テンポやリズムの感覚を身に付けるための必須アイテム、メトロノーム。楽器演奏者であれば1つは持っておきたいですよね。とはいえ、楽器店にはたくさんの機種があり、どれが良いのか迷う方も多いのでは。

  • どんな種類がある?
  • どんな基準で選んだらいい?
  • いくらくらいで買える?
  • おすすめのメトロノームは?

本記事では、こうしたよくある疑問にズバッと答えます。自分にピッタリの一台を探す際の参考にどうぞ。

案内人

  • 笹木さき音楽大学の短期大学部で作曲とジャズピアノを専攻。現在は芸術専門図書館で司書として働く傍ら、ライターとして活動中。

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メトロノームの種類

メトロノームには「振り子式」「電子式」「アプリ」の3つの種類があります。それぞれの特徴や注意点は次の通り。

振り子式

振り子式は、ゼンマイの動力で振り子を左右に動かし、遊錘(ゆうすい)と呼ばれる重りでテンポを調整するという仕組みになっています。

音と振り子、2つの要素でテンポを確認でき、より直感的に速度感やリズム感を養えるのがメリット。また、遊錘の目盛りには「100」「120」などの数字と「ANDANTE」「ALLEGRO」などの速度記号の両方を表示している機種も多く、楽譜の指定テンポを迷わず設定できるメリットもあります。

ただし、持ち運びがしにくい、設置場所が水平でないとテンポが狂いやすいといった点に注意が必要です。

電子式

電子式は、コンパクトなため持ち運びが容易、どこに置いても機能するといったメリットを持っています。また、連符などの特殊な練習シーンにも対応可能です。

一方で、視認性や操作性で振り子式に劣り、電池交換も必要になるといったデメリットがあります。

アプリ

スマホやタブレット向けのメトロノームアプリも、昨今では多数リリースされています。

機能自体は電子式と似ており、シンプルなものから高度な練習に対応できるものまで、幅広く揃っています。なお端末のバッテリーを消費するため、長時間の仕様には注意が必要です。

Google検索にも簡易メトロノーム機能がある

Googleで「メトロノーム」と検索すると、検索結果の一番上にメトロノーム機能が表示されます。BPM40~218まで設定でき、テンポの幅に関しては一般的な製品と何ら変わりありません。

ただし、テンポを刻む以外の機能はないため、あくまでも簡易版。手元にメトロノームがないときなどに、ぜひ試してみてください。

メトロノームの選び方

振り子式が向いているケース・選び方

・ピアノのような、音量が大きくなりやすい楽器を演奏する
・パートやセクション練習など、複数人で使う

振り子式は、テンポの幅や拍子といった基本機能の差がさほどありません。ですので、選ぶときは速度表示パネルの見やすさや全体のデザイン、カラーバリエーションなどを比較してみましょう。

電子式が向いているケース・選び方

・移動先で練習する
・屋外のような水平でない場所で練習する
・連符などの機能性も求める

電子式メトロノームは、形状、重さ、電池の消耗スピードに注目して選ぶのがおすすめです。弦楽器を演奏する際にはチューナ付きのモデルも良いですね。

アプリが向いているケース・選び方

・手軽さを最重視する
・タッチパッドでサクサク操作したい

アプリによって機能に差があるため、インストール前に仕様を細かくチェックしておきましょう。対応OSの確認も忘れずに。

メトロノームのおすすめ:①振り子式

YAMAHA/メトロノーム MP-90

振り子式の定番モデル。シンプルなデザインで、どの色も他のインテリアと違和感なく馴染ませやすいのが魅力です。指紋が付きにくい表面塗装や巻きやすい形状のネジなど、機能面でも老舗楽器メーカーらしさが発揮されています。

SEIKO/振り子メトロノーム SPM400W

吹奏楽部の指導者や生徒の意見を元に作られた製品です。移動時に便利な持ち手、蓋の紛失や破損を防ぐ背面収納、衝撃に強い素材など、かゆいところに手が届く設計となっています。カラーは4色展開で、いずれも柔らかめな印象です。

NIKKO/メトロノーム スタンダード plus

丸みのあるデザインと、他メーカーにはないカラーバリエーションが魅力の製品です。使いやすさも両立しており、本体色とマッチした文字色、つまみやすい巻き鍵など、実用面での作り込みも◎。

メトロノームのおすすめ:②電子式

SEIKO/デジタルメトロノーム DM51

電池含め約35グラムの超軽量モデル。背面にはクリップがついていて、譜面台などに固定して使えます。また、時計機能や音量調節機能、電源オン時に前回設定したテンポからスタートできるメモリ機能など、デジタルならではの機能も多く搭載されています。

KORG/カード型電子メトロノームMA-2

わずか16ミリの薄型モデル。背面には折りたたみ式スタンドが付いており、自立させることができます。ディスプレイには左右に揺れる針が表示されるため、振り子式のような使い方も可能。連続使用は最長400時間となっていて、連日の練習でも安心して取り組めます。

YAMAHA/チューナーメトロノーム TDM-700

こちらはチューナー一体型となっており、吹奏楽の奏者にも愛用者が多い人気モデルです。厚さ1.9センチの薄型ボディに、ボリューム無段階調節や幅広い拍子設定など、さまざまな機能が詰まっています。バックライト付きというのもポイントです。

メトロノームのおすすめ:③アプリ

*いずれの製品も基本無料です

Smart Metronome & Tuner

ヘルツ変更もできるチューナー付きのメトロノームアプリです。プログラムモードで小節数や拍子を細かく設定すれば、変拍子混じりの曲も練習できる優れもの。徐々にテンポを上げていく機能や曲ごとのテンポを保存できる機能などもあり、さまざまな練習方法に対応可能です。

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サウンドブレナーメトロノーム

メトロノームの音を20種類以上の中から選べる楽しいアプリ。ダイヤル式のシンプルなUIで直感的に操作しやすい点も魅力です。また、タップでテンポを入力したり、他のユーザーとリズムを共有したりと、アプリならではの多彩な機能が満載です。

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チューナー & メトロノーム

メトロノームとチューナーに加えて、レコーダーも搭載された高機能なアプリです。メトロノームの面では、クリック音・振動・フラッシュ等いろいろな方法でテンポを確認できること、大きなスタートボタンで演奏中でも操作しやすいことなどがメリットといえます。

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まとめ

今回は、メトロノームの選び方やおすすめを紹介しました。

使用頻度に差はあれど、楽器演奏者であれば1つは持っておきたいですよね。機能はもちろん、デザインにもこだわって、自分にぴったりのメトロノームを見つけてくださいね。