映画【蜜蜂と遠雷】藤田真央 × 鈴鹿央士 トークショー開催

クラシック音楽の世界に生きる4人のピアニストの物語

音楽好きにはたまらない魅力的な映画がこの秋ついにスクリーンに登場。
2017年に史上初となる直木賞と本屋大賞のW受賞を果たした恩田陸氏の小説「蜜蜂と遠雷」を実写化した本作は、原作ファンはもちろん、音楽ファンにとっても待望の映画と言えるでしょう。自身の生い立ちや環境、音楽に対する想いなど、4人のピアニストたちがそれぞれの視点から繰り広げる心の成長と葛藤を描写した大傑作です。

公開前から話題となっており、日本各地にあるストリートピアノ計19か所と「蜜蜂と遠雷」とのコラボレーションが決定するなど、各種メディアでも大きく取り上げられています。

 

小説の世界観をそのままに

恩田氏自身も映画化は無謀だと思っていたとか…。それもそのはず、この物語は世界最高峰の国際ピアノコンクールを舞台にしたもので、1次予選から3次予選、そして本選に至るまでじっくり描かれているのです。

そのピアノコンクールに挑む4人のピアニストたちの運命や葛藤の物語を映像化するために、スタッフとキャストが厳選され、ついに映画が完成しました。クラシック音楽が好きな人だけではなく、音楽に興味がない人でも引き込まれてしまう恩田氏の世界観は必見です。

 

妥協なき豪華キャストが原作に挑む

天才少女と呼ばれつつも表舞台から消え、このコンクールで再起をかける栄伝亜夜を演じるのは、躍著しい松岡茉優さん。朝の連続テレビ小説「あまちゃん」、大河ドラマ「真田丸」、映画「ちはやふる」「万引き家族」などにも出演した、演技力に定評のある実力派女優です。

年齢制限ギリギリでこのコンクールを最後にしようと決意するサラリーマン、高島明石役には、映画主演や舞台主演の続く実力派俳優、松坂桃李さん。
松坂さんは2015年公開の音楽映画「マエストロ!」でもバイオリニスト役を演じました。

コンクールの大本命であるマサル・カルロス・レヴィ・アナトール役は、音楽ユニットPrizmaXのメンバーでもある森崎ウィンさんが演じます。スティーヴン・スピルバーグ監督の映画「レディ・プレイヤー1」の主要キャストにも抜擢されるほど実力と人気のある俳優です。

そして物語を動かす謎の少年、今は亡き著名なピアニストからコンクールに送り込まれた風間塵役を鈴鹿央士さんが演じます。鈴鹿さんはオーディションで大抜擢され、石川慶監督から「塵そのものだ」と言わしめたほどの逸材。小説ファンも納得のキャスティングであると言えます。

まさに妥協なき豪華キャスト。この映画にかける関係者の熱い想いと本気を感じます。

 

世界最高峰ピアニストによる音源

4人の演奏する楽曲を実際に奏でるのは、実際のコンクール覇者でもあるプロのトップ・ピアニストたちです。

ヨーロッパの数々のコンクールで優勝・入賞を重ねた河村尚子さんが栄伝亜夜のピアノを担当。現在はドイツを拠点に多くのオーケストラからソリストとして迎えられる実力派ピアニストの音色は、亜夜の繊細な心の機微を見事に表現しています。

「生活者の音楽。それを込めたかった。」
そう話す高島明石のピアノを表現するのは、アメリカのクリーヴランド国際ピアノコンクールで優勝を飾った福間洸太朗さん。2003年にはニューヨーク・リンカーンセンターでデビューを果たした実力派ピアニストです。

信念の貴公子、マサルのピアノを担当するのは、数々の国際コンクールで優勝した経歴を持つ金子三勇士さん。コンクールにあえて難題で挑むマサルの「新しいクラシック」を映画のなかでどのように表現しているのか…ここにもぜひ注目してみましょう。

藤田真央 × 鈴鹿央士 トークイベントより

異端の天才ピアニストと言われる風間塵のピアノを演奏するのは、圧倒的才能を持つ藤田真央さん。2019年6月、第16回チャイコフスキー国際コンクール・ピアノ部門にて第2位を受賞し、世界中から注目を集めている天才ピアニストです。

さらに、この映画で大きな鍵を握るオリジナル楽曲「春と修羅」は、ロンドン在住で国際的に活躍している作曲家の藤倉大さんが作曲しました。

映画『蜜蜂と遠雷』「春と修羅」特別映像

 

一音の妥協もないインスパイアード・アルバム

9月4日には、ピアニスト4人のインスパイアード・アルバムが4種類リリースされました。これらは主要登場人物の亜夜、明石、マサル、塵が劇中のコンクールで演奏する楽曲を収録したものです。

《奏者》
河村尚子さん(栄伝亜夜)
福間洸太朗さん(高島明石)
金子三勇士さん(マサル・カルロス・レヴィ・アナトール)
藤田真央さん(風間塵)

また、劇中のコンクール課題曲「春と修羅」もキャラクター別に収録されています。

 

藤田真央さん×鈴鹿央士さんトークショー

インスパイアード・アルバムのリリース当日には藤田真央さんと鈴鹿央士さんのトークショーが開催されました。
藤田さんは以前から周囲にもすすめるほどの原作の大ファン。原作を読んで、裏方やステージマネージャーとのやりとりや、コンチェルトで指揮者と合わせるときなどディテールの描写が凄いと大絶賛。
一方、風間塵役の鈴鹿央士さんは映画の撮影にあたり、藤田さんをずっと観察してピアニストの雰囲気や表情、細かい手の動きまで覚えようとしたそうです。藤田さんも鈴鹿さんからジーッと見られていることに戸惑っていたようですが、その観察を見事に演技に取り入れていたと語っていました。

「クラシックは敷居が高い印象があると思うが、4人の演奏シーンがとにかく凄く良いので、映画館の空間でぜひ味わってほしい」
そう語る鈴鹿さん自身も、蜜蜂と遠雷のファンの一人なのでしょう。

この映画では、登場人物の過去の思い出が去来するほかは、コンクールが舞台となるだけあって沢山のクラシック音楽が登場します。主な楽曲は以下の通りです。

 

【栄伝亜夜】
・リスト「メフィスト・ワルツ 第1番 村の居酒屋での踊り」
・メンデルスゾーン「厳格な変奏曲」Op.54
・プロコフィエフ「ピアノ協奏曲 第2番 ト短調」

【高島明石】
・シューマン「アラベスク ハ長調」
・リスト「パガニーニによる大練習曲集 第6番 主題と変奏 イ短調」

【マサル・カルロス・レヴィ・アナトール】
・バルトーク 「ピアノ・ソナタ」Sz.80
・ショパン「ワルツ 第14番 ホ短調」
・リスト「ピアノ・ソナタ ロ短調」

【風間塵】
・ショパン「スケルツォ 第3番 嬰ハ短調」
・ドビュッシー「版画」
・バルトーク「ピアノ協奏曲第3番 ホ長調」

ここで紹介した楽曲は全てピアニスト4人のインスパイアード・アルバムに収録されています。映画を観る前に楽曲だけを聞いて、ピアニストの表現している心情や背景を感じてみるのもおすすめです。

 

至極の音と感動をスクリーンで

原作を読んだ方は「あの場面はどのように映像化されているんだろう?」とワクワクしますよね。一方で、原作を読んだことがない方でも、葛藤や歓喜に満ちた音楽と、美しくも残酷なピアノコンクールの世界に引き込まれることでしょう。

芸術の秋、映画と読書と音楽を一度に味わうことのできる「蜜蜂と遠雷」をぜひスクリーンでお楽しみください。

予告動画

「蜜蜂と遠雷」公式サイト
https://mitsubachi-enrai-movie.jp

2019年10月4日(金)全国公開

監督・脚本・編集
石川慶
原作
恩田陸「蜜蜂と遠雷」(幻冬舎文庫)
出演
松岡茉優 松坂桃李 森崎ウィン 鈴鹿央士(新人)
臼田あさ美 ブルゾンちえみ 福島リラ 眞島秀和 片桐はいり 光石研
平田満 アンジェイ・ヒラ 斉藤由貴 鹿賀丈史
音楽
ピアノ演奏:河村尚子(栄伝亜夜) 福間洸太朗(高島明石) 金子三勇士(マサル・カルロス・レヴィ・アナトール) 藤田真央(風間塵)
作曲:藤倉 大「春と修羅」
オーケストラ演奏:東京フィルハーモニー交響楽団(指揮:円光寺雅彦)

撮影: Mikumura

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