課題曲Ⅰは毎回個性的な作品が選ばれることが多いですよね。
今回もタイトルを見ただけでグッと引き込まれます!

一体どんな曲なのでしょう⁉
本記事では作曲家についての紹介はもちろん、演奏ポイントについて吹奏楽指導者協会・認定指導員の筆者がどこよりも詳しく解説します!

案内人

  • 川島光将指揮者・作曲家・編曲家 元・中学高等学校音楽教員、吹奏楽顧問 吹奏楽指導者協会・認定指導員 音楽表現学会会員 K MUSIC GROUP代表 現在はオーケストラ、吹奏楽、合唱、声楽など音楽全般の指導にあたる。

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2022年吹奏楽コンクール課題曲Ⅰ【やまがたふぁんたじぃ 〜吹奏楽のための〜】

民謡の宝庫・山形県の代表的な旋律を素材とした「吹奏楽の幻想曲」に仕上がっている曲です(第31回朝日作曲賞受賞作品)。

作曲者:杉浦邦弘(すぎうら・くにひろ)
演奏時間:約5分

作曲家、杉浦邦弘について

吹奏楽経験者なら誰もが知っている作曲家であり、実際に演奏された方も多いのでは?
「ど演歌えきすぷれす」など多数の作品がすでに販売されていますよね。

今回の「やまがたふぁんたじぃ 〜吹奏楽のための〜」は、第31回朝日作曲賞受賞作品です。杉浦氏は「音色」に非常にこだわりを持っており、特に打楽器へのアドバイスをスコアに載せています。

このようなベテランの方が、吹奏楽の課題曲を提供してくださるのはとても嬉しいですね。
それでは楽曲解説に進みましょう!

演奏のポイント

楽譜を見ると、各パートの聴かせどころがあるので、聴く側も演奏する側もとても心地良い曲だと感じられます。

焦らずゆっくりのテンポから、曲をさらっていきましょう。
楽器経験が浅い奏者にとってはやや出しにくい音域があるため、パート内で上手くメンバー構成を工夫した方が良さそうです。

また、この曲は「民謡」を素材にして作られているので、これを機に「民謡」について調べてみてはいかがでしょうか。日本の歴史、自分たちのルーツを知ることは演奏に大いに役立ちます。

この課題曲はこれからコンクールまでの長い時間をかけて、じっくり創り上げていくのにふさわしい素晴らしい作品だと筆者は思います。

出だし〜10小節目

冒頭からいろんな作曲家からのメッセージが詰まっていますので、見逃さないようにしましょう。
「Adagio, con rubato」はメトロノームの練習だけでは絶対に作ることはできません。
他にもアクセントの位置やダイナミクス(強弱)、アーティキュレーションなど演奏のヒントが詰まっています。

オーケストラの楽譜では一般的なのですが、吹奏楽はどうしてもメトロノームだけで練習しがちなのでこういった表現が苦手な団体が多いですね。

この冒頭が素敵な音楽になるよう、音程はもちろん音色や表現にこだわりましょう。

11小節目〜65小節目

ここからリズミカルな音楽になります。
スタッカート、テヌートの表現を揃え、スラーの部分とスタッカートの刻みのコントラストを楽しみたいですね。

また、各パートのバランスが難しい。コントラバスがちゃんと聴こえるように注意しましょう。

吹奏楽は和音練習などは頻繁に行っていますが、もっと良い音楽にするためにはアーティキュレーションの意識を高めることも重要です。

35小節目からは打楽器アンサンブル力が演奏の鍵となります。曲の中でいろんな楽器を使ってユニゾンでメロディを演奏することが多いですが、これはかなり練習が必要です。当然ハモリよりもユニゾンの方がピッチの悪さが目立ちます。

各楽器の音色が混ざって綺麗な響きになると良いですね。

64小節目〜最後まで

ここからは2/4拍子になります。
アップダウンの感覚をしっかり持ちましょう。

ここでも注目はやはり打楽器です。ポイントは3つ。

  • スネアパートのアクセントの位置を正確に
  • どの楽器と合わせてアクセントがついているか
  • アクセントがある表現と、ない表現で音楽がどう変わるのか

他のところもそうですが、pからだんだん大きくなってffといった表現が結構ありますが、ffになったときに潰れた響きにならないように注意してください。
各楽器の音色が混ざり合った、温かみのあるffを作ってくださいね。

こんなバンドにおすすめ!

音楽表現はかなり難しいですが、譜面はそれほど難しくないため、多くのバンドにおすすめです。ただし、各パートが揃っていないとこの作品の音楽は作りにくいので、ある程度人数の揃った団体が演奏する方が良いでしょう。

吹奏楽のことを熟知している作曲家の作品なので、各楽器の良さを最大限に発揮できると思います。今まで課題曲1に取り組んだことのない団体も、これを機に挑戦してみても良いのではないでしょうか。

まとめ

この作品はコンクール後の定期演奏会などでも、レパートリーとして取り上げられることがありそうですね。

聴いている側も演奏している側もとても楽しめる作品だと思います。
素敵な作品を課題曲にしてくださり感謝です!きっと今年のコンクールも盛り上がるでしょう。

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