北陸支部代表校は全国大会では、なかなか金賞を取れないというジンクスがあります。
2013年以来金賞はなく、2019・2021年は代表校2校が銅賞という悔しい結果となってしまいました。

しかし北陸支部には魅力的な演奏をする学校がたくさんあります。
今回はそんなあまり知られていない北陸支部の中学強豪校を紹介していきます。

案内人

  • 川島光将指揮者・作曲家・編曲家 元・中学高等学校音楽教員、吹奏楽顧問 吹奏楽指導者協会・認定指導員 音楽表現学会会員 K MUSIC GROUP代表 現在はオーケストラ、吹奏楽、合唱、声楽など音楽全般の指導にあたる。

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高岡市立芳野中学校

「カルミナ・ブラーナ」 より/C.オルフ

実績

これまで全国大会に9回出場し、そのうち2回銀賞を受賞
初出場は1997年で、2017年から4回連続で全国大会に出場しています。

特徴

長い歴史があり、多くの指導者から学び続けている学校です。
これまでに顧問の先生は4回変わっています。

いろんな先生のもとで全国大会に出場できるというのが、とてもすごいですよね。
伝統を大切にして生徒主体で部活動が行われている証拠でしょう。

顧問の先生によってコンクールの曲のチョイスが違うのに、毎回自分たちのサウンドにして仕上げてくるところが芳野中学校の面白いところです。

すぐにいろんな曲に対応できるのはすごい!

「おかげさまの心」を大切にしているという、芳野中学校吹奏楽部。演奏だけでなく、部活動の中身も素敵な学校ですね。

福井市成和中学校

福井市成和中学校 第43回福井県吹奏楽TOPコンサート

実績

全国大会に10回出場しており、初出場はなんと1962年
2018年からは2回連続で全国大会に出場しましたが、2021年は惜しくも支部大会銀賞でした。

特徴

やはり一番の特徴はその歴史でしょう。
1962~1969年まで連続で全国大会に出場。1960年代の課題曲や自由曲を見るとものすごい歴史を感じます。

1969年以降、再び全国大会の舞台に立ったのは2018年。約半世紀ぶりに返り咲きました。

1980・90年代は部員数が減少し、小編成でコンクールに臨んでいる時期もありました。しかし、2013年から再び大編成で支部大会に出場するようになり、ついに2018年に全国の切符を手にしたのです。

まだまだ新たな歴史を生み出していってほしいですね。

津幡町立津幡南中学校

※動画はこちらからご覧ください。(交響曲第三番「シンフォニー・ポエム」より/ ハチャトゥリアン)

実績

全国大会には2回出場し、そのうち金賞を1回受賞しています。
北陸支部大会には10回出場し、2019年からは2大会連続で金賞を受賞している実力校です。

特徴

まずは自由曲選びが特徴的です。
「元禄/櫛田胅之扶」や「富士山 -北斎の版画に触発されて-/真島俊夫」などの有名どころもあれば、「時の航海~シドニーの興味深い歴史を祝して~/ギリングハム」や「トラジチニ・ソナタ・ナ・ジュレバカ・イ・プォーヴェ/天野正道」など、あまり演奏機会の少ない曲を自由曲に選ぶことがあります。

なので毎年どんな自由曲を選ぶのか全く予想がつきません…!

ちなみに津幡南中学校も部員数が他の学校と比べると少なく、2021年は3年生が9名しかいなかったそうです。そのメンバーで支部大会金賞はすごい。

今後も注目の学校です。

能美市立辰口中学校

組曲「動物の謝肉祭」より/サン=サーンス

実績

全国大会に7回出場し、そのうち3回金賞を受賞
また、北陸支部大会には26回出場、金賞19回という好成績を残しています。

特徴

全国大会に最後に出場したのは2005年。それからは全国大会には出場できていませんが、2018年を除いては毎年支部大会に出場し金賞を何度も獲得しています。

さらに2021年は、「第64回中部日本吹奏楽コンクール本大会」で2位となる中日新聞社賞を受賞しています。

今後、全国大会の舞台に上がってくる可能性は十分あると言えるでしょう。

自由曲は海外の人気作品を取り上げることが多く、どの曲を演奏するかも注目されています。

今後の活躍が楽しみな学校のひとつです。

鯖江市中央中学校

鯖江市中央中学校 第43回福井県吹奏楽TOPコンサート

実績

これまで全国大会には3回出場。
そして、北陸支部大会には26回出場、15回金賞を受賞しています。

2021年は5年ぶりの全国大会出場とあって話題になりました。

特徴

全国大会初出場が1996年と大変歴史のある学校です。

その1996年と2014年時の顧問である佐々木和史先生は、1988年の創部まもない頃から指導していた先生です。1996年の全国大会後にいったん離れましたが、2012年に再び鯖江市中央中学校に赴任し、見事全国大会出場を果たしました。

しかし2018年には部員数が激減し小編成でなんとか県大会に出場できるぐらいでした。

そこから顧問も変わり新体制で臨んだ2019年に、再び大編成で北陸支部大会に出場して見事金賞。2021年には全国大会出場を果たしました。

なんともドラマチックな展開ですね。
今年も期待大の学校です。

まとめ

中学の部は、毎年どの学校が全国大会に行くのか全く予想がつきません。

強豪校だと思われていた学校が、翌年には部員減少で小編成での出場ということも良くあります。しかし、だからこそ多くの学校を知ることができるのです。
今後も新しい演奏、名演に出会うチャンスがたくさんありそうです。