【演奏会・規模別】演奏会のためのコンサートホールの選び方(後編)

2019/09/03
音楽家の生活

演奏会のためのコンサートホールの選び方(前編)はこちら

小規模コンサートなら喫茶店やサロンもおすすめ

小さくてアットホームな規模のホールとして、70名前後の会場について触れましたが、実際に70名のお客様に来ていただくのはなかなか大変なことです。
もっと身近なところで、お住まいの地域の雰囲気の良い喫茶店をお借りし、手作りのコンサートを開くこともできますよ。

まず、ピアノが置いてある喫茶店は、音楽にご興味があるオーナーと考えて間違いがありません。お客様には1ドリンクをオーダーしていただく約束で、お店を貸し切りにしてもらう、といったような相談をしてみると良いでしょう。

また、公民館や教会も、演奏会用の場所を提供してくれることがあります。ホールではないため、設置されているピアノについてはあまり期待できないですが、伴奏用ピアノだと割り切って、歌や弦管楽器とのアンサンブルコンサートを開くのも楽しいものです。

 

ホールの規模と併せてチェックしておくポイントは?

これまで、コンサート企画を大きく左右するホールの規模についてお伝えしてきましたが、どんなホールでも筆者がチェックしているポイントはこちらです。

○駅からの距離
交通の便を考えるとき、電車の便だけではなく最寄り駅からの距離というのが重要ポイントです。徒歩10分以内だったら、ベストですね。あいにく最寄り駅から離れた場所の場合は、車で来られたお客様のための駐車スペースが必須となります。できれば時間貸しのコインパーキングではなく、ゆっくり演奏会を楽しんでいただける環境だと良いですね。

○ピアノ調律の有無
ピアノの調律は、かかる時間もお金も大きいものです。ホールのピアノを使う場合、本来であれば毎回調律することが常識なので、大きな声ではおすすめできないのですが、調律なしのコンサートは可能です。前の利用者たちがいつごろ調律を入れているか、ホールに聞いてみると良いでしょう。

○1日2回公演できる可能性があるかどうか
ホールの規模は大きくせず、同じプログラムを2回公演するという手もあります。お手伝いスタッフには、同じことを2回お願いしますが、少人数でまかなえます。ホールを借りる時間帯をうまく使って1日2回公演をすると、小さめのホールでも多数のお客様に聴いていただけます。

自主企画のコンサートはとても体力がいるものですが、成功したときの充実感は他に変えられません。納得のいく演奏会になるよう、ホール選びの参考にしてみてください!

 

ホール選び例

それぞれのホールの規模ごとに、いくつかの実際の会場を挙げてみましょう。ホールのしつらえや設備をご参考に、みなさんの開きたいコンサートのイメージに合う会場を探してみてくださいね。

 

70名前後のちいさい規模のホール

○アコスタジオ:
https://itp.ne.jp/info/137964833162240230/
木の温もりのあるこちらのホールは、アットホームなコンサートにおすすめです。小さいホールであっても、直接的な音に聴こえず、まろやかに音が回っていきます。おもてなし感覚のある心のこもった演奏会を実現できます。

○日暮里サニーホール・コンサートサロン:
http://www.sunny-move.jp/sunny/facility/salon.html
こちらのホールは定員100名まで。荒川区民優先のホールですが、区外在住でも利用することができます。スタインウェイ・ベーゼンドルファー・ヤマハと、ピアノの種類も多様。トリオの演奏会でも、とても使いやすいサロンでした。

 

250名前後のホール

○くにたち市民芸術小ホール:
https://kuzaidan.or.jp/hall/%e3%83%9b%e3%83%bc%e3%83%ab/#i-2
こちらのホールは、舞台と客席が可動式になっています。舞台を広く取るスタイルでは270席ですが、器楽コンサート様式ですと330席ほどのキャパシティになります。この規模のホールになると、演奏の手ごたえも十分。

○相模女子大学グリーンホール・多目的ホール:
http://hall-net.or.jp/01greenhall/info/equipment02/
通常240名、最大300名までのホール。客席増席が可能なのも、このくらいの規模のホールの特徴です。奏者の表情は後ろの客席まで届き、MCトークも生きるホールのサイズ感です。

 

400名以上のホール

○ルネこだいら・中ホール:
http://www.runekodaira.jp/facilities_guide/middlehall
ピアノの音の広がりが心地よく、ホールならではの演奏を楽しめます。400席以上のホールになると、客席の位置によっては奏者の表情がはっきりわからなくなりますが、奏者のオーラや雰囲気は、より印象強く伝わるとも言えます。また、よく響くホールだと、残響の印象をつよく受けることがあります。

練習どおりの普段の演奏をめざすことは大事ですが、客席にはどのように聴こえているかを、客観的に捉えながら演奏する余裕が必要になってきます。

○保谷こもれびホール・メインホール:
https://www.komorebi-hall.jp/guide/main.html
定員約600名のこちらのサイズのホールになると、演奏時間も内容的にも、ダイナミックな作品が聴き映えします。衣装は華やかな方が見栄えがするでしょう。

個人的には、このくらい大きいホールだとかえって前向きになり、おおらかな演奏が出来るような気がします。たくさんの方に来ていただきたいチャリティコンサートや、ゆったりと座席を使いたい親子コンサートなどにもおすすめです。

 

以上のホールは、当該区民・市民は優先されることがありますが、区外・市外の方でも申し込めるものを挙げてみました。お住まいの市区町村の方だけが申し込むことができる、素晴らしいホールもたくさんありますので、そちらもぜひ探してみてください。

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