原市金木町朝日山) |
第35回大会津軽三味線全日本金木大会の課題曲
小学生以下の部・中高生の部
演奏曲目 |
演奏時間 |
自身が得意とする「津軽民謡の曲弾き(メドレー不可)」を1曲 |
3分以内 |
一般の部A級
演奏曲目 |
演奏時間 |
津軽五大民謡(じょんから・よされ・あいや・小原・三下り)の中からラウンドごとに課題曲を発表。各ラウンドの直前に客席からの抽選で課題曲を決定する(重複なし)。 ※新節・旧節・中節・新旧節の選択については自由 |
3分以内 |
第35回大会津軽三味線全日本金木大会の結果
コンクールの結果は、詳細が分かり次第、本サイトにて紹介予定です。
第35回大会津軽三味線全日本金木大会のチケット情報
観覧は有料で、1名600円です(学生や児童は割引あり)。
会場の津軽三味線会館自体、入館料のかかる施設なので、聴きに行かれる方は公式サイトから問い合わせや確認をお願いします。なお、大会が終わった夕方に開催され、大会で出場権を手にした方々が演奏する「仁太坊まつり」については観覧無料です。
まとめ
1回きりの演奏で順位が決まる中高生の部と小学生以下の部、トーナメント方式で行われる一般の部A級と、特色ある選考方法がアツい大会です。
今年はどんな奏者が優勝するのか、今から楽しみですね。