小さな子供がペダルを使って練習しようとするとき、「足が届かない!」「届きにくい!」と困ること、ありますよね。実は、ペダルが上手く使えないと、思い描いた演奏ができず、やる気がなくなってしまうことがあるのです。

この記事では、補助ペダルの使い方や、選び方、おすすめ商品について紹介します。

この記事を読めば、子供のピアノの練習をもっと効果的にサポートできるようになりますよ。初めて補助ペダルを選ぶ方はぜひ読んでみてくださいね!


  • 監修:山本麻衣国立音楽大学音楽学部演奏学科鍵盤楽器専修(ピアノ)卒業、同時にアンサンブル・ピアノ・コース修了。上田和子、星野明子の各氏にピアノ奏法を、平島誠也、安井耕一の各氏に歌曲伴奏法を師事。

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ピアノの補助ペダルとは?

ピアノの補助ペダルとは、まだペダルに足が届かない子供のための便利な道具。設置すると、ピアノ本体のペダルを高い位置で使えるようになります。

小さな子供でも本来のペダルを使うのと同じ演奏効果を得られるようになりますよ。また、ぶらぶらしてしまいがちな足を安定させ、姿勢よく演奏することにもつながります。

補助ペダル、足台(ピアノ補助台)、アシストペダルの違い

補助ペダル、足台(ピアノ補助台)、アシストペダルの違い

補助ペダルとよく似たものに、足台(ピアノ補助台)、アシストペダルがあります。どれがよいか迷ってしまうこともあるので違いを解説しますね。


何のために使う?

どうやって取り付ける?

足台

足が床に届かない子供が、姿勢を安定させるために使う

足元に置く

補助ペダル

足が床に届かない子供が、ペダルを踏むために使う

足元に置いて高さを調整し、ペダルに金具をセットする


アシストペダル


補助ペダル卒業後、ペダルに

足が届くようになるまで、アシストスツールとセットで使う

ペダルに直接取り付けネジをしめる。アシストスツールはかかとを乗せられるように足元に置く

簡単に言うと、足台は「姿勢を安定させるための道具」、補助ペダル・アシストペダルは「ペダルを使った曲を練習するための道具」ということですね。

補助ペダルはいつから必要になる?

補助ペダルはいつから必要になる?

補助ペダルが必要になるのは、子供がピアノを習い始めて、ペダルを使う曲に挑戦するようになってからで、だいたい身長120cm前後。年齢でいうと小学校低学年くらいから必要になることが多いでしょう。

足がペダルに届かないと、曲の表現が制限されてしまうことがありますが、補助ペダルを使うことでそれを防げます。音の余韻や強弱をより豊かに伝えられるようになりますよ。

子供がピアノの演奏を楽しめるように、ペダルに足が届かない!届きにくい!と感じ始めたら、補助ペダルを使ってみるのがおすすめです。

ピアノ講師:山本

生徒保護者から、「私が子供のころは使ってなかったけど…補助ペダル、要るの?」と聞かれることがあります。ピアノ教本も時代とともに進化していて、最近は早くからペダル奏法を取り入れる教本が増えています。そして何より、ペダルを使う曲は子供たちの目が輝きます!足が届くようになるまで我慢しなくていいんですよ!

補助ペダルはいつまで必要?

補助ペダルは、子供の成長に合わせて使用期間が変わります。補助ペダル自体は身長130cmくらいまで使用できますが、それ以上の身長(130~140cmくらい)になると、アシストペダルに切り替えるのがおすすめ。

アシストペダルは、補助ペダルよりも細かく高さを調整できるため、子供の成長に合わせて少しずつピアノ本体のペダルとの距離を縮められますよ。

身長が140cmくらい(小学校5年生くらい)になると、ほとんどの子供は補助具なしで自然にピアノ本体のペダルに足が届くようになります。

ただし、体格や足の長さには個人差があるので、子供の成長に合わせて、アシストペダルが要るか要らないかの判断をしてあげてくださいね。

補助ペダルの使い方

補助ペダルは、ピアノのペダル周辺をきれいに拭いて、ゴミや汚れがないことを確かめてから、しっかりと取り付けます。このとき、ガタつきがないよう固定具を締めることが大切です。

次に、子供の足の長さに合わせて高さを調整します。椅子に座った状態で、かかとが床に着き、つま先がペダルに軽く触れるくらいの高さがちょうどよいでしょう。

最後に、補助ペダルを踏んだときに、本来のペダルと同じように動くかどうかを確かめましょう。スムーズに動かない場合は、取り付け位置を少し調整します。

設置方法は製品によって違うことがあるため、事前に説明書をよく読んでくださいね。

ピアノ講師:山本

高さを調整したのは買ってきた日だけで、気が付くと高さが合わなくなっていたなんてことも。横からの姿勢を見て、ときどき大人が微調整してあげましょう。数か月に1度で大丈夫!

アシストペダルの使い方

アシストペダルは、一般的な補助ペダルよりもコンパクトなデザイン。アシストツールアシストスツール(高さ調整可能な低い足台)とセットで使うことにより、補助ペダルよりも細かく調整できます。

まず、アシストペダルをピアノ本体のペダルにしっかりと固定します。取り付けるときは固定部分がペダルの中心にくるように位置を合わせてください。

次に、高さを調整します。ペダルの高さは子供の身長に合わせるのが基本ですが、目安としては、床から20~25cm程度の高さにすることが多いでしょう。

最後に、アシストペダルの固定具をしっかりと締め、程よい高さに調整したアシストスツールをアシストペダルの手前に置きます。取り付けが完了したら、ペダルを踏んでスムーズに動くか確認してくださいね。特に、右ペダルとしっかり連動しているかをよく確かめておきましょう。

補助ペダルの選び方とおすすめ商品

補助ペダルの選び方のポイントは、子供の身長に合ったものを選ぶこと。足をのせる部分が低すぎると足が届かず、高すぎると演奏が安定しません。商品によって調整できる範囲が違うので、よく確かめてから購入するようにしたいですね。

また、補助ペダルには足台と一体型になっているもの、高さ調整が細かくできるものなど、さまざまな種類があります。子供の練習環境に合わせて、必要な機能を備えた補助ペダルを選び、成長に合わせて調節したり、買い替えたりするようにしましょう。

身長100cm前後の子供むけ

身長100~110cmくらいの小さな子供は、とにかく高く設定ができる補助ペダルを選ぶ必要があります。おすすめはこちらのm‐60r+。最も高く調整ができる補助ペダルで、最高26cmまで上げられます。

m‐60r+

こちらは昭和60年開発以来のロングセラー商品であるm60の改良モデルです。その品質の高さと使いやすさから、コンクールでもよく使用されています。ペダルの調整部分が透明窓で見えやすくなっているので、調整しやすいのが特徴ですよ。

身長120cm前後の子供むけ

身長120cm前後の子供は15~22cmくらいの調整ができる補助ペダルが必要です。この高さに対応している補助ペダルが一番種類が多いので、どれを選ぼうか悩むかもしれません。ここではおすすめを3つ紹介しますね。

kp-dx

自宅で、子供一人だけに使うなら、kp-dxがおすすめ。調整に少し時間がかかりますが、ペダルの踏み心地がよく、安定性がとてもよい商品です。価格が手ごろなのがうれしいですね。

kp-dxf

kp-dxfは、ピアノ教室や、自宅で兄弟で使うなど、高さを頻繁に変えることがある場合におすすめ。高さ調整がとてもスムーズで、分かりやすい目盛りもついています。

また、ピアノが傷つかないような設計になっているのがこちらの商品ならではのポイントです。

AX-100α

AX-100αは、ピアノ補助具を多く取り扱う、吉澤の人気商品です。設置、調整がしやすく、ペダルの動きがスムーズなのが特徴。台の幅が広いので、子供が演奏する時の姿勢が安定しやすいですよ。

身長130cm前後の子供むけ

身長130cm前後になると、補助ペダルでは高すぎて使えなくなることがあるのでアシストペダルを使うのがおすすめです。

YOSHIZAWA 23-ASP

こちらは補助ペダルのところでも紹介した吉澤の商品です。吉澤はアシストペダルでも有名!7段階の調整が可能で、工具無しで取り付けができるのがこちらの商品のうれしいポイントです。

また、足台とセットで販売されているものは身長120cmくらいでも使えるため、小学校低学年から初めてペダルを使用しはじめる子供におすすめですよ。

中古やレンタルという手も

補助ペダルを購入するのが負担に感じる場合は、レンタルや中古も考えてみましょう。それぞれ注意点があるので、紹介しますね。

レンタルの場合、取り扱っているお店が少なく、商品の種類も限られます。また、送料がかかることもあります。 長期間レンタルし続けると購入するのとあまり変わらないコストになることがあるため、レンタルは短期間の使用に向いています。

楽器晴海堂
島村楽器

次に中古で手に入れる場合ですが、こちらは中古の楽器を扱っているところを探して手に入れる、または個人間での取引で手に入れる、という方法があります。

個人間で購入するときは、トラブルを避けるために使用年数や部品の有無を確かめ、できれば状態がわかる写真を見せてもらうと安心。送料についても聞いておくことが大切です。

ちなみに、補助ペダルはピアノ教室で貸し出していることもあるので、通っている教室に問い合わせてみるのもおすすめです。

ピアノ講師:山本

コンクールや発表会の曲だけペダルを使うという場合はレンタルも検討してみましょう!中古の場合、劣化による雑音に要注意。コンクールでは私物の補助ペダル持参のことが多く、本番の舞台で嫌な目立ち方をしてしまうかも……!

よくある質問

ピアノ補助よくある質問

補助ペダルのお手入れはどうやるの?

補助ペダルのお手入れ方法は、ペダルの素材によって違います。金属製のペダルは、柔らかい布でほこりを拭き取り、専用クリーナーを使って磨くとよいでしょう。

ヤマハが販売している、ヤマハコンパウンドがおすすめ。磨きあげるだけでなく、ペダルのサビを防ぎ、変色を取り除く効果がありますよ。

ヤマハコンパウンド

木製のペダルは、乾いた布で優しく拭き、湿気を避けることが大切。定期的にお手入れをすることでペダルの動きが滑らかになり、長持ちさせられます。なお、お手入れの際は、ペダルの取り扱い説明書を確かめ、書いてある方法を守るようにしましょう。

補助ペダルがずれるのはなぜ?

補助ペダルがずれる主な原因は、以下の4つです。

原因

対策

1. ピアノとの相性が悪い

購入前に互換性を確かめておく

2. 本体が軽すぎる

安定性のある重いものを選ぶ

3. 設置がゆるい

ネジやボルトの固定を定期的に確かめる

4. 補助ペダルの劣化

ゴム部分や可動部分を定期的にチェックし、必要なら交換

ほかにも、子供の足のサイズ、踏み方、姿勢も影響することがあるので、もし使っていくうちにずれてくるようなら観察して原因を探りましょう。

まとめ

今回は、補助ペダルの選び方や使い方、おすすめ商品を紹介いたしました。補助ペダルは、子供のピアノ上達に欠かせないアイテムです。

身長に合わせた選び方をしっかりと理解し、子供に合った補助ペダルを選ぶことで、演奏の質が向上し、練習のモチベーションも高まります。この記事を参考に、子供にぴったりの補助ペダルを見つけてくださいね。