近江の春 びわ湖クラシック音楽祭の歩み

近江の春 びわ湖クラシック音楽祭は、「気軽に質の高いクラシック音楽を1日中楽しめるように」というコンセプトのもと、2018年にスタートした音楽祭です。
プロデュースするのは、2007年よりびわ湖ホールの第2代芸術監督に就任している沼尻竜典で、2018年、そして2019年とびわ湖ホールを中心に、ゴールデンウィークの期間に開催されてきました。

今回のテーマは「近江の春」。沼尻によれば、松尾芭蕉の墓がこの近江の地にあることから、このテーマを思いついたそうです。松尾芭蕉というと「奥の細道」から東北地方をイメージしますが、晩年の松尾芭蕉は近江の地に滞在し、近江にちなんだ句を100句以上も残しているのです。

そして松尾芭蕉の墓は、びわ湖クラシック音楽祭のメイン会場であるびわ湖ホールから歩いて10分もかからない義仲寺にあります。

びわ湖クラシック音楽祭

近江の地は西から、そして東からの旅人が交錯し、交流のある場所でした。そして今、近江の地に住む人と、そこに訪れる人たちが一堂に会することができたらさぞかし素敵なものになるはず、という思いから、この名前はつけられたのです。

近江の春 びわ湖クラシック音楽祭2020では、生誕250年を迎えるベートーヴェン、そして生誕180年を迎えるチャイコフスキーを中心に取り上げたプログラムが予定されています。
今回はこの音楽祭の魅力や見どころ、楽しみ方をご紹介していきます。

一流アーティストの演奏から無料で楽しめるものまで

びわ湖クラシック音楽祭の魅力は、一流アーティストの演奏から地元の高校生たちによる演奏まで多岐にわたって堪能できるというところにあります。

2019年には大阪フィルハーモニー交響楽団によるコンサートが行われ、当日券も全て完売するという盛況ぶりを見せたかと思えば、京都橘高等学校吹奏楽部や明浄学院高等学校吹奏楽部によるマーチングも大反響でした。

また、びわ湖ホール四大テノールによる「テノーレ戦隊ヒビクンジャー」は客席の笑いを誘い、ピアノの調べに乗せて書道を披露する、というユニークな催しもあり、「クラシック音楽」の持つ堅苦しさの壁を取り除き、

びわ湖クラシック音楽祭は大ホールだけで行なわれるものではありません。他にも、ピアザ淡海でファミリー向けのコンサートが行われたり、琵琶湖の遊覧船での船上コンサートなど地の利を生かしたイベントも魅力です。

大ホール、中ホール、小ホール、メインロビーや湖畔の広場など、会場余すところなく音楽で溢れている、というのがなんとも素敵ですよね。

しかも、有料の公演だけでなく、無料で楽しめるイベントも数多くある、というのもこのびわ湖クラシック音楽祭の大きな魅力なのです。

気軽に立ち寄れる音楽イベント

イベント開催中はどの会場も自由に訪れることができます。有料のコンサートはチケットが必要になりますが、チケット要らず、無料で楽しめるイベントも数多くありますので、ふらりと立ち寄って楽しむことも可能です。

0歳児からのコンサート、そしてキッズ向けのコンサートもあるのでご家族で連れだって行っても退屈することはありません。
普段、小さい子がいるからとクラシックコンサートを見にいけないというお母さんにも楽しんで貰えます。

また、音楽コンサートのみならず、多数飲食店も出店しますので、ちょっとしたお祭り気分も味わえます。気持ちのよい春の季節、日本一大きな湖、琵琶湖を舞台に繰り広げられる素敵な音楽イベントに、観光がてら訪れてみるのも一興ですよね。

近江の春 びわ湖クラシック音楽祭2020見どころチェック!

それでは、「近江の春 びわ湖クラシック音楽祭2020」の見どころをチェックしましょう。

出演が決定しているのはロシア出身のピアニスト、ドミトリー・シシキン。彼は2019年に開催された第16回チャイコフスキー国際コンクール ピアノ部門で2位に入賞した、最近人気名声ともに急上昇中のピアニストです。ロシアの巨匠、エリセ・ヴィルサラーゼの門下生であり、既に何度か来日もしています。

こちらは2015年のショパンコンクールでのドミトリー・シシキンのピアノです。「英雄ポロネーズ」を披露していますがともかくテクニックが素晴らしいですね。
今回の曲目などはまだ未定ですが、一体何の楽曲を演奏するのか非常に楽しみなところです。

大ホールでは大阪フィルハーモニー交響楽団の出演が決定しています。大阪フィルは2019年にも出演し、チケットがソールドアウトするほどの人気ぶりを示しました。

こちらからYouTubeをご覧ください

こちらは2016年7月のコンサートの模様です。2020年はベートーヴェンに焦点を当てる、とのことなので「英雄」の動画をチョイスしました。

そして最後にご紹介するのは京都橘高等学校吹奏楽部。びわ湖クラシック音楽祭は世界で活躍するアーティストから地元の高校生までと幅広い出演者が魅力でもありますが、その、「地元の高校生」枠が彼女たちといってもいいでしょう。

しかしどうでしょうこのハイクオリティなパフォーマンス!京都橘高等学校吹奏楽部はこれまでも数々の賞を受賞している実力派の吹奏楽部なのです。

そのほか、日本センチュリー交響楽団による大ホールでの演奏が決定、ヴァイオリニストのニキータ・ボリソグレブスキーらも招待されています。
メインロビーや湖畔公園においても多数アーティストによる演奏、そしてイベントが予定されていますので是非とも足を運んでみて下さい。

会場詳細情報は下記に掲載しております。松尾芭蕉も愛したという近江の地で、春の風を感じながら素敵な音楽に触れてみませんか?

【近江の春 びわ湖クラシック音楽祭2020 情報】
期間:2020年4月25日(土)・26日(日)
会場:滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール、ピアザ淡海 滋賀県立県民交流センター ほか
近江の春 びわ湖クラシック音楽祭2020公式サイト:https://festival.biwako-hall.or.jp/2020/