音楽系の部活動が盛んな東北支部は、毎年ハイレベルな戦いが繰り広げられています。
支部大会7年連続金賞受賞の聖ウルスラ学院英智高等学校吹奏楽部や、全国大会常連校の磐城高等学校吹奏楽部などレジェンド校はもちろん、記憶に残る名演を生み出す注目高校について一挙解説!現在行われている吹奏楽コンクールをもっと楽しむために知っておきたい情報満載です。
案内人
- 川島光将指揮者・作曲家・編曲家 元・中学高等学校音楽教員、吹奏楽顧問 吹奏楽指導者協会・認定指導員 音楽表現学会会員 K MUSIC GROUP代表 現在はオーケストラ、吹奏楽、合唱、声楽など音楽全般の指導にあたる。
目次
東北の吹奏楽強豪高校を一挙紹介!
東北地方は音楽系の部活動がとても盛んで、吹奏楽はもちろん合唱も有名です。
そのため、観客の耳も肥えており、質の高い音楽が求められる厳しい支部でもあります。
そんな音楽が盛んな東北支部で活躍する吹奏楽強豪校をご紹介します。
聖ウルスラ学院英智高等学校 吹奏楽部
エル・カミーノ・レアル/アルフレッド・リード
実績
吹奏楽コンクール全国大会には5回出場。初出場は2011年です。
東北支部大会では2013年から7年連続金賞を受賞。全日本マーチングコンテストにも4回出場している東北支部を代表する吹奏楽強豪校です。
特徴
1998年に創部し、現在では150名を越える部員で活動しています。
『日々感謝・己に勝つ・執念』をモットーに、日々の活動を通して社会性を養うことも大切にしているそうです。
2019年には全日本吹奏楽コンクール、全日本マーチングコンテスト、全日本アンサンブルコンテストの3大会全て全国大会出場を果たしました。これは東北初の快挙だそうです。素晴らしいですね。
また同年、TBS「さんま・玉緒のお年玉 あんたの夢かなえたろかスペシャル」に出演したことで話題になりました。
定期演奏会でも、工夫を凝らしたステージで毎年お客さんを楽しませてくれています。
SNSで彼女たちの演奏や普段の練習の様子をチェックできるのでぜひご覧ください。
福島県立磐城高等学校 吹奏楽部
華麗なる舞曲/C.T.スミス
実績
全国大会初出場は1981年。これまでに計20回も出場し、数多くの名演を残している超強豪校。そのうち金賞は6回受賞しています。2013年からは連続して出場し続け、全国大会常連校として有名です。
特徴
根本直人先生、藤林二三夫先生、橋本葉司先生など、東北支部の吹奏楽関係者ならおそらく全員知っているであろうレジェンドたちが顧問を勤めており、磐城高等学校吹奏楽部を全国へと導き続けています。
全日本アンサンブルコンテストにも何度も出場し、見事金賞を受賞しています。
2011年3月11日の震災後、音楽による復興支援活動として各地で『元気回復コンサート』を行ってきた磐城高等学校吹奏楽部。時には、部活自体が存続の危機に見舞われるなど波乱万丈な経験を経て今の強さがあります。そんな素晴らしい学校の演奏をぜひ今年も全国大会の舞台で聴きたいですね。
秋田県立秋田南高等学校 吹奏楽部
「竹取物語」より/三善晃
実績
全国大会初出場はなんと1974年。これまでに計30回出場し、そのうち金賞は6回受賞している超強豪校です。東北支部の中でも特に歴史のある吹奏楽部であり、記憶に残る名演を多く残しています。
特徴
秋田南高等学校の創部は1964年。そこからわずか5年で東北大会へ出場、さらにその3年後には全国大会に出場しています。
吹奏楽会の邦人作品演奏の先駆者的存在となっており、多くの名曲を発掘し、コンクールなどで演奏しています。秋田南高等学校の演奏で知った吹奏楽の名曲も多いのではないでしょうか。
部訓は『謙虚・向上・感謝と思いやり』で、音楽面だけでなく生活面でも規律を守るしっかりした活動を心がけており、巷では「東北には秋田南あり」と言われているぐらい愛されているようです。
吹奏楽部自体の公式ホームページやSNSはありませんが、OB会がありそこで活動の様子や演奏会情報を見ることができます。
福島県立湯本高等学校 吹奏楽部
ダフニスとクロエ/ラヴェル
実績
2003年に全国大会初出場を果たし、そこから10年連続で出場している全国常連校。そのうち金賞は2回受賞していますが、2019年にまさかの支部大会金賞止まりという波乱がありました。
特徴
湯本高等学校吹奏楽部は全日本吹奏楽コンクールだけでなく、日本管楽合奏コンテストでも全国大会に出場し、2020年には最優秀賞を受賞しています。
定期演奏会にも力を入れており、地域密着型の部活動として地元から愛されているようです。その証拠に、福島県教育委員会より『令和2年度教育文化特別功績表彰』を団体の部で受賞しています。
SNSで演奏会情報などを発信しており、YouTube公式チャンネルで演奏を見ることもできるので、ぜひチェックしてみてください。
山形県立山形中央高等学校 吹奏楽部
ブリュッセル・レクイエム/アッペルモント
実績
全国大会出場は2010年の一回のみですが、東北支部大会には21回出場し、金賞を13回受賞しています。
記録よりも記憶に残る質の高い演奏が持ち味です。
特徴
『ブレンド・バランス・ハーモニー』を部訓に掲げ、明るく、元気に、厳しく、楽しく、日々練習に取り組んでいる山形中央高等学校吹奏楽部。他の学校に比べて部員数は多くはないですが、すべての部員が役職を持ち、一人ひとりが責任をもって自主的に活動しています。
全日本吹奏楽コンクールだけでなく、全日本アンサンブルコンテスト全国大会にも7回出場し、個人のレベルの高さも見せつけてくれています。全日本高等学校吹奏楽選抜大会の本選にも何度も出場し、高校生離れした大人っぽい演奏で観客を魅了してきました。
なんと2018年には音楽の本場ウィーンでも演奏しています。
SNS活動も活発に行なっているので、下記より最新情報をチェックしてみてくださいね。
福島県立平商業高等学校 吹奏楽部
シャコンヌ ホ短調 BuxWV160/ディートリヒ・ブクステフーデ
実績
全国大会初出場は2013年で、これまでに計5回出場しています。
東北支部大会には17回出場し、そのうち15回が金賞という快挙を成し遂げています。
特徴
2020年は初めて小編成で臨んだコンクールでした。
平商業高等学校吹奏楽部は、これまで大編成で数々の賞を受賞してきたため、小編成での参加に驚いた方も多いのではないでしょうか。
少子化やコロナの影響なのか定かではありませんが、その少人数で試行錯誤を繰り返しながら、2020年も無事に定期演奏会が開かれました。
こういった小編成バンドをこれからもどんどん応援していきたいですね。
今年の部員数にも注目です。
公式ブログやTwitterの公式アカウントがありますので、ぜひ今後の活躍にも注目していきましょう。
まとめ
日本全国いろんな支部がありますが、それぞれ特性があって面白いですね。
演奏スタイルなども支部によって違いがあり、見ごたえがあります。
音楽が盛んな地域、東北地方。今年はどんな名演が生まれるか楽しみです。