関西支部は、吹奏楽コンクール支部大会の中で最も代表争いが激しい支部といっても過言ではないでしょう。

長年、淀川工科高校を指導されていた丸谷明夫先生が2021年12月に亡くなり、吹奏楽界に衝撃が走りましたね。
今後、ますます関西支部はどの学校が代表に選ばれるか分からなくなりました。

そんな演奏レベルの高い関西支部の中でも、とくに強豪と言われる団体を5校ご紹介します。

案内人

  • 川島光将指揮者・作曲家・編曲家 元・中学高等学校音楽教員、吹奏楽顧問 吹奏楽指導者協会・認定指導員 音楽表現学会会員 K MUSIC GROUP代表 現在はオーケストラ、吹奏楽、合唱、声楽など音楽全般の指導にあたる。

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大阪桐蔭高等学校

吹奏楽のための協奏曲 /高 昌帥

実績

吹奏楽コンクール全国大会には12回出場。そのうち金賞を5回受賞しています。

吹奏楽部が発足されたのは2005年です。その翌年の2006年には、大編成でコンクールに初めて挑み、いきなりの全国大会出場という吹奏楽の歴史上最速記録を達成しました。

そこから2008年、2019年以外は毎年全国大会に出場しています。

まさに西日本の吹奏楽を代表する強豪校です。

特徴

演奏曲のレパートリーの多さは日本一でしょう。
各地方を回って演奏会を行い、その場で曲を決めて演奏するなど、もはやセミプロのような活動をしています。

直前になって吹奏楽コンクールの曲を変えるなんてこともあるみたいですね。

そんなことが出来てしまうのは、普段からしっかり基礎練習を行い、個人の演奏技術を上げているからなのでしょう。
学校によってはコンクール自由曲の選曲は、だいたい似たジャンルや雰囲気の曲を選ぶのですが、大阪桐蔭は全く読めません…!

どちらかといえば2019年までは、オーケストラの編曲ものが多かったのですが(それでもジャンルはジャズやオペラなど様々でしたが)、2021年は邦人作品でした。

おそらく2019年に代表を逃す大波乱があったので、選曲の仕方を変えたのかもしれません。

今年もほぼ全国大会出場間違いないであろう、大阪桐蔭。その選曲が楽しみです。

明浄学院高等学校

トリトン・エムファシス/長生 淳

実績

吹奏楽コンクール全国大会には17回出場。そのうち金賞を3回受賞しています。

初出場は1998年。かなり昔から出場されていますよね。

そこから現顧問である小野川昭博先生のもとで、ほぼ毎年全国大会に出場しています。

特徴

明浄学院の特徴は、とにかく丁寧な曲作りです。毎年どの曲もきっちり仕上げており、まさにお手本のような演奏と言えます。

もしかしたら熱量のある演奏が好きな方には、やや物足りなく感じてしまうかもしれませんね。

また明浄学院のもうひとつの特徴はマーチングバンドです。全日本のマーチングではなく、マーチングバンドのカラーバンド部門のほうですね。Queenstarの愛称で親しまれています。

コンクール、コンサート、マーチングと大忙しですが、全てにおいてクオリティが高いです。

今年の演奏もとても楽しみですね。

東海大学付属大阪仰星高等学校

春の猟犬/A.リード

実績

吹奏楽コンクール全国大会に2019年から2大会連続出場。関西支部大会には28回出場し、そのうち17回が金賞という強豪校です。

特徴

悲願の全国大会出場は2019年。東海大学付属大阪仰星高校にとって、まさに夢のような出来事だったでしょう。

関西支部といえば、淀川工科、大阪桐蔭、明浄学院と絶対にその座を奪えない御三家がいましたから。そこに入ることができたのは、ものすごいことです!

コンクールの選曲も、他の学校とは少し違います。課題曲も毎年マーチと決めているわけではなく、その年で一番自分たちに合った曲や良いと思った曲を選んでいるようです。

自由曲は比較的有名どころを演奏しているイメージですね。すでに知られている曲は他の学校と演奏を比べられてしまうリスクがありますが、その中でも全国大会に出場できるのは、素晴らしい。

今年も全国大会出場が濃厚です。

近畿大学附属高等学校

三つのジャポニスム/真島俊夫

実績

吹奏楽コンクール全国大会には2回出場しています。

関西支部大会への初出場は1977年。これまでに28回出場し、金賞受賞は14回です。

とても歴史のある強豪校ですね。

特徴

吹奏楽コンクール意外にも、アンサンブルコンテストでも全国大会出場経験があります。
さらに、シンフォニックジャズ&ポップスコンテスト全国大会では10年連続出場し、2016年大会から5年連続での総合グランプリ(第一位)を受賞!

海外遠征も行っており、2017年に日本の吹奏楽団史上初となるウィーン、シュテファン大聖堂での単独公演を成功させました。

ワールドワイドな活躍も見せる近畿大学附属高等学校。コンクールでの演奏も含めて今年の活躍が楽しみです。

滝川第二高等学校

Xmas Mini Concert2022

実績

全国大会への出場はまだありませんが、関西支部大会に19回出場し、そのうち10回も金賞を獲得しています。2015年からは5大会連続金賞です。

特徴

滝川第二高等学校は、吹奏楽コンクールの好成績はもちろんですが、全日本マーチングコンテストもすごい。これまでに15回出場し、金賞を10回獲得しています。

また、アンサンブルコンテストでも全国大会に出場し、金賞を獲得しています。

海外遠征も盛んで、2003、2006、2016年にイタリア、2008年にスペイン、2011年にアメリカで演奏し、音楽祭やバンドフェスティバルで数々の賞を受賞。もはや関西のみならず、日本を代表するバンドと言えるでしょう。

ぜひ吹奏楽コンクールの全国大会でも、そのパフォーマンスを見てみたいですね。

まとめ

関西支部は本当に強豪校が多い!
バリエーション豊かな支部ですよね。

吹奏楽コンクールで全国大会に上がれるのは関西支部では3校だけなので、まだまだ知られていない学校があるように思えます。

今回紹介しきれなかった中にも素敵な学校はたくさんあるので、ぜひ関西支部の吹奏楽全体に注目してみてください。