【演奏会・規模別】演奏会のためのコンサートホールの選び方(前編)

2019/08/27
ライフハック

自主企画の演奏会は、「1回だけの記念演奏会」になりがちです。しかし演奏会の目的を明確にして、成功した運営ができると定期的に企画を続けていくことができます。そのため、目的に見合った規模のホール選びはとても重要です。

主催者は、ホールの手配に、集客やチケット金額の設定、お手伝いスタッフの手配にいたるまで、すべてのことを決めなくてはなりません。そのため、肝心の楽器の練習が一番あとまわしに…なんていうことも。
事務的な仕事は効率良くさばいて、演奏にかける体力が削がれないようにしましょう!

 

最初にやるべきこと

事務手続きで一番先にやるべきことは「ホールの押さえ」です。公的な施設は、利用希望月の1年前に申し込むことが多いですね。このように早く会場を決めなくてはいけないにもかかわらず、運営するうえで一番大きな出費は「ホールの使用料」。曲の準備を始めないうちにホールを押さえるのは、なかなか勇気がいることですね。

細かな選曲が決まっていなくても、まず「どういった趣旨のコンサートなのか」と「利益はどのくらい望むか」をはっきりさせると、どのくらいの規模のホールが適当かが見えてきます。

 

自主公演を成功させるためにはホール選びも重要

まず自主企画演奏会の成功イメージについて考えてみましょう。
先ほど述べた「どういった趣旨のコンサートなのか」と「利益はどのくらい望むか」ということを、より本質的に考えてみると、

• やりたい音楽を奏でられて
• お客様に喜んでいただけて
• 予想していた収支より赤字ではない

ということになるのではないでしょうか。

1つめの「やりたい音楽」とは、とくに演奏したい曲、共演するメンバーの楽器や人数、または、災害復興を応援するための企画、演奏を通して伝えたいメッセージの内容、といったコンセプトが関わってくる部分です。

2つめの「お客様に喜んでいただけて」とは、音楽的に成功した演奏を快い状態で聴いていただき、「足を運んで良かった」と思ってもらえることです。ここには、チケット代金に見合ったコンサート内容であったか、ということもシビアに関わってきます。

3つめの「予想していた収支より赤字ではない」とは、演奏者ひとりにつきどのくらいの報酬を期待しているか、赤字にならない程度に開催できたら良いと考えていたか、など、主催者側の意識によって変わります。そもそもまったく収入を見込まない演奏会も実現できます。

この「収支」の部分で一番大きな支出がホール使用料で、チケット収入につながるのが収容人数です。したがって、演奏会の成功にはホールの規模についての決定が重要と言えます。

 

コンサートの規模に合ったホールとは?

一般的に、ホールの設備が良くて収容人数(キャパシティ)が大きくなるほど、ホールの使用料は高額になります。先ほど述べた3つの要素のうち「収支」の部分で支出が大きくなるということですね。
演奏会で使用するホールの規模というのは、自主企画演奏会の成功イメージ1、2、3のバランスをよく考えたうえで、決定する必要があります。

 

【初級編】収容人数70人前後のアットホームなコンサートホール

都内では、感じの良い隠れ家的なコンサートホールが点在しています。小さいながらもしつらえにこだわりがあり、設置されたピアノは小型でも趣深い音色であることが多いです。
この規模では、舞台がなく、客席にも傾斜がないことが多いです。演奏者の息づかいまで直に伝わる距離感ですね。

「やりたい音楽」という部分で、選曲にこだわった親密な演奏会にしたい、ソロで仕切れる空間にしたい、といった場合に向いているでしょう。また「お客様に喜んでいただけて」という視点では、演奏者との距離が近いので気持ちが伝わりやすいというメリットがあります。
「収支」の部分では、良質な小さいホールは使用料が安いとも言い切れませんが、お手伝いスタッフはひとりかふたりにお願いすれば充分なため、やはり出費は抑えることができます。

 

【中級編】収容人数250名前後の使い勝手の良いコンサートホールもおすすめ

公的な施設の「小ホール」と呼ばれるものは、収容人数が250~300くらいであることが多いです。ソロ演奏でも、室内楽でも、演奏しやすいサイズのホールですね。このくらいのキャパシティになれば、客席には傾斜がつき、舞台にも袖がついて、ホールの形がしっかりとしてきます。

「やりたい音楽」の部分では、休憩を挟むような、構成がしっかりしているコンサートプログラムや、室内楽の音楽に向いています。親しみやすいコンサートでありながら、お客様にフォーマルな雰囲気を楽しんでいただけるホールの規模です。

また、「お客様に喜んでいただけて」と「収支」に関わってくる話ですが、あまりマニアックな選曲ではなく、多数のお客様に受け入れていただける内容であることも必要になってくるホールの規模だと思います。

 

【上級編】収容人数400~600名のコンサートホールは迫力抜群!

コンサートホールに備えられたピアノは、ホールが大きければ大きいほど、フルコンサートサイズに近くなり、楽器そのものの響きが良くなります。ピアノの好みは奏者によってさまざまですが、ピアノのサイズという意味では、間違いなくホールの大きさに比例します。

また、反響板やマイク、アナウンス設備なども完備されるので、楽器の種類に限らず、フォーマルな演奏会を実現できます。
しかし先ほど述べたように、設備が良くキャパシティが大きくなるほど、ホールの使用料が高額になる傾向があります。演奏会の宣伝にも、労力がかかってきます。

「やりたい音楽」という部分では以下のような動機が必要です。

・できるだけ多くのお客さんに来場してもらいたい理由がある(チャリティ目的など
・楽器が多いので広い会場でのびのび演奏したい
・とにかく響きの良いピアノを弾いてみたい!

そして、お客様の満足度と収支に関わる部分としては、演奏者がホールの響きを良く理解した、質の高い演奏であることと、チケット代金のバランスが納得いくものであることが重要なポイントです。

もちろん、お客様負担のチケット代は無料で来場自由とし、とことん自分たちにとって納得のいく演奏を追求するぞ!というスタンスでも、演奏会は成り立ちます。たとえ利益が出なくても「自主企画演奏会の成功イメージ1、2、3」の釣り合いが取れていれば、演奏会は成功と言えるでしょう。

これだけの大きさのホールにお客様を集めるのは相当大変なことですので、お教室の発表会を兼ねてホールを押さえ、会の後半を企画コンサートにしてみるという方法もありますね。

 

演奏会のためのコンサートホールの選び方 後編に続く

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