東関東支部は高校も中学も非常に吹奏楽が活発な支部で、そのレベルの高さに毎年驚かされます。
高校は全国大会常連校が固定化され、そこを新しい学校が突破するのは至難の技。中学は逆に固定化されておらず、どの学校が全国大会に出場するか全くわからない状態です。
本記事では、吹奏楽コンクール全国大会前の予習としても楽しめる情報が満載なのでぜひ最後までご覧ください。
案内人
- 川島光将指揮者・作曲家・編曲家 元・中学高等学校音楽教員、吹奏楽顧問 吹奏楽指導者協会・認定指導員 音楽表現学会会員 K MUSIC GROUP代表 現在はオーケストラ、吹奏楽、合唱、声楽など音楽全般の指導にあたる。
目次
柏市立酒井根中学校
シンフォニエッタ第2番「祈りの鐘」(福島弘和)
実績
吹奏楽コンクール全国大会に16回出場し、そのうち14回金賞という快挙を達成しています。
さらにすごいのは、2002年に全国大会に出場して以来、3出制度(3年連続出場の時にお休みになる制度)の年以外は毎年出場しています。
特徴
全国屈指の「吹奏楽の街」にある柏市立酒井根中学校。日本を代表する吹奏楽強豪校と言っても過言ではありません。
コロナでコンクールが中止になった2020年は、日本管楽合奏コンテストで全国大会に出場し「最優秀賞・観客投票最多賞」を受賞したことでも話題になりましたね。CDなどでも演奏を聴けるので、まだ聴いたことのない方はぜひ聴いてみてほしいです。
毎年定期演奏会も行っており、コンクールのような曲以外にもポップスや映画音楽でもたっぷり楽しませてくれます。
今年も全国大会の舞台で名演を残してくれるでしょう。
習志野市立第五中学校
交響詩「ローマの噴水」/レスピーギ
実績
吹奏楽コンクール全国大会に6回出場し、そのうち2回金賞を受賞しています。
2021年に9年ぶりに全国大会出場を果たし、話題になりましたね。
特徴
非常に歴史のある学校で、歴代の顧問の先生の顔ぶれがすごい。
現全日本吹奏楽連盟理事長の石津谷治法先生、さらに2021年から習志野高等学校の顧問を務めている織戸弘和先生など、有名な人たちばかりです。
自由曲選びにも特徴があり、毎年オーケストラ曲の吹奏楽編曲を演奏しています。最近は現代音楽のような邦人作品が主流の中、クラシック正統派の作品を演奏してくれるのは嬉しいですよね。
オーケストラのような美しい演奏を、ぜひ全国大会で聴きたいものです。
松戸市立第四中学校
山河の舞/福田洋介
実績
吹奏楽コンクール全国大会に10回出場し、そのうち9回が金賞という好成績を残しています。
2021年は惜しくも支部大会金賞までで代表には選ばれませんでしたので、今年のリベンジが期待されます。
特徴
全国大会ではお馴染みの松戸市立第四中学校。なんといっても十八番はステージパフォーマンス!その素晴らしい演奏は、毎年話題になっていますね。吹奏楽ファンの中には演奏よりも、こうしたパフォーマンスが好きという人も多いのではないでしょうか。
練習方法なども公開されており、パート練習や基礎合奏なども生徒だけで行うことが多いようです。生徒同士で音楽を作り上げる様子がとても素晴らしい。
長年、指導されていた須藤卓眞先生が2020年に異動になったので、今後の新たな松戸四中にも注目です。
海老名市立海老名中学校
吹奏楽のためのエッセイⅡ/福島弘和
実績
海老名中学校は、2021年に全国大会初出場で金賞という快挙を成し遂げています。
インパクトが強かった分、今後の活躍にも注目したい学校です。
特徴
2021年は、神奈川県勢として6年ぶりの全国大会出場であり、さらに金賞受賞はなんと15年ぶり…!新聞でも取り上げられるなど、大変話題になりました。
ちなみに全国大会で演奏された「吹奏楽のためのエッセイII/福島弘和」も全国大会では初めてで、もちろん金賞も初です。
そんな“初”尽くしだった2021年の海老名中学校。今年の演奏も期待大です。
松戸市立小金中学校
吹奏楽のための交響曲「ワインダーク・シー」より(Wine-Dark-Sea) / J.マッキー
実績
吹奏楽コンクール全国大会に4回出場し、2017年には金賞を獲得しています。
2016年~2019年まで連続で全国大会に出場していましたが、2021年は東関東支部に選ばれない大波乱が起きました。
特徴
コロナ明けの2021年のコンクールは予想外のことがたくさん起きました。
こちらの小金中学校も、東関東大会に出場できないという衝撃的な出来事が起きてしまいました。
しかし、日本管楽合奏コンテストでは最優秀賞・審査員特別賞を受賞。日本学校合奏コンクール2021全国大会グランドコンテストでは金賞・千葉市教育長賞を受賞しました。さらに、東関東アンサンブルコンテストにも出場し、銀賞を受賞するなど、その実力は折り紙つきです。
2020年から顧問を務める須藤卓眞先生のもと、全国の舞台に返り咲く日は近いでしょう。
習志野市立第四中学校
第32回全日本マーチングコンテスト出場激励会
実績
1992年に全国大会出場。また、関東支部大会には10回出場し、8回金賞を獲得しています。
2015年から2021年まで、連続で支部大会金賞で全国大会出場まで本当にあと一歩です。
特徴
柏市に並んで「吹奏楽の街」と呼ばれているのがこの習志野市です。そのため、強豪校も多く、互いの団体が切磋琢磨し合っています。
習志野市立第四中学校は、全日本吹奏楽コンクールでは惜しくも支部大会金賞に留まり、代表には選ばれませんでした。しかし、2021年は全日本マーチングコンテストに出場し見事銀賞。さらに日本管楽合奏コンテスト全国大会では最優秀・グランプリ賞・文部科学大臣賞受賞という快挙を成し遂げています。
ちなみに自由曲の選曲は、先ほど紹介した習志野市立第五中学校と同じで、オーケストラ曲の編曲作品となっています。
今年こそは、全日本吹奏楽コンクールでも全国大会出場を果たすかもしれません…!
まとめ
やっぱり東関東支部はどの学校もすごい!吹奏楽界を盛り上げてくれる強豪校揃いです。
ただコンクールの結果だけでなく、教育という視点で吹奏楽を取り入れている学校が多いのも良いですよね。素晴らしい演奏の裏には、生徒の努力や想いがつまっています。
今年の東関東支部も暑い夏になりそうですね。