ショパン『ジェラゾヴァ・ヴォラ(ポーランド)』

ポーランド、マゾフシェ県ソハチェフ郡にある牧歌的で美しい小さな村。

小川のせせらぎを背に、新緑の溢れる庭園を抜けると、ひっそりと佇むショパンの生家が見つかります。

ショパンは生後七ヵ月でワルシャワに移住するまで、この地で豊かな生を育みました。

フォーレ『パミエ(フランス)』

ショパンの生地とも雰囲気が似ていますね。フランス南部の、パミエというコミューン(自治区)がガブリエル・フォーレの生地です。

ここも、人口は1万5千人ほどのマッチ箱のような小さな村ですが、スカイダイビングが楽しめるようです。

フォーレの小さな、そして美しい歌曲に相応しい、風通しの良い美しい街ですね。

バッハ『アイゼナハ(ドイツ)』

ヴァルトブルク城という世界遺産のあるこの街は、広大な森に囲まれ、歴史的な建造物が数多く残っています。また、ヴァルトブルクをはじめとした自動車の生産地でもあるようです。

文化と産業、美しい自然が共存した歴史的佇まいのあるこの街は、ゲーテ街道巡歴の道すがらに立ち寄ることができます。

ゴシック様式の建築、ロマネスク建築の教会など、バッハの出生地として頷ける趣きがあるような。

ブルグミュラー『レーゲンスブルク(ドイツ)』

ドナウ河畔、ここも「レーゲンスブルクの旧市街とシュタットアムホーフ」という世界遺産のある街です。

二つの大きな川の合流付近に位置するため、水上航路の要所として、現在でも旧市街はとても賑やかで活気があります。

ドイツ最古のクーヘンゲッシェフト(ケーキ屋さん)、そしてクナイペ(大衆居酒屋)が数多くあるなど、観光客にも楽しい街のようです。

ベッリーニ『シチリア島・カターニア(イタリア)』

イタリア・シチリア島は南欧の街、カターニアです。

シチリアと言えば美しい海と美味しい料理ですが、カターニアは古代ローマ時代の浴場跡などが散見され、遺跡マニアには垂涎ものかもしれません。

街中には、ベッリーニの生家や、ベッリーニ劇場など、偉大な作曲家の生地らしい施設も残っています。

ちなみに現代作曲家のアルド・クレメンティもカターニア出身ですね。

ラヴェル『バスク地方・シブール(フランス)』

バスク地方はフランスとスペインにまたがる地域を指す呼称ですが、シブールはフランス領ですね。

街並みも非常に美しいのだけれど、紀元前の遺跡が多く点在していたり、伝統音楽をはじめ、美術や映画などの文化活動も盛んです。

河川と海岸に囲まれていて、ラヴェルの水の戯れを彷彿とさせたり。一度は行ってみたいですね。

レスピーギ『ボローニャ(イタリア)』

ボローニャは欧米最古の大学がある学問都市である他、ドゥカティ、ランボルギーニ、マセラティなど高級車企業の発祥の地でもあります。

街はルネッサンス期の風情がそのまま残っていて、豊かなバロック様式の教会などが点在しています。

また、美食の街ですね。ボロネーゼはもちろん、チーズや生ハムなどの産地で、食はイタリア屈指!と言われるほど。

レスピーギゆかりの地ではなくても、是非一度は訪れたい街ですね。

メシアン『アヴィニョン(フランス)』

「アヴィニョンの橋の上で」で有名なサン・ベネゼ橋があります。モルナスの要塞跡や、ローマ劇場後など名所が多くあります。ブドウ畑に囲まれ、またワインの名産地でもあります。

音楽史的にも後世に大きな影響を遺したメシアンですが、鳥類学者でもありました。彼の音楽への慧眼や、色彩感覚や聴覚はこの美しい地で涵養されたのでしょうか。

アヴィニョンは市内だけで、13の美術館があり、名画も多数収蔵されています。

サティ『オンフルール(フランス)』

フランスはオンフルール、エリック・サティの生家です。可愛いですね。

家の中も、和声放棄の先駆者として当時アヴァンギャルドにして芸術家気質だった彼らしい、オブジェや、シンボリックな部屋など、観光スポットとしても楽しめる作りになっています。

「家具の音楽」に代表される、生活における存在感のない透明な音楽は、現代もっともリリカルな芸術として評価されています。

ベートーヴェン『ボン(ドイツ)』

今までの他の街よりも規模は大きい場所ですね。ベートーヴェンの生地であるボンです。東西ドイツ期は、西ドイツの首都だった街です。

ライン川を中心とした街並みは、ドイツ国内でも最も美しい景観だと思います。文化的にも非常に充実していて、博物館や美術館も豊富です。

ちなみにこの地は、シューマンが最期を迎えた街でもあります。

番外~武満徹『文京区本駒込(日本)』

武満徹の生地である、本駒込は名勝の六義園でも有名な高級住宅地です。

ライトアップされた紅葉や、歴史的な景観は一見の価値があります。外国人観光客にも人気。

散策するだけでも、気持ちの良い街です。


いかがでしたでしょうか。こうして並べてみると、水辺の街が多いですね。

彼らの生地が作風を想起する、、かはわかりませんが(笑)

作曲家の作品に思いを馳せつつ、欧州を周遊するのも楽しいかもしれません。