画像出典:youtube
マンドリンの演奏人口世界一はどこかご存じでしょうか?
実は日本が世界一なんです。その数なんと約30万人!(2018年、YAMAHAさん調べ)
そんな世界一マンドリンが盛んな日本には、マンドリンオーケストラも数多く存在します。
そこで今回は、日本の数あるマンドリンオーケストラの中から厳選した4つの団体と、私個人が注目している3つの団体を紹介したいと思います。
演奏動画も載せていますので、それぞれのオーケストラの色を感じながらお楽しみください!
案内人
- 久保慎太郎大阪在住のマンドリン愛好家。幼少期にピアノを始め、学生時代にマンドリンやクラシックギター、コントラバスに出会い嗜むように。社会人になる際にはマンドリンオーケストラを自分で立ち上げて指揮者を務めるなど、常に音楽と過ごす人生を送ってきました…
目次
注目のマンドリンオーケストラ① ARTE MANDOLINISTICA
まずご紹介するのはARTE MANDOLINISTICA(以下、ARTE)です。
ARTEは、井上泰信氏やオススメ曲記事でもご紹介した丸本大悟氏、末廣健児氏らが所属したARSNOVA Mandolin Orchestraが前身となって、2003年に結成されたマンドリンオーケストラです。
井上氏が主宰し、音楽監督を務めています。京都・大阪を活動拠点とするARTE MANDORINISTICA、東京を活動拠点とするARTE TOKYOの二つの演奏団体によって構成されています。
国内初の法人格を持つマンドリンオーケストラとして、演奏だけでなく多岐にわたる活動をしており、国内唯一のマンドリン国際コンクール“ARTE国際マンドリンフェスティバル・コンクール”を主催している点も注目です。
また、“ARTEの挑戦”というプログラムシリーズで、ブラームスの交響曲第一番ハ短調や、チャイコフスキーの序曲「1812年」といったクラシックの楽曲にも取り組むなど、高い演奏技術を誇っています。
その他、プロギタリストの福田進一氏や大萩康司氏、マンドリニストのアヴィ・アヴィタル氏など多数の著名演奏家と共演するなど、日本を代表するマンドリンオーケストラの一つと言えるでしょう。
ブラームス 交響曲第1番ハ短調 第4楽章
注目のマンドリンオーケストラ② クボタ・フィロマンドリーネン・オルケスター
クボタ・フィロマンドリーネン・オルケスターは日本の著名なマンドリン作曲家である久保田孝氏が主宰するマンドリンオーケストラです。
音楽監督、常任指揮を久保田氏が務め、東京を拠点に活動されています。
久保田氏が1968年から74年にかけてのヨーロッパ留学を経たのち、後進育成のためにクボタムジーク アカデミー(KMA)を立ち上げ、その活動の一つであったKMAオーケストラを前身として1993年に結成しました。
「マンドリン界のベルリン・フィル」を目指して日々研究と努力を重ねており、久保田氏の長年の研究を反映させた独自マンドリン奏法「クボタメソッド」を演奏に取り入れています。
マンドリンを民族楽器ではなく、クラシック楽器の一つとして追及する久保田氏の情熱が感じられる、日本でもトップクラスのマンドリンオーケストラです。
バーバー 弦楽のためのアダージョ
注目のマンドリンオーケストラ③ エルマノ・マンドリンオーケストラ
日本マンドリン連盟理事を務めておられる木下正紀氏が主宰するマンドリンオーケストラです。
木下氏が同志社大学マンドリンクラブの指揮者として活躍するなかで、卒業してからも音楽を続けたいという思いを持つ学生のためにと1965年に結成しました。
団名のエルマノはスペイン語で“同胞”を表す言葉で、結束力のある家族のような団体を目指す木下氏の想いが込められています。
大阪を中心に活動しているものの、先ほどご紹介したクボタ・フィロマンドリーネン・オルケスターと合同で演奏会を開催したり、ドイツに公演旅行に行ったりと幅広く活動されています。
ARTEを主宰する井上氏の師匠でもある木下氏。その指導力に支えられた実力派マンドリンオーケストラです。
鈴木静一 交響詩「失われた都」
注目のマンドリンオーケストラ④ マリオネット・マンドリンオーケストラ
日本のプロマンドリニストの吉田剛士氏が主宰するマンドリンオーケストラ。
吉田氏と、ポルトガル・ギタリストの湯淺隆氏によるアコースティックユニット“マリオネット”のオリジナル楽曲を専門に演奏するオーケストラとして2006年に結成されました。
他のマンドリンオーケストラでは観られない個性的な楽曲をレパートリーとして多数持っており、非常に高い人気を誇るオーケストラです。
また、同じく吉田氏が全国のマンドリン愛好家に呼び掛けて組織する「ZIPANGUマンドリンオーケストラ」の中心的存在として、チャリティコンサートや海外での演奏活動にも参加しています。
その他、楽曲を“大分むぎ焼酎「二階堂」”のCM曲に提供するなど、今後の活躍にも目が離せません。
湯淺隆 南蛮渡来
筆者が個人的に注目するマンドリンオーケストラ3選
ここからは私が個人的に注目しているオーケストラを3つご紹介します。
上記の4団体にも勝るとも劣らない魅力を持っているので要チェックです!
アンサンブル・アメデオ
イタリアのマンドリン作曲家アメデオ・アマディの名を冠するマンドリンオーケストラ。
1980年に結成され、東京を中心に活動しています。
マンドリンオリジナル曲に留まらず、ラフマニノフのピアノ協奏曲二番ハ短調などクラシック曲にも挑戦しているオーケストラです。
ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番ハ短調 第1楽章
(前半)
(後半)
モザール マンドリンオーケストラ
松下電器マンドリンクラブ、アニマ・マンドリンクラブ、大阪電気通信大学ギターマンドリンクラブ、樟蔭東高校マンドリンクラブのメンバーが集まり、1978年に結成された大阪のオーケストラです。
モザールはモーツァルトが由来となっており、モーツァルトとサリエリがテーマとなった曲を取り上げるなど意欲的に活動されています。
モーツァルト アイネ・クライネ・ナハトムジークト長調 第1楽章
C&Vオルケスタマンドリーノ
マンドリン作曲家の長谷川武宏氏含め、明治大学付属明治高校マンドリンクラブ、大妻高校マンドリンのOB・OGを中心に1980年に結成された東京のオーケストラです。
「叙情祭り」と呼ばれる参加型イベントを主催し、地域との交流を図る活動にも力を入れています。
長谷川武宏 マンドリンオーケストラの為の「風の記憶」
まとめ
いかがでしたか?今回ご紹介したマンドリンオーケストラはどこも素晴らしいですが、皆さんはどのオーケストラがお好きでしたか?
皆さんもお気に入りのオーケストラを見つけてみてください。