パシフィック・ミュージックフェスティバルとは?

パシフィック・ミュージックフェスティバルは、毎年7月に札幌で開催されている、クラシックの国際教育音楽祭です。
世界中から100人を超える音楽家が札幌に集まり、さまざまなラインナップの音楽を披露します。
今年で30回目を迎え、歴史と伝統を持ったフェスティバルとなっています。

パシフィック・ミュージックフェスティバル創設の経緯

創設者は、指揮者のレナード・バーンスタイン。
バーンスタインは、かねてから若手音楽家を集めた教育音楽祭を企画しており、アジアでの開催を構想。当初、候補地として北京が挙げられていました。
しかし、1989年に天安門事件が発生してしまい、開催を断念します。
そこに白羽の矢が立ったのは、札幌での開催でした。ロンドン交響楽団とともに、札幌で開催に漕ぎつけることになったのです。

バーンスタインは第一回の開催後に、肺がんにより亡くなってしまいますが、
札幌市が翌年以降の開催を表明し、任意団体「PML組織委員会」を発足します。10年以降は内閣府所管の公益財団法人に移行して、音楽祭の運営にあたっています。多くの人に支えられて、今年で30回目の開催です。

パシフィック・ミュージックフェスティバルの主な内容

パシフィック・ミュージックフェスティバルの主な目的として、アジアの若手音楽家の育成があります。
世界各地から有望な若手音楽家を募り、オーディションによって選抜して、晴れて合格となった人を「PMLアカデミー生」として招聘します。ジャンルもさまざまなものがあり、オーケストラを主軸としながら、声楽、指揮、作曲など、バラエティに富んだラインナップとなっています。
アカデミー生は1ヶ月間、世界で活躍する音楽家を教授に迎えて、知識や経験など幅広く学んでいきます。
アカデミー生を指導するのは、世界の一流指揮者や、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団など、
メジャー・オーケストラの現役団員や、各分野の専門家など。

多くの音楽家がPMLを経て巣立っていきました。これまでPMLで学んだアカデミー生は、延べ3500人となっており、世界76ヶ国、200を超えるオーケストラに在籍しています。

パシフィック・ミュージックフェスティバルの見どころ

パシフィック・ミュージックフェスティバルのメイン会場は、札幌中心部にある「札幌コンサートホールkitara」となります。
練習や演奏会の多くは、この会場で行われます。
また北海道各地での演奏や、会期の終盤には東京へのコンサートツアーも行います。それでは、会期中に開かれる見どころを紹介します。

ピクニックコンサート
<レナード・バーンスタイン・メモリアル・コンサート>

野外ステージで開かれるコンサートです。
コンサート会場は敷居が高いと思う人も、気軽に鑑賞することができます。
ゆったりと音楽を楽しみたい人にはとてもおすすめです。
室内楽や声楽曲、オーケストラまで幅広いラインナップを楽しむことができます。

開催日 19年7月13日(土)
時間 開場13:00/ 開園14:00
会場 札幌芸術の森・野外ステージ
演奏時間 約4時間30分(休憩あり)

PMLプレミアム・コンサート

PMLは、これまで10回ごとの節目に、記念オーケストラを編成しています。
第30回となる今回は、PMLプレミアム・オーケストラが記念の年を彩ります。
指揮するのは、クリストフ・エッシェンバッハ。
マーラーの大曲、交響曲第8番を演奏します。
地元札幌で活躍する合唱愛好家が集結して、プレミアム合唱団を編成するなど、類を見ない大規模なコンサートは、必聴の公演です。

開催日 19年7月20日(土)・21日(日)
時間 開場16:20/開演17:00
会場 札幌コンサートホール kitara
出演者 クリストフ・エッシェンバッハ(指揮)
PMLプレミアム・オーケストラ
PMLプレミアム合唱団
HBC少年少女合唱団
演奏時間 約1時間30分(休憩なし)

PMLオーケストラ東京公演

会期の終盤、アカデミー生たちが練習の成果を披露する晴れの舞台です。
アカデミー生によって編成されるPMLオーケストラは、
ユースオーケストラとしてアジア随一であり、世界トップレベルの力を誇っており、
毎年多くの聴衆を魅了しています。
指揮を取るのは、圧倒的なカリスマ性で世界的な活躍を見せる、ワレリー・ゲルギエフ。
今回は、6月に行われるチャイコフスキー国際コンクールで新たに新設された、
木管・金管楽器部門の優勝者をソリストとして迎え入れます。

開催日 19年8月1日(木)
時間 会場18:20/開演19:00
会場 サントリーホール(東京)
出演者 ワレリー・ゲルギエフ(指揮)
第16回チャイコフスキー国際コンクール木管部門優勝者
PMLオーケストラ
演奏時間:約2時間(休憩あり)

パシフィック・ミュージックフェスティバルに足を運ぼう

パシフィック・ミュージックフェスティバルでは、他にもさまざまなイベントがあります。
世界中の優れた才能が、一堂に集まる機会はなかなかありません。
次世代のスター候補生たちを、間近で見ることができる絶好のチャンスです。
またアカデミー生にとっても、教育を受けて発表する機会となり、貴重な体験となっています。札幌の地で成長する姿を見ることができるのは、教育音楽祭の魅力なのです。
パシフィック・ミュージックフェスティバルは約1ヵ月もの間、開催されていますので、近くに寄った際は、足を運んでみてはいかがでしょうか?

国際教育音楽祭 パシフィック・ミュージック・フェスティバル札幌
開催日 19年7月4日~8月2日
会場 札幌コンサートホール kitaraなど

参考文献
パシフィック・ミュージック・フェスティバル札幌
https://www.pmf.or.jp/

ようこそSAPPORO
http://www.sapporo.travel/event/summer/pmf/