クラシック音楽ファンは、ポピュラー音楽のファンに比べると如何にオイシイ体験ができるのか、ご存知の方も多いでしょう。リサイタルのあとのサイン会では、CD購入を条件に演奏者と接することが可能です。運が良ければ握手をすることも、写真を一緒に撮ってもらうこともできます。
 
ポピュラー・アーティストの場合はどうでしょう。ドームのライブでは、アリーナ席のよほど前席でない限り、お目当てのアーティストは「点」にしか見えません。本番をリアルタイムで体験しているにもかかわらず、大画面を見続けるということも多いのです。「その場にいる」ということに意味を感じて、楽しむことはもちろん、悪いことではないけれど、(ちなみに筆者は渡辺美里さんのファンで、毎年恒例の西武ドームで行われていたライブに大阪から通っていました。その心理はよく理解できます。)せっかく生のコンサート、実物をこの目に焼き付けたいですよね。
 
比べて、クラッシック音楽のコンサートの場合はホールのキャパは大きくても1,500ほど、たいていの場合500から800程度の会場が一般的です。「その場にいる」感の度合いが違います。その日、その場だけ体験できる一度だけの演奏。「音楽」という時間芸術が持つ特質です。さらに数十名から100名程のサロンのような演奏会もありますし、果てはレッスンを受けるという方法もあります。これほど演奏者と”距離が近い”ジャンルですので、是非ともその利点を活かしましょう。
 
クラッシック音楽の場合、まずは演奏者の容姿からファンになる、というケースは多くはないと思います。先に演奏を聴き、自分の好みの演奏かであればコンサートに足を運ぶのではないでしょうか。しかし、贔屓の演奏者が自分の好みの要旨であれば感動もヒトシオです。耳だけでなく、目までも癒されれば言うことはありません。日本人女性ピアニストに美人が多いことは世界的にもよく知られています。その「おっかけ」をしているタニマチとなり得る男性ファンの方もたくさんいらっしゃいます。

さて、本稿では男性ピアニストにスポットライトをあて、「演奏で目も耳も癒されたい!」と思われる方々に、イケメンピアニスト達の演奏会情報をご紹介します。


 

ピオトル・アンデルジェフスキ(1969~ / ポーランド)

ポーランド人と言えば、アダム・ハラシェヴィチやクリスティアン・ツィメルマンなどショパン・コンクールの優勝者をはじめ、ショパン作品がお家芸というイメージがありますが、ショパン作品を主たるレパートリーとせずに世界的に有名になった珍しい例がアンデルジェフスキです。一躍有名になったのはベートーヴェン作曲《ディアベリ変奏曲》の演奏ですが、バッハやシューマンの作品で特に評価を得ています。若い頃の美貌は、中年の色気に変化しつつあります。

ダニール・トリフォノフ(1991~ / ロシア)

近年、ロシア勢の活躍は素晴らしいですが、2010年のショパン・コンクールで3位、その翌年にチャイコフスキー・コンクールで優勝し、まさに「旬」のピアニストといえばトリフォノフでしょう。日本でも人気が高いですね。ピアノ・メーカーのファツィオリ(Fazioli)はトリフォノフによって有名になったと言っても過言ではありません。ショパン・コンクール当時は正統派美青年でしたが、近年は髭を生やしてイメージ・チェンジをはかっているようです。目指せツィメルマン、という感じでしょうか。

ギョーム・マッソン(1987~ / フランス)

フランス人でイケメンピアニストとしては、一番にティエリー・マイラードを挙げたいところですが、残念ながらジャズ・ピアニストですので、ここでは除外します。とはいえ、有名どころのフランス人で「イケメン」と敢えて紹介するピアニストも思いつきませんので、2010年に行われたショパン・コンクールでとても人気があったギョーム・マッソンを紹介したいと思います。彼の美貌に多くの日本人鑑賞客はため息をつき、熱心にサインを求めていました。残念ながら2015年では予備予選で落ちてしまったようです。来日の予定もないようなのですが、本年、久石譲の作品をレコ―ディングしたとのことですので、これを機に日本でも演奏活動を行う可能性があります。先物買いにいかがでしょうか。
https://www.guillaumemasson.com/
 

チョ・ソンジン(1994~ / 韓国)

今、もっともチケットが売れるピアニストの一人だと言えます。幼少の頃から「天才少年」と呼ばれ、期待通りに2015年のショパン・コンクールで優勝しました。イケメンという意味ではイム・ドンヒョクの方が上だと思う人も多いかもしれませんが、ソンジンの持つあどけなく、かつ芯のある雰囲気と端正な演奏は今後も人気を維持することでしょう。成長が楽しみなピアニストですね。

西川悟平(1974~ / 日本)

人気、実力、経歴、端正な顔立ち、といって思いつくのは青柳晋、近藤嘉宏、ちょっと濃い系では横山幸雄あたりでしょうか。しかしこの数年、多大な注目を集めているのは、外山啓介でも金子三勇士でも清塚信也でもなく、西川悟平です。やや日本人離れした濃い顔立ちと物腰の柔らかさ、そして7本の指を最大限に生かした優しい音色の演奏が人気を集めています。本年夏のジャパン・ツアー7月末で終わりますが、おそらくそれほど間を置かずに来日することでしょう。学校コンサートも積極的に行っています。