予選・本選を通して公開審査が行われる「松方ホール音楽賞」。声楽・器楽を審査対象としていて、選曲の自由度が高く、自分の得意な曲で実力を発揮することができるコンクールです。

今回は、2023年8月に開催される第26回松方ホール音楽賞の概要や過去の審査結果に加え募集要項について詳しく解説します!

松方ホール音楽賞とは?

松方ホール音楽賞は、クラシック音楽に情熱を燃やす若い音楽家の活動を顕彰するために創設された日本の音楽コンクールです。

審査会場である「神戸新聞松方ホール」の名称は、神戸新聞社初代社長である実業家・松方幸次郎に由来します。松方氏は「文化の国際交流によって日本文化の発展・向上を果たしたい」という思いから、世界的に有名な「松方コレクション」を築いた美術品収集家としても知られる人物です。

松方ホール音楽賞もまた、受賞者が将来、文化の架け橋として活躍することを望んで運営されています。

過去の結果と歴代入賞者

松方ホール音楽賞の審査は部門ごとに行われ、本選審査によって受賞者が決定します。
授与される賞は「音楽賞」と「奨励賞」の2つです。

必ずしも各部門において受賞者が出るわけではなく、開催年によっては該当者なしとなる場合もあります。

ここからは2022年に開催された第25回と2021年に開催された第24回の審査結果および歴代入賞者をまとめて紹介します。

2022年 第25回

音楽賞

ピアノ部門

竹田 理琴乃

ヴァイオリン部門

渡邊 紗蘭

金管楽器部門<トランペット>

藤井 虹太郎

金管楽器部門<トロンボーン>

濱地 真聖

声楽(オペラ)部門<バリトン>

池内 響

奨励賞

ヴァイオリン部門

窪田 隼人

2021年 第24回

音楽賞

バイオリン部門

落合真子

バイオリン部門

青山暖

声楽(歌曲・宗教曲)部門<メゾソプラノ>

益田早織

奨励賞

ピアノ部門

沢田蒼梧

ピアノ部門

中谷彩花

ピアノ部門

池内堯

ピアノ部門

宇賀治晴香

木管楽器部門<クラリネット>

奥山芳弘

声楽(歌曲・宗教曲)部門<メゾソプラノ>

秋本悠希

2023年第26回松方ホール音楽賞の流れと審査部門

2023年に開催される第26回松方ホール音楽賞の流れと審査部門について見ていきましょう。

大会の流れ

第26回松方ホール音楽賞には予選と本選があり、どちらも神戸新聞松方ホールが会場で、実演による公開審査が予定されています。

本選では部門ごとに受賞者を決定しますが、該当者なしの場合もあります。

審査部門

松方ホール音楽賞は開催年によって審査部門が異なります。

2023年に開催される第26回松方ホール音楽賞の審査部門は以下の4つです。

部門

年齢

(2023年5月31日時点)

ピアノ部門

30歳以下

木管楽器部門(フルート、オーボエ、クラリネット、

ファゴット、サックス)

30歳以下

声楽(歌曲・オラトリオ)部門

35歳以下

打楽器部門

30歳以下

※声楽・オペラ部門は2024年に実施予定。

第26回松方ホール音楽賞の日程と会場

画像出典:Wikimedia Commons|神戸情報文化ビル

会場はもちろん、兵庫県神戸市にある「神戸新聞松方ホール」です。全部門の予選・本選すべての審査が同じ会場で行われます。

部門ごとの予選・本選の開催日程は、以下の通りです。

部門

予選

本選

ピアノ部門

8月14日(月)・15日(火)

8月16日(水)

打楽器部門

8月17日(木)

8月18日(金)

声楽部門

8月21日(月)

8月22日(火)

木管楽器部門

8月22日(火)

8月23日(水)

※第26回松方ホール音楽賞授賞式・記念コンサートは2024年1月20日(土)に開催予定です。

第26回松方ホール音楽賞の課題曲

第26回松方ホール音楽賞に課題曲はありませんが、演奏時間などいくつかの規定が定められています。

選曲規定は以下の通りです。

全部門共通

・出版されている作品に限る。

・予選は5分以上7分以内の自由曲(打楽器部門を除く)

・本選は15分以上20分以内の自由曲

・一部をカットしての演奏も可

・時間に満たない場合は複数曲にする。(曲間も演奏時間に含む)

・予選と本選の演奏曲は重複不可(打楽器部門を除く)

 ※同じ曲で楽章が違う場合は重複とみなさない。

・演奏時間が規定時間を超えた時点で演奏を終了する 。(時間超過は審査に影響しない。)

・演奏時間が規定時間に満たなかった場合は減点となる場合がある。

木管楽器部門

・予選の曲目は2000年以前に作曲された作品とし、楽譜の提出を求める場合がある。

打楽器部門

・予選は6分以上10分以内の自由曲

・予選と本選の演奏曲は重複可

声楽部門

・予選は歌曲のみ

・本選はオラトリオ(カンタータを含む)から1曲と歌曲を組み合わせる。

・歌曲は1750年以降、オラトリオは1600年以降の作品とする。

第26回松方ホール音楽賞のチケット情報

2023年5月末の時点では第26回松方ホール音楽賞のチケットに関する情報はありませんでした。気になる方は随時公式サイトをご確認ください。

まとめ

将来有望な若手音楽家の応募が集まる松方ホール音楽賞。例年、松方ホール音楽賞の受賞者は授賞式と共に開かれる記念コンサートへの出演が約束されるため、これからクラシック音楽業界で本格的に活動していきたい人におすすめのコンクールです。

興味のある人は記念コンサートに足を運んでみてはいかがでしょうか。