クラシックのピアニストは世界中に何万人といますが、巨匠と呼ばれる演奏家はわずか一握り。彼/彼女らの演奏は聴く者の感情を揺さぶり、いつまでもここにいたいと思わせる力を持ちます。
具体的にどんな演奏かを言葉で表すのは難しく、クラシックファンの方々には、ぜひ一度生で聴いていただきたいです。

そこで今回は、クラシック界を代表する世界的ピアニストを10人紹介します。お気に入りの演奏家を見つけてくださいね。

マルタ・アルゲリッチ

マルタ・アルゲリッチは、アルゼンチン出身の女性ピアニストです。1941年に生まれ、2歳からピアノを始めると、わずか8歳でベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番ハ長調作品15を人前で演奏しました。

幼少期から音楽の才能に溢れていた彼女は、16歳でブゾーニ国際ピアノコンクールで優勝し、さらにジュネーブ国際音楽コンクールやショパン国際ピアノコンクールなど数々の著名なコンクールで優勝を果たします。

その実力は世界各国から認められ、日本の旭日小綬章やアメリカのケネディ・センター名誉賞、イタリアのコメンダトーレ勲章など、これまでに10以上の名誉ある賞を授与されてきました。

彼女の演奏は、エネルギッシュかつ重厚なサウンドが魅力。正確無比なリズムと強い打鍵から、歯切れ良く心地いい演奏が生まれます。特にモーツァルトやバッハは必聴です。

彼女は1998年以降毎年来日しており、コロナ禍が落ち着けば、また日本で披露してくれるでしょう。パワーのある演奏が好きな方は、マルタ・アルゲリッチをぜひ聴いてみてください。

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マウリツィオ・ポリーニ

マウリツィオ・ポリーニは、有名建築家の父とピアニストの母を持つミラノ出身の男性ピアニストです。15歳でジュネーブ国際コンクール第2位(1位なし)、17歳でポッツォリーニ国際ピアノコンクールで優勝するなど輝かしい実績を持っています。

18歳の時には、第6回ショパン国際ピアノコンクールにて審査員全員一致で優勝を果たし、世界的ピアニストの仲間入りを果たしました。しかし、その後10年間は研鑽を積むため国内のみで活動しており、ストイックな一面がうかがえます。

その性格は選曲へのこだわりにも表れていて、彼はショパンのワルツといった一部の名曲を敬遠しており、演奏しないことで知られています。さらには、ラフマニノフやチャイコフスキーといった大作曲家も一切弾かないというこだわりぶり。

そんな彼の演奏は、完璧なテクニックと類い稀な表現力でほかの追随を許しません。こだわり抜かれた音楽からは、彼のクラシックへの愛と探究心を感じ取ることができます。

クラシックのみならず現代音楽の演奏も圧巻で、幅広い年代のピアノ曲を聴きたい方におすすめのピアニストです。

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内田 光子

内田光子は、日本を代表する世界的ピアニストで、指揮者としても活躍しています。

1948年に生まれ、小学生の時にピアノを習い始めてから12歳で渡欧。ウィーン音楽院でピアノを学んだ後、ミュンヘン国際音楽コンクールやエリザベート王妃国際音楽コンクールなどでの受賞を経て、一流ピアニストとして頭角を現します。

1970年代は不遇の時代となりましたが、1980年代には東京やロンドンでの公演が絶賛され、ベルリン・フィルにデビューするなど華々しい活躍をおさめます。

彼女の魅力は、磨き上げられた音楽性と卓越したテクニック。全ての音に意味があり、無駄な瞬間はないと思わせられる演奏は圧巻です。

現在はロンドンを拠点に活動していますが、彼女は来日も多く、日本でも生で聴く機会があります。クラシックの魅力を感じられる演奏ばかりなので、初心者の方も楽しめますよ。

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エレーヌ・グリモー

エレーヌ・グリモーはフランスの女性ピアニストです。ピアノを始めた年齢は少し遅めの7歳でしたが、13歳で世界トップレベルのパリ国立高等音楽院に入学するなど、音楽的才能をすぐに開花させます。

その後、わずか18歳でダニエル・バレンボイム指揮のバリ管弦楽団と共演し、プロのピアニストとして華々しいデビューを果たしました。これまでに、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団やボストン交響楽団といった名だたるオーケストラとも共演しており、今も世界的なピアニストとして活躍しています。

彼女は強迫性障害を抱えているのものの、音楽においては飽くなき探究心やストイックさ、几帳面さにつながっており、正確無比なリズムと丁寧な表現は目を見張るものがあります。どんなに明るい曲調でもどこか影があり、哀愁を感じさせるのも魅力。

その演奏家にしか出せない、唯一無二の雰囲気を感じたい方におすすめです。

エレーヌ・グリモー オフィシャルサイト

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ダニエル・バレンボイム

アルゼンチン出身のダニエル・バレンボイムは、現代クラシック界を代表する巨匠です。

1942年生まれの彼は5歳でピアノを始め、わずか2年後にピアニストとしてデビューしました。さらに10歳でヨーロッパ、15歳でアメリカデビューまで果たし、ピアニストとしてのキャリアを積んでいきます。その才能は多くの音楽家や批評家から認められており、ドイツの作曲家・指揮者として有名なヴィルヘルム・フルトヴェングラーには「天才」と評されるほど。

深い洞察力を元に作り込まれた彼の演奏は、作曲家の生涯や時代背景まで反映しています。巨匠と呼ぶにふさわしい堂々たる音楽は、聴くもの全てを魅了するのです。

また、彼はオールベートーヴェンプログラムや5回のピアノソナタ全曲録音などハードな演奏も多くこなしており、聴きごたえのあるコンサートが多いのも特徴的。

ただし、これまでに2度しか来日しておらず、彼の演奏を生で聴く機会は少ないでしょう。とはいえ現在も定期的にリサイタルを行っているため、今後来日する可能性は十分にあります。

ダニエル・バレンボイムー オフィシャルサイト

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グリゴリー・ソコロフ

グリゴリー・ソコロフは、サンクトペテルブルク出身のロシア人演奏家で、”伝説”と称される名ピアニストです。

その才能は少年時代から発揮され、わずか12歳で大規模なソロリサイタルを開催、16歳でチャイコフスキー国際コンクール優勝など輝かしい活躍を見せています。その後も数々の音楽祭にて一流オーケストラや指揮者との共演を果たしており、現在までに開いた演奏会はなんと1,000以上。

そんな彼の演奏は、多彩な音色と表現を自由自在にコントロールした表情豊かなもので、詩的かつ正確なリズムで歌われる旋律が天下一品です。バッハからスクリャービンまでレパートリーが幅広く、どの年代でも完璧に弾きこなします。

また、彼はライブ演奏がほとんどで録音の数が少ないのも特徴。今のところは新たに録音した音源はリリースせず、毎年ソロリサイタルを開いて活動しています。メディアへの露出も少なく、ほぼ演奏会でしか聴く機会がないことから、いつしか彼は伝説のピアニストと呼ばれるようになったのです。

グリゴリー・ソコロフ オフィシャルサイト

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アンドラーシュ・シフ

アンドラーシュ・シフはハンガリー出身の演奏家で、室内楽奏者や教育者としても活躍する世界的ピアニストの1人です。

5歳からピアノを始めた彼は、チャイコフスキー国際コンクール、リーズ国際ピアノコンクールで受賞歴があるほか、ハンガリー最高栄誉であるコシュート賞やレオニー・ゾンニング音楽賞なども獲得しています。

彼の音楽は技巧的かつ色彩豊かで、どこか優しさを感じるのが魅力。激しく強烈な音にも、まろやかな音色とソフトなタッチは残っており、包み込まれるような安心感があります。

レパートリーは、主にドイツバロックからロマン派までで、歌曲の伴奏や室内楽曲も演奏します。なかでもバロック音楽の演奏は、圧倒的な知識と理論で作り上げられており感動的です。

彼は現在も演奏会を積極的に行っているため、生でも聴く機会があります。彼の表情豊かな音楽は、初心者にも耳の肥えた方にもおすすめです。

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クリスチャン・ツィメルマン

クリスチャン・ツィメルマンは、ピアニストの父親を持つポーランドの演奏家で、世界が誇る超一流ピアニストの1人です。

少年時代から数々のコンクールで賞を取っており、16歳でベートーヴェン国際コンクールで優勝。さらに18歳のとき、史上最年少でショパン国際ピアノコンクールに優勝したことで、一躍有名になりました。

彼はピアノへのこだわりが強く、コンサートでは必ず自分のピアノを持ち込みホールの特性に合わせて調律を変えています。音響学の知識も深く、自身で設計したスタジオがあるほど。

もちろん演奏にもこだわっていて、ピアノと曲を知り尽くした完璧な演奏を常に披露してくれます。特に、ホールの音響を利用して作り出されるピアニッシモは、確実に聴衆の耳に届く響きでありながら、どこから鳴っているか分からないほど小さく、まさに職人技です。

彼は親日家で、これまで100回以上来日しているのもあって、これからも生で聴ける可能性が高いです。こだわりが詰まった演奏を聴きたい方は、ぜひクリスチャン・ツィメルマンの演奏を聴いてみてください。

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マレイ・ペライア

マレイ・ペライアは、ニューヨーク生まれのユダヤ人男性ピアニストで、英国王室から称号を与えられた世界的ピアニストです。これまでにリーズ国際ピアノコンクールで優勝、2度のグラミー賞受賞など華々しい経歴を持っています。

現在は英国王立音楽院の名誉評議員を務めるほか、ジュリアード音楽院・オックスフォード大学・英国王立音楽大学・リーズ大学・デューク大学の名誉博士号を持つなど、指導者としても活躍中。

そんな彼の演奏は、透明感のある上質な音色でありながら情熱が感じられ、1音1音に命が吹き込まれています。とりわけ調性音楽の表現力が高く、協和音の美しさや不協和音の不安定さを純粋に表現しています。最も聴衆から愛されるピアニストと呼ばれるほど、素直でいやらしさがありません。

レパートリーは、バッハからバルトークまで多岐に渡り、作品によってタッチや音色が大きく変わるのが魅力。そのため、CDは広い年代の曲が入ったものを選ぶのがおすすめです。

演奏会の数は少ないものの録音が多いので、一度アルバムなどで聴いてみてくださいね。

マレイ・ペライア オフィシャルサイト

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アルフレッド・ブレンデル

アルフレッド・ブレンデルはオーストリア出身のピアニストで、クラシック界においては巨匠中の巨匠です。1931年生まれの彼は、6歳でピアノを始め、12歳になると同国のグラーツ音楽院でピアノや音楽理論を学びます。

そして1948年、第二次大戦直後の混乱の中、グラーツで初のコンサートを開催。翌年にはブゾーニ国際コンクールで第4位を獲得するなど、その才能を開花させました。1970年にはオランダの大手レコード会社フィリップスと専属契約を結び、リリースした音源で世界最高峰のピアニストとしての地位を確立したのです。

彼はモーツァルトやハイドンといったウィーン古典派を得意とし、クラシカルで品のいい演奏が魅力です。抜群の構成力と表現力で、各作曲家の良さを殺すことなく自分のものにしています。

ただ、残念ながら2008年に現役引退を表明。現在は指導や執筆を中心に活動しているので、今後生で演奏を聴く機会はほとんどないでしょう。しかし、音源や録音は数多くあるので、ぜひ一度聴いてみてください。

アルフレッド・ブレンデル オフィシャルサイト

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まとめ

どの演奏家も、現代のクラシック界を代表する巨匠ばかりです。現役で来日するピアニストも多いので、機会があれば生の演奏会へ足を運ぶのがおすすめです。

彼/彼女らが奏でる最高峰の音楽を楽しんでいただければと思います。