2021年7月12日~23日に開催されたショパン国際ピアノコンクール予備予選。今年は
31名の日本人が出場し、14名が見事本選への出場を決めました。
そこで今回は、予備予選を通過した14名の日本人ピアニストについて紹介します。
世界的なコンクールで活躍するピアニストについて知識を深め、一緒に応援していきましょう!
*本選情報随時更新中!詳しくは下記のページから
小林愛実
小林愛実は、2021年の日本人本選出場者の中で唯一同コンクールファイナリストの経験があるピアニストです。2015年に行われた第15回ショパン国際ピアノコンクールで惜しくも入賞は逃しましたが、ファイナリストに選ばれたことで世界から注目を浴びました。
そんな小林氏は、7歳でオーケストラと共演し9歳で国際デビューを果たすなど、幼少期から華々しい活躍ぶりをみせています。「情熱大陸」「題名のない音楽会」「クラシック倶楽部」など、これまでに多数のメディアに出演しているため、国内での知名度も抜群です。
彼女のショパンは、音1つ1つに思いが込められた情熱的な演奏が特徴で、その堂々たる弾き姿には、ファイナリストの貫禄を感じます。
角野隼斗
1995年生まれの角野隼斗は、登録者数79万人超えの人気YouTuberであるため、予備予選通過者の中でもとくに注目度が高い若手ピアニストです。東京大学大学院卒業で音楽大学出身ではないものの、プロレベルの技術と表現力を持っています。
幼少期には、ピティナ・ピアノコンペティションやショパン国際ピアノコンクール in ASIAなどで賞を受賞し、大学院のときにリヨン国際ピアノコンクールで第3位に輝きました。
角野氏の演奏するショパンは、即興性が感じられる自由な表現が特徴です。本選では、普段のYouTube動画とは一味違う魅力的な演奏に期待しましょう。
反田恭平
すでにプロピアニストとして有名な反田恭平は、優勝候補と噂されるほどの実力者です。本格的にピアノを始めたのは12歳と遅かったものの、その才能はずば抜けており、わずか6年後の第81回日本音楽コンクールで第1位を受賞しています。
現在は、海外オーケストラとの共演や全国リサイタルツアーなど幅広く活躍しており、将来有望な若手ピアニストとして注目されています。
また、メディアへの出演も多く「らららクラシック」や「題名のない音楽会」といった音楽専門番組のほか、「news zero」や「情熱大陸」などの出演経験もあります。
そんな反田氏は、予備予選でも圧倒的な演奏を披露しました。弱冠26歳でありながら世界を魅了する表現力は圧巻です。本選の演奏も非常に期待できるでしょう。
古海行子
昭和音楽大学大学院在籍中で、同附属ピアノアカデミーにも在籍している古海行子。1998年生まれの彼女は、第4回高松国際ピアノコンクールで日本人初優勝を成し遂げ、5つの特別賞を受賞したことで才能溢れるピアニストとして注目されました。
2019年には、日本コロムビアの若手登竜門レーベル「Opus One」からCDを発売し、新世代のクラシック音楽家として大活躍。現在は、日本を中心にリサイタルやアンサンブルコンサートなど演奏活動を積極的に行っています。
彼女の演奏は、しっかりとした和声感が感じられるので聴きごたえたっぷりです。それぞれの曲調に合わせた音色変化も魅力的で、どの作品も聴き飽きることがないでしょう。
原沙綾
1999年生まれの原紗綾は、東京藝術大学大学院音楽研究科修士課程に在籍中の若手ピアニストです。現在はまだ学生ですが、東京を中心に積極的にコンサートを開催しています。
これまでに、ピティナ・ピアノコンペティション全国決勝大会にてC級ベスト賞、G 級入選やザルツブルク=モーツァルト国際室内楽コンクール第3位(第1位なし)など、輝かしい経歴を持っています。
彼女の演奏は、力強く情熱的で、まるで歌っているかのようです。また、彼女の音色はよく響くため、本選でもホール中に充満する美しい音で世界中を魅了することでしょう。
五十嵐薫子
桐朋学園大学卒業の五十嵐薫子は、第84回日本音楽コンクール第3位を受賞。さらに、最も印象に残った演奏に贈られる三宅賞も同時に受賞したピアニストです。
ほかにも、日本ショパンコンクールやピティナピアノコンペティション特級などさまざまな大会で受賞経験があります。
現在は、アンサンブルからソロまで幅広く演奏活動を行っており今後の活躍がさらに期待されます。
五十嵐氏の演奏するショパンは、力強く歌うだけでなく、繊細な場面でもしっかりと表情が感じられます。場面に合わせて表情が一気に変化するので観客を飽きさせません。技術力はもちろん高く、細かいパッセージでも正確かつ表情豊かに弾いています。
今井理子
2001年生まれの今井理子は、弱冠20歳でありながら今回の予備予選を通過した才能溢れるピアニストです。彼女は、第21回浜松国際ピアノアカデミーコンクールや、第20回大阪国際音楽コンクールなど数多くのコンクールで受賞歴を持っています。
現在東京藝術大学に在学中ですが、これまでにロシアンピアノスクールin東京を受講したりプロピアニストのマスタークラスを受けたりと、積極的に研鑽を積んできました。
今井氏の演奏は、高音の繊細な音色が非常に美しく、観客も思わず聞き惚れてしまうほど。迫りくる低音部も迫力があり、バランスの取れたレベルの高い演奏です。
伊藤順一
国際的ピアニストである伊藤順一は2019年に完全帰国。これまでにエコールノルマル音楽院やパリ国立高等音楽院、リヨン国立高等音楽院といった名門校で技術を磨き、数々の国際コンクールで第1位を獲得してきました。
その後、日本ショパン協会賞受賞を皮切りに、演奏活動から後進の指導まで、日本でも幅広く活躍するようになりました。現在は、日本とフランスでのコンサートやオーケストラとの共演などを行っています。
予備予選では、余裕すら感じられる堂々たる演奏を披露。圧倒的な技術力と表現力で聴衆を魅了しました。彼の実力は一体…本選の演奏も非常に楽しみですね。
岩井亜咲
東京芸術大学3年在籍中の岩井亜咲は、さまざまなコンクールで受賞歴があり今後の活躍が期待される若手ピアニストです。2020年にはショパン音楽大学春期ピアノセミナーを受講し、修了コンサートに出演しています。
コンサートでもショパンを選曲することが多く、ショパンへの愛を感じる演奏家の1人です。
彼女の演奏するショパンは、ワルツやマズルカなどそれぞれのリズムをしっかりと捉えた演奏が特徴的。強弱もなめらかで自然な表現が魅力的です。
大学生にして予備予選を通過した実力者の今後の活躍にも注目ですね。
京増修史
4歳からピアノを始めた京増修史は、東京藝術大学音楽学部器楽科ピアノ専攻を首席で卒業し、現在は同大学院で研鑽を積んでいる若手ピアニストです。
第65回全日本学生音楽コンクール東京大会中学校の部第3位や、第60回全東北ピアノコンクール第1位など、学生時代から多くの賞を受賞しています。
彼の演奏は、壮大で力強さを感じるシーンでも、透き通るような音色でどこか繊細さを感じさせてくれます。
儚さや絶望の中に希望の光が見えるような演奏で、聴きごたえ抜群。本選でもその音色を活かした素晴らしい演奏が聴けることでしょう。
沢田蒼梧
名古屋大学の医学部に通う沢田蒼梧は、医学部生活と演奏活動を両立するピアニストです。
これまでに、エトリンゲン国際青少年ピアノコンクールや、第73回ジュネーブ国際音楽コンクールで最年少ベスト16に入選するなど、音楽家として華々しい活躍をみせています。
沢田氏の演奏するショパンは、フレージングや構成が素晴らしく、計算し尽くされた音楽であると言えるでしょう。ハイレベルな技術力と表現力を持っているため、観客である私たちにショパンの魅力をしっかりと伝えてくれます。
なにより、彼自身が音楽を楽しんでいる様子が伝わってくるため、聴いているこちらも楽しくなります。本選での演奏も期待しましょう。
進藤実優
2002年生まれの進藤実優は、今回の日本人予備予選通過者最年少です。すでにピアニストとして活躍しており、知っている方も多いはず。
小学生の頃から、ピティナ・ピアノコンペティションや、全日本学生音楽コンクール小学校の部で優秀な成績を残している天才肌のピアニストとして有名です。
その後、大阪国際音楽コンクールや浜松国際ピアノアカデミーコンクールで1位を獲得し、注目を浴びるようになりました。現在は、世界三大音楽院の付属学校であるモスクワ音楽院付属中央音楽学校に通っています。
彼女が奏でる音には深みがあり、ホール中を包み込むような音色で観客を魅了します。素晴らしい息遣いで感情豊かに弾いており、その表現力は圧巻です。
竹田理琴乃
1993年生まれの竹田理琴乃は、幼少期から数々の国内外コンクールで賞を受賞する実力派ピアニストです。
彼女は、本コンクールの主催地でもあるワルシャワのショパン音楽大学を首席で卒業しており、その演奏に大きな期待が寄せられています。
竹田氏のショパン作品は、感情だけに頼らないよく分析された演奏が特徴的です。曲調に合わせて表情がしっかりと変わるので聴きごたえがあり、飽きがきません。また、迫力のあるクレッシェンドも魅力的で、だんだんと盛り上がりをみせる壮大な音楽に感動すること間違いなしです。
牛田智大
日本人本選出場者の中で唯一、予備予選を免除された牛田智大。予備予選のライブ配信で聴くことができなかった分、本選での演奏を楽しみにしている方も多いでしょう。
牛田氏と言えば、ショパン国際ピアノコンクールin ASIA小学1・2年生部門 アジア大会で5年間連続で第1位を受賞、日本人ピアニストで最年少となる12歳でCDデビューを果たすなど、神童と呼ばれるにふさわしい活躍ぶりが有名ですよね。
10代最後のアルバムでは、ショパンのバラード第1番と24の前奏曲を選曲しており、ショパン作品への想いを感じることができます。
彼の演奏は、繊細さと力強さのバランスが絶妙で言葉を失うほどのクオリティ。古典的な部分を残しつつ即興性も感じられ、ショパンらしさあふれる音楽になっています。