合唱コンクールの時期になると、どのクラスでも「男子が真面目に歌ってくれない」「リーダーが偉そうにしていてイライラする」など、さまざまな悩みが出てくるものです。

また、「金賞を取りたい」と思っていても、実際にはなかなか上手くいかないと感じる人が多いですよね。

この記事では、合唱コンクールで金賞を取る秘訣や、よくある悩みの対処法を紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。

案内人

  • 山吹あや幼少期からピアノ、中学校からサックス、高校から声楽を始め、地方国立大学教育学部音楽専攻へ進学。中学校では合唱部顧問を担当し、県大会を通過し関東大会に多数の出場経験がある。

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合唱コンクールで大切なこと

合唱コンクールは「勝負事」だと思っていませんか?しかし合唱コンクールとは本来、日々の学習活動の成果を発表する場であり、協調性や向上心などを育むことを目的としています。

この前提を忘れ「金賞のために!」とがむしゃらになると、クラス内で気持ちの温度差が生まれます。まずは、合唱コンクールに臨む姿勢について確認していきましょう。

金賞はあくまで結果

せっかくやるなら金賞を取りたい!と思うのは自然なことです。しかし、前述したとおり、合唱コンクールとは協調性や向上心を育むことを目的としています。

金賞のために無理に練習を強要するとクラスの雰囲気は悪くなり、もともと乗り気でない人は不満が募るばかり。一方、やる気のある人は「ちゃんと歌って!」と怒り出し、クラスの雰囲気はどんどん悪くなっていく…なんてことはあるあるです。

金賞とは、あくまでもクラス全体の成長を目指して一生懸命取り組んだ結果です。クラス一丸となって取り組んだ先に金賞があるという意識をもちましょう。

クラス全員で一つの合唱を作り上げる

合唱コンクールが終わったときにクラスがどのような状態になっているのが理想でしょうか?おそらく多くの人が、「クラスがひとつになった」「みんなでがんばってよかった」という良い雰囲気になっていることを望みますよね。

「なんで歌わないの!」と怒ったり、「やる気のある人ががんばればいいじゃん」と人任せになったりしては、雰囲気が悪くなるだけでなく、合唱もうまく仕上がりません。

『良い合唱を作り上げる』というクラスの目標を思い出し、文句を言うのではなく互いに歩み寄りながら練習を進めていきましょう。

金賞を目指す!合唱コンクール練習のコツ

あくまでもクラスの成長を目的とすることは理解できたけど、できれば金賞も狙いたいですよね。そのためにはクラス一丸となって練習することが必要不可欠です。

そこで、クラス内にモチベーションの差がある状態でも練習をうまく進められる方法についてご紹介します。

練習のコツをつかむと、クラスの雰囲気を悪化させることなく完成度の高い合唱に仕上げることができます。ぜひ参考にしてみてください。

【練習の進め方のコツ】指示を明確にテンポよく進める

パート練習でも全体練習でも、いかにテンポよく練習を進められるかが重要です。

パートリーダーや指揮者が「次はどうする?」と相談している時間は、他のメンバーからするとただの待ち時間でしかありません。その日にどのような練習をするかは事前に考えておき、テンポよく練習を進めましょう。

ちなみに、「もう一回最初から歌います」という練習は意味がありません。
練習は4〜8小節程度の短いフレーズで部分的に繰り返して行うことが大切です。そのときにただ歌うのではなく、「もっとクレッシェンドを意識して」「三連符がずれないように」など、何に気をつけて歌うのか明確に指示をして練習を進めましょう。

リーダーはダメ出しだけでなく、良かった点を褒めることも忘れないでくださいね。

【パート練習のコツ】音程と声量を最優先にする

パート練習の段階では、正しい音程で、十分な声量で歌えるようにしましょう。強弱はまだ意識しなくても大丈夫です。

各パートが正しい音程で歌えなければ合唱が成立しないため、1フレーズごとに反復練習をして音程をしっかり覚えることが大切です。

【全体練習のコツ】強弱をつけて曲を仕上げる

全体練習ではパートごとの声量のバランスを調整しながら、強弱をつけて曲を仕上げていきます。

主旋律をどのパートが担当しているかを全体で確認し、声量を調整していきます。楽譜に書かれた強弱記号も一緒に確認し、バランスを確認していきましょう。

指揮者はもちろん、パートリーダーが聴き手になって指示を出すのがおすすめ。自分たちではフォルテで歌っているつもりでも、聴き手にとっては強弱の差をあまり感じないこともよくあります。そのため、客観的なチェックは重要です。

合唱コンクールでありがちな悩みと対処法

ここからは、合唱コンクールでありがちな悩みと対処法についてご紹介します。

何も問題なくスムーズに本番を迎えられるクラスはありません。問題を乗り越えた先に金賞があるので、ぜひ参考にしてみてください。

歌ってくれない人がいる

みんなでがんばろう!という雰囲気の中で歌ってくれない人がいると、途端に嫌な空気になってしまいますよね。しかし、歌ってくれない人に「歌ってよ!」と強く言うのは逆効果です。

歌わない人には、その人なりの理由が必ずあります。たとえば、「音程に自信がない」「きれいな声が出ない」「大きな声を出すのが恥ずかしい」などが考えられます。原因がわかると、パート練習で音程を丁寧に確認したり、声の大きい人に隣で歌ってもらうようにしたりと、解決策を見つけられます。

歌ってくれない人を最初から否定するのではなく、一緒に解決する姿勢を大切にしましょう。

パートリーダーがうざい

パートリーダーが張り切っていると、その温度差からうざったく感じてしまうこともあるでしょう。しかしそこで引いてしまっては、パート内がバラバラの状態になってしまいます。

うざいと感じてしまうときは、相手のやる気を否定せず、練習の進め方を任せすぎないように意識するのがおすすめです。

パートリーダーが独りよがりで練習を進めていると、メンバーは置いてけぼりになってしまいます。「この部分が上手く歌えないから練習したい」「この旋律の音程がわからないから教えてほしい」と、どんどん意見を伝えてみてください。

泣き出す人がいる

練習が佳境に入ると、泣き出す人が出てきて困惑することがありますよね。しかし泣き出す人にも必ず理由があります。

指揮者やパートリーダーが「みんなが真面目に取り組んでくれない」と泣き出したり、役職のない人でも「上手く歌えない」「自信がない」とプレッシャーから泣き出したりと、さまざまなケースがあるでしょう。

原因がわかれば泣いている人のフォローが的確にできます。歩み寄りの姿勢で対応しましょう。

男子と女子で対立する

「女子はがんばりたいけど、男子が真面目にやってくれない」というのは多くのクラスで起こる問題です。

実は、音楽に苦手意識を持っている男子は少なくありません。「リズムや音程がわからない」「上手く歌えない」という理由でついふざけたり、真面目に取り組んでいないように見えたりしているケースもあります。

男声パートには音楽が得意な人がサポートに入り、しっかり褒めたり感謝を伝えることを意識して進めれば良い形で練習を進めることができるでしょう。

まとめ

金賞はあくまでも、クラスが一丸となって一生懸命取り組んだ先に結果としてついてくるものです。

クラスにはさまざまな人がいることを理解し、互いに歩み寄って練習を進めていければ、きっと嬉しい結果が待っているでしょう。