「ラ・フォル・ジュルネTOKYO 2019」とは?

フランス発、世界最大級のクラシック音楽祭「ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2019」が、2019年5月3日~5日まで東京国際フォーラム、丸の内エリア等で開催される。

「ラ・フォル・ジュルネ」はフランス西部の港町ナントで誕生したクラシック音楽祭。毎年テーマとなる作曲家やジャンルが設定され、複数の会場で約45分間のコンサートが朝から夜まで繰り広げられるというものだ。
若手から大御所まで幅広く演奏家が出演し、5日間で300公演が開催される。入場料は安価で、好きなコンサートを選んで1日中音楽の楽しさを満喫できる。
そのユニークさが他国にも広がりを見せ、2005年からは東京でも「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」がスタート。毎年ゴールデンウイークの定番イベントへと成長した。

「ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2019」のテーマは、「ボヤージュ 旅から生まれた音楽(ものがたり)」。
「ラ・フォル・ジュルネ」を企画したルネ・マルタン(アーティスティック・ディレクター)によると、”さまざまな時代の作曲家たちが旅先で得た刺激の下に書き上げた名作の数々が主役となって、音楽祭を華やかに彩る”とのことだ。

今回は東京国際フォーラムで開催される有料プログラムの中でも、ユニークかつクラシック初心者でも構えずに楽しめる3公演をご紹介したい。

渋さ知らズオーケストラ

「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」の常連となっている渋さ知らズオーケストラ、通称「渋さ」が今年も登場。
脱ジャンル音楽パフォーマンス集団という名前の通り、一言で言い表すのが難しいが、百聞は一見にしかず。まさに体感するのが一番といえる熱い集団だ。
中心人物の不破大輔がダンドリストとして全体を采配し、実力派ミュージシャンが並ぶメンバーは固定ではなくその日によって異なる。ダンサーチームが登場することも多い。
音楽はシンプルに楽しい!と伝えてくれる彼らの熱い夜をぜひ目撃してほしい。

渋さ知らズ!Official WebSite
http://shibusa.net/

【公演情報】
5/3 21:45~22:45 東京国際フォーラムホールC
渋さ知らズオーケストラ(脱ジャンル音楽パフォーマンス集団)

シエナ・ウインド・オーケストラ

日本のプロ吹奏楽団の中でも高い人気を誇るシエナ・ウインド・オーケストラ。
1999年佐渡裕指揮のCD「ブラスの祭典」がヒットし、以降「ブラスの祭典」シリーズは吹奏楽部で演奏する学生たちの必聴盤となった。人気音楽番組「題名のない音楽会」の常連でもある。

そんなシエナが演奏する「エル・カミーノ・レアル」は、吹奏楽の名曲を数多く残したアメリカの作曲家アルフレッド・リードの人気曲。情緒的なメロディー、スパニッシュの熱いリズム、まさにスペインに旅したような気分になれることうけあいだ。

またステージ最後の「宝島」は、日本の大人気フュージョンバンドT-SQUAREの明るく楽しい作品。
吹奏楽界で指揮者・作曲家として活躍し、惜しくも2016年にこの世を去った真島俊夫が吹奏楽用にアレンジしたバージョンは多くのブラバンっ子たちが大好き!と声を揃える大人気曲。会場が一つになって盛り上がることだろう。
吹奏楽はあまり聴いたことがないという方にこそぜひ足を運んでほしい、お薦めの公演だ。

シエナ・ウインド・オーケストラ Official WebSite
https://sienawind.com/

【公演情報】
5/4 13:15~14:00 東京国際フォーラム ホールC
シエナ・ウインド・オーケストラ
栗田博文(指揮)
A.リード:エル・カミーノ・レアル
チャイコフスキー(挟間美帆編):「くるみ割り人形」から花のワルツ
ガーシュウィン(真島俊夫編):パリのアメリカ人
和泉宏隆(真島俊夫編):宝島

小曽根真、フランク・ブラレイ

ベテラン・ジャズピアニストの小曽根真は名門バークリー音楽大学を首席で卒業、1983年アルバム「OZONE」で全世界デビューした。以降ジャズの世界で国際的に活躍すると共に、クラシックにも本格的に取り組み数々のオーケストラと共演し絶賛されている。音楽番組にもよく出演するのでお馴染みの方も多いのではないだろうか。

そしてフランスのピアニスト、フランク・ブラレイは、エリーザベト王妃国際音楽コンクールで優勝して以来、世界中で活躍、CDも多数リリースしており、来日公演も多い。

そんな二人のピアニストと共演するのはポーランドのオーケストラ、シンフォニア・ヴァルソヴィア。「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」に毎年来日している。指揮はエストニア人指揮者ミハイル・ゲルツ。

顔ぶれだけでも充分に旅気分を味わえそうだが、演奏曲もまた凄い。
アメリカの作曲家ジョージ・ガーシュウィンの名曲「ラプソディ・イン・ブルー」。ガーシュウィンはクラシックとポピュラー音楽両方の作曲で知られているが、この「ラプソディ・イン・ブルー」はジャズとクラシックを融合させたもので、緩急に富む構成と技巧的なピアノ独奏部は聴衆の心を鷲掴みにすること間違いなし。

また、フランスの作曲家モーリス・ラヴェルの「ピアノ協奏曲 ト長調」も面白い作品だ。
スペイン音楽やジャズの要素が取り入れられ、ラヴェルならではの叙情性と共に楽しさやエキゾチックな雰囲気もあり、「ラプソディ・イン・ブルー」同様にクラシック初心者でも聴きやすく音楽の楽しさを味わえる。

【公演情報】
5/5 19:00~19:45 東京国際フォーラム ホールA
小曽根真(p)
フランク・ブラレイ(p)
シンフォニア・ヴァルソヴィア
ミハイル・ゲルツ(指揮)
ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー
ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調
今年のゴールデンウイークは異例の10連休という方も多いことだろう。
東京に居ながらにして世界を感じられる「ラ・フォル・ジュルネTOKYO 2019」で、音楽の旅を楽しまれてはいかがだろうか。

【イベント情報】

「ラ・フォル・ジュルネTOKYO 2019」
開催日程:2019年5月3日(金・祝)~5月5日(日・祝)
会場:東京国際フォーラム、大手町・丸の内・有楽町エリア

「ラ・フォル・ジュルネTOKYO 2019」公式サイト
https://www.lfj.jp/lfj_2019/