歴史ある学校が多い北海道支部。全日本吹奏楽コンクール8年連続金賞受賞の東海大学付属札幌高等学校や、2021年で創部68年を迎える北海道遠軽高等学校などレジェンド強豪校を一挙紹介!青空エールのモデルバンドとしても知られている北海道札幌白石高等学校吹奏楽部についても解説します。
案内人
- 川島光将指揮者・作曲家・編曲家 元・中学高等学校音楽教員、吹奏楽顧問 吹奏楽指導者協会・認定指導員 音楽表現学会会員 K MUSIC GROUP代表 現在はオーケストラ、吹奏楽、合唱、声楽など音楽全般の指導にあたる。
目次
北海道の吹奏楽強豪高校を一挙紹介!
北の大地、北海道。
その壮大な舞台で生まれたサウンドは多くの人を感動させます。
北海道支部には定番の全国大会常連校が存在しており、残りの1枠の代表の座をかけて毎年激戦が繰り広げられます。さあ、今年はどうなるのか。
歴史ある学校が多い、北海道支部の吹奏楽強豪高校を紹介します。
東海大学付属札幌高等学校 吹奏楽部
富士山−北斎の版画に触発されて−/真島俊夫
実績
全国大会出場は計37回。そのうち金賞は23回受賞というレジェンド吹奏楽部。2012年から2019年まで全日本吹奏楽コンクール8年連続金賞という快挙を達成しています。
初出場はなんと1978年で、当時からの顧問である井田重芳先生が現在も顧問を務められています。
井田先生と共に長い歴史を歩んできた、北海道を代表する超強豪校です。
特徴
「基本に忠実に、聴いてくださる方々に感動をしていただける音楽作り」を合言葉に日々練習に取り組んでいる東海大学付属札幌高等学校吹奏楽部(旧:東海大学付属第四高等学校)。全日本吹奏楽コンクール全国大会の常連校で、北海道で最も有名な吹奏楽部と言っても過言ではありません。
2012年からの自由曲は全て邦人作品となっており、「復興」「ラッキードラゴン〜第五福竜丸の記憶〜」「富士山 -北斎の版画に触発されて-」など数多くの名演を残しています。
また、ハンガリーやオーストリア、アメリカなどの海外公演も行っており、吹奏楽部の枠を超えて活躍しています。
今年も全国の切符を手に入れるのか。楽しみですね。
札幌日本大学高等学校吹奏楽局
歌劇「エレクトラ」より
/R.シュトラウス
実績
全国大会初出場は2012年で、これまでに計7回出場しています。全国大会常連校となりつつあるが、金賞はまだ受賞したことがありません。しかし、演奏は毎回好評で、いつ金賞を受賞してもおかしくないレベルです。間違いなく北海道を代表する強豪校のひとつですと言えるでしょう。
特徴
心に響く演奏を目指しているという札幌日本大学高等学校吹奏楽局。
課題曲は主にⅤ(現代音楽)を選択しており、全国大会に出場した年は最初の2012年以外全て課題曲Vとなっています。
2018年は惜しくも代表権を逃してしまったが、その時選んだ課題曲はⅣなのでやはり現代音楽が得意の学校といってよいでしょう。
自由曲はオーケストラ曲の編曲作品が多く、ここ最近の2016、2017、2019と全国大会に出場した年は全てR.シュトラウスの作品となっています。
また、コンクール曲以外にも、ポップスなどの演奏も得意としており、第26、27回全日本高等学校吹奏楽選抜本大会に出場し、話題になりました。
今年もまた全国大会の舞台で演奏が聴けるのか、注目です!
北海道遠軽高等学校 吹奏楽局
吹奏楽のための協奏曲/高昌帥
実績
吹奏楽コンクール全国大会出場は計9回。
初出場はなんと1970年という、歴史ある学校です。
2018年に12年ぶりに全国大会出場を果たし話題となりました。
特徴
北海道遠軽高等学校吹奏楽局は、2021年で創部68年を迎える歴史と伝統ある学校です。
2018年は、全日本吹奏楽コンクール、全日本マーチングコンテスト、全日本アンサンブルコンテスト全てのコンクールで全国大会出場を果たしています。
これはなかなか達成できるものではありません。
練習時間に制限がある中で、いかに上手く効率の良い練習をしているかが分かりますね。
その他にも、
全日本吹奏楽コンクール:9回出場
全日本マーチングコンテスト:18回出場
全日本アンサンブルコンテスト:14回出場
各種ソロコンテスト:全国大会出場・入賞
この記録はすごいとしか言いようがないです。
今年も全日本吹奏楽コンクールだけでなく多方面での活躍が期待されます。
北海道旭川商業高等学校 吹奏楽部
カヴァレリア・ルスティカーナ/マスカーニ
実績
全国大会初出場はなんと1956年。これまでに計10回も全国大会に出場し、そのうち2回金賞を受賞している歴史ある学校です。
北海道支部大会では31回も金賞を受賞し、そのうち2013年〜2019年までは7年連続受賞という偉業を成し遂げています。
特徴
北海道旭川商業高等学校吹奏楽部と言えば、忘れてはいけないのが合唱曲「夜明け」です。
この曲は当時の部員で作詞作曲された合唱曲です。
なかなか部活が上手くいかなかった時に、当時の3年生みんなで言葉を持ち寄り、歌詞を作り上げたそうです。
それを作曲家である宍倉晃先生が吹奏楽用に編曲し、ついには一般販売され現在も多くの人に愛される名曲となっています。
この曲のような優しさと温かさが北海道旭川商業高等学校吹奏楽部サウンドの特徴ですね。
また、コンクールだけでなく演奏会にも力を入れており、ハンドベルや群読、ブラックライトを取り入れた質の高いステージを披露しています。公式Facebookもあるのでぜひチェックしてみてください。
遺愛女子高等学校 吹奏楽局
シンフォニエッタ第2番「祈りの鐘」/福島弘和
実績
全国大会出場の経験はまだありませんが、北海道支部大会では2017年から2019年まで3年連続金賞を受賞しています。
今年こそ全国大会に出場できるかどうかが注目されている強豪校です。
特徴
コロナの影響で有観客の演奏会が減り、その代わりに動画配信する学校が増えてきましたね。遺愛女子高等学校もその一つです。
定期演奏会の配信のほかにプロモーション動画もあげており、見どころ万歳です。
もちろんコンクールで演奏される曲を聴くのも楽しいですが、ポップスの演奏をたくさん観られるというのも親しみがあって良いですね。
公式のブログとTwitterもあるので、ぜひご覧ください。
今年は全国大会の舞台で彼女たちの演奏を聴いてみたいですね。
北海道札幌白石高等学校 吹奏楽部
ミス・サイゴン/C.シェーンベルク
実績
全国大会には20回出場。そのうち金賞は11回受賞しています。
2019年は惜しくも支部大会銀賞でしたが、全国大会の舞台に返り咲く可能性は十分にあるでしょう。
特徴
こちらも大変歴史のある吹奏楽部で、1977年の開校と共に創部されました。
モットーは「一心不乱」「北の大地に響く心響きあう心」で、高い演奏技術と豊かなサウンドが特徴です。
最近では、2016年に映画化された漫画「青空エール」のモデルバンドとしても知られています。
全日本吹奏楽コンクールのほかに、全日本高等学校選抜吹奏楽大会、管楽合奏コンテストでも何度も全国大会に出場。授業科目の中に『楽器演奏法基礎』があり、音楽に力を入れている学校であることが窺えます。
部活情報や演奏姿をSNS公式アカウントから発信しているので、ぜひチェックしてみてください。
まとめ
北海道支部も魅力的な学校が多いですね。
実際に足を運んで演奏を聴くのは難しいですが、SNSで気軽に見ることができます。今年の吹奏楽コンクールを配信する支部も増えてきているので要チェックです。
コロナで悲観するだけでなく、そこから模索し新たな取り組みにチャレンジしてくれる運営の皆さん、そして何より学校関係者の皆さん、そして生徒たちに感謝です。
北海道支部のコンクールの結果が楽しみですね。