【楽器奏者に聞く】初心者のための楽器上達方法【フルート編】

2018/11/06
インタビュー

楽器は体の使い方、頭の使い方で上達に大きく差が出ると言われています。
初心者は特に何をすれば良いか分からず、練習方法を模索しているうちに挫折してしまう方も多いと聞きます。
ではプロの方々は初心者時代にどのような練習をしていたのでしょうか?
このシリーズではプロ奏者の練習方法から学び、効率的な上達を目指す足掛かりを作れればと考えております。

フルートは木管楽器の中でもリードを使用しない楽器として、オーケストラ内で独特の立ち位置を持っています。実は中世ではリコーダーが「フルート」と呼ばれており、現在のフルートは「フルート・トラヴェルソ(横向きのフルートという意)」と呼ばれていました。オーケストラが発展する中で、音量の小さいフルート(リコーダー)は淘汰され、フルート・トラヴェルソ(フルート)に取って代わられました。その際に名前も取られてしまったリコーダーはなかなか不憫ですね。
小さな筐体からは想像できない音域の広さを持っており、その機動性と、小鳥のさえずりのような澄んだ音色に魅了され、挑戦しているという方も多いでしょう。

今回はプロ奏者として演奏活動を行う若手フルート奏者。佐々木華さんに、フルート上達の近道をお聞きしました。

 

筆者:最初に始めた楽器は何でしょうか?

佐々木華(以下佐々木):ピアノを5歳か始めて、それが初めての楽器でした。その後小学4年生の頃に吹奏楽部に所属して、そこでフルートを手にしました。最初は親が買ってくれたヤマハのフルートを使っていましたね。

筆者:吹奏楽がきっかけだったのですね。吹奏楽といえば色々な楽器がありますが、その中でフルートを手に取ったのは、何か理由があるのでしょうか?

佐々木:実は母がフルートを吹いていたんです。その姿を見てきたこともあってずっと憧れていて、もう迷うことなくフルートを選びましたね。

筆者:フルートを始めた当初はどのような練習をしていましたか?

佐々木:やはり息を使う楽器であるということがピアノとは大きく違う部分だったので、息をコントロールすることから練習し始めました。私は当時からとても身長が低くて(笑)、まず息が全然続かない。まともに音が出せるまでとても苦労したのを覚えています。

 

 

筆者:まずはまともな音を出す練習をしたんですね。

佐々木:はい。吹き込む角度もそうですが、音を安定させるためにロングトーンの練習はすごく考えてやっていましたね。息は吹き始め、中間、吹き終わりでスピードが変わってしまいます。そうするとピッチやダイナミクス、音色にムラが出てしまうんです。これを一定に出来るよう、常に意識してロングトーンをやってましたね。紙やティッシュ等に息を吹きかけると、息の強さが目で見えるので、意識するうえでも良い練習になりますよ。

筆者:そういった練習が音色を作っていくのですね。
初心者は息もそうですが、運指の面でも悩んでいる方が多いと思います。やはりスケール練習などの基礎練習で地道に体得したのでしょうか?

佐々木:基礎練習は勿論とても大事です。やってて退屈にならない人はどんどんやった方がいいでしょう。でも皆さん早く大好きな曲が弾けるようになりたいですよね?私は曲の練習の中に基礎を取り入れるような練習をしていました。楽曲はハーモニーやスケール、ダイナミクス等の集合体です。大好きな曲から一部分を取り出すと、何かのスケールだったりするわけですね。それでもう基礎練習になっちゃいます(笑)。この方法なら基礎に戻りながら曲の練習が出来て一石二鳥です。曲が弾けるようになった段階で、結構うまくなってると思いますよ。

筆者:なるほど。曲からスケールやハーモニーを取り出すということですが、そもそもそれがどんな和声で、どんなスケールなのかわからないといけないと思います。そういった意味でやはり音楽理論の触りくらいは知っておいた方が良いということですかね?

佐々木:そうですね。その点でいうと私は幼少期にやっていたピアノが役立ちました。フルートは単旋律の楽器なので、一人で弾いていてもハーモニーは感じづらいんです。一人での練習ももちろん重要ですが、他の楽器とアンサンブルすることで、感覚的にハーモニーを身につけることはとても重要です。

ハーモニー感覚が身についてきたら、無伴奏曲やエチュードのような単旋律の曲にも、頭の中で想像して伴奏をつけてみましょう。それだけで歌い方がかなり変わると思いますよ。

筆者:最後に、これからフルートを初める、または初めたばかりの方々に一言お願いします。

佐々木:私は基礎練習が大好きなんですけど、そうでない人も多いと思います。今回お話しした方法もそうですが、楽しむことが第一なので、退屈な練習をいかに楽しくできるか、工夫していくことが大切だと思います。是非巷に溢れている練習に囚われず、自分なりの練習を探してみてください。上達すればするほど、フルートが大好きになるはずです。

佐々木華
東京藝術大学音楽学部器楽科フルート専攻卒業。
現在首都圏と秋田を拠点としてソロ演奏や室内楽、プロオーケストラへの客演など様々なコンサートに出演する他、フルートやピアノの演奏指導など多方面でも活動している。
公式ホームページ http://hana-sasaki.com
Twitter https://twitter.com/87mlma

 

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