日本国内でもトップレベルのピアノコンクールとして知られる、高松国際ピアノコンクール。

新型コロナウィルス感染拡大の影響により延期されていた同コンクールの第5回大会が、2023年に開催されることが決定しました。

当記事では第5回高松国際ピアノコンクールについて、コンクールの概要やレベル、開催日程、チケット情報など詳しく解説します!

高松国際ピアノコンクールとは?

高松国際ピアノコンクールは2006年に日本で3番目の国際ピアノコンクールとして創設され、「ともに夢を、ともに感動を」を合言葉に、世界の舞台を目指す若きピアニストを応援するコンクールとして4年ごとに開催されてきました。

香川県、高松市をはじめとする多くの企業や団体がその趣旨に賛同し、高松国際ピアノコンクールを支援しています。

外務省、文化庁の後援を受けていることからも、国際文化交流の場として広く認められていることがうかがえます。

コンクールのレベル

高松国際ピアノコンクールは2006年の創設後、2015年には国際音楽コンクール世界連盟に加盟しました。

コンクールとしての歴史はまだ浅いですが、国内では浜松国際ピアノコンクール、仙台国際ピアノコンクールに並ぶトップレベルのピアノコンクールとして知られています。

高松国際ピアノコンクールは国外でも高く評価されていて、第5回大会には26の国と地域から申込があったようです。世界中から腕に自信のあるピアニストが集まっているため、コンクールのレベルは相当に高いものになるでしょう。

過去の主な優勝者

高松国際ピアノコンクールには優勝者の副賞として演奏会を多数開催した実績があり、過去の優勝者はその後も世界各地でピアニストとして活躍しています。

第一回 パヴェル・ギントフ(ウクライナ)

1984年にウクライナのキエフ (現:キーウ)で生まれる。キエフ中央音楽学校を経て、チャイコフスキー記念国立モスクワ音楽院でレフ・ナウモフに師事。第5回ヴラディーミル・クライネフ青少年国際ピアノコンクールで第3位の受賞歴を持つ。

第二回 アレクサンドル・ヤコブレフ(ロシア)

「ロシア・ピアニズムの若き至宝」として注目を集めているピアニスト。地元の音楽学校でレフ・オボーリンの直弟子セルゲイ・オシペンコに師事し、18歳まで国際コンクールに出場せずに猛練習を積んだ後、作曲をレオニード・クリニチェフ、ピアノをアレクセイ・リュビモフ、パスカル・ドバイヨンに師事して修了。22歳で国際コンクールに出場し始め、これまでに主要国際コンクールで56の受賞歴を持つ。

第三回 ムン・ジヨン(韓国)

1995年生まれ。幼い頃からピアノに興味があったが家が貧しく、協会のピアノで演奏していた過去を持つ。経済的な問題で芸術中学校進学を断念しかし、その後「アート・ドリーム・コンクール」で大賞を受賞。奨学金を得ながら進学し、韓国芸術総合学校にて研鑽をつむ。2009年にはアルトゥール・ルービンシュタイン国際青少年ピアノ・コンクールで第1位を獲得。2015年にはアジア人として初めてブゾーニ国際ピアノコンクールで優勝。

第四回 古海行子(日本)

6歳からピアノを習い始め、神奈川県立海老名高等学校を卒業。昭和音楽大学ピアノ演奏家コースを修了する。2018年には日本人として初めて、高松国際ピアノコンクールで優勝。その他にも、ピティナ・ピアノコンペティションやショパン国際ピアノコンクールなど、多数のコンクールで優秀な成績を収める。日本フィルハーモニー交響楽団などのオーケストラとも共演し、幅広い演奏活動を展開している。

2023年には第5回大会が開催!

2023年には、高松国際ピアノコンクールの第5回大会が開催されます。

本選第1次審査は2023年2月12日に開始しており、2月23日の本選結果発表に向けて、新進気鋭の若手奏者がしのぎを削っています。

2022年開催予定が1年延期に

第5回高松国際ピアノコンクールは2022年開催予定でした。

しかし新型コロナウイルス感染拡大により、海外からの出場者や審査員を迎えることが出来なくなったため、1年の延期を経て2023年に開催する運びとなりました。

出場は2021年の予備審査通過者50名

高松国際ピアノコンクールの第5回大会は昨年以前から始まっており、すでに予備審査は終了しています。

演奏動画による予備審査は2021年10月に実施され、申込者総数245名(26の国と地域)の中から50名の通過者がホームページ上で発表されています。

第5回高松国際ピアノコンクールの審査の流れ

本コンクールは、①予備審査、②予選(第1〜3次審査)、③本選の3段階で構成されています。

予備審査は動画審査形式で、2021年10月に実施されました。延期により期間が空いてしまいましたが、2023年2月24日には全日程を終了する予定です。

第5回高松国際ピアノコンクールの日程と会場

第5回高松国際ピアノコンクールは、第1次審査から本選、表彰式、入賞者演奏会まですべて一般公開されます。

会場はサンポートホール高松の改修工事に伴い、レクザムホール(香川県県民ホール)に変更されました。

各審査段階の日程は以下の通りです。

審査

日程

第1次審査

2023年2月12日(日)~14日(火)

第2次審査

2023年2月15日(水)~16日(木)

第3次審査

2023年2月18日(土)~2月19日(日)

本選

2023年2月22日(水)~2月23日(木)

結果発表・表彰式

2023年2月23日(木)

入賞者発表会

2023年2月24日(金)

第5回高松国際ピアノコンクールの課題曲

ここからは、第5回高松国際ピアノコンクールの課題曲を紹介します。規定や詳細については公式サイトもあわせてご確認ください。

第1次審査

下記のA→B→Cの順に演奏。演奏時間は合計20分以上25分以内。

A

J.S.バッハ 平均律Ⅰ、Ⅱ巻より1曲を選び、演奏

B

ショパン 練習曲作品10または作品25(作品10-3および10-6、作品25-7以外)より1曲を選び、演奏

C

1900年以降に作曲された作品を演奏

第2次審査

下記のA→Bの順に演奏。演奏時間は合計45分以内。

A

次のモーツァルトのソナタより1曲を選び、全楽章を演奏

 

・第8番 イ短調 K.310
・第13番 変ロ長調 K.333
・第14番 ハ短調 K.457
・第14番 ハ短調 K.457
・第18(17)番 ニ長調 K.576

B

シューマン、ブラームス、シューベルト、メンデルスゾーン、ショパン、リストより任意の楽曲を選び、演奏

※複数の作曲家も可

※ソナタの場合は全楽章を演奏

第3次審査

下記のA→B→Cの順に演奏。

A

次のベートーヴェンのソナタより1曲を選び、全楽章を演奏。

 

・第18番 変ホ長調 Op.31-3(繰り返しなし、第3楽章のダ・カーポはあり )
・第21番 ハ長調 Op.53(繰り返しなし)
・第23番 ヘ短調 Op.57(第2楽章の繰り返しあり、第3楽章はコーダの繰り返しのみあり)
・第31番 変イ長調 Op.110(第2楽章の繰り返しあり)
・第32番 ハ短調 Op.111(第1楽章の繰り返しなし、第2楽章の繰り返しあり)

B

第5回高松国際ピアノコンクール委嘱作品を演奏

C

下記のピアノ四重奏曲より1曲を選択し、主催者が指定する室内楽奏者と協演

 

・シューマン: 四重奏曲 変ホ長調 Op.47
・ブラームス: 四重奏曲 第3番 ハ短調 Op.60
・フォーレ: 四重奏曲 第1番 ハ短調 Op.15

本選

下記のピアノ協奏曲のうち任意の1曲を選択し、主催者が指定するオーケストラと協演。

オーケストラ:瀬戸フィルハーモニー交響楽団
指揮:広上 淳一

A

ベートーヴェン

 

・協奏曲 第3番 ハ短調 Op.37
・協奏曲 第4番 ト長調 Op.58
・協奏曲 第5番 変ホ長調「皇帝」Op.73

B

ショパン

 

・協奏曲 第1番 ホ短調 Op.11
・協奏曲 第2番 ヘ短調 Op.21

C

シューマン

 

・協奏曲 イ短調 Op.54

D

リスト

 

・協奏曲 第1番 変ホ長調
・協奏曲 第2番 イ長調

E

 

ブラームス

 

・協奏曲 第1番 二短調 Op.15

F

サン=サーンス

 

・協奏曲 第2番 ト短調 Op.22
・協奏曲 第4番 ハ短調 Op.44
・協奏曲 第5番 ヘ長調 Op.103
・協奏曲 第4番 ハ短調 Op.44
・協奏曲 第5番 ヘ長調 Op.103

G

チャイコフスキー

 

・協奏曲 第1番 変ロ短調 Op.23

H

グリーグ

 

・協奏曲 イ短調 Op.16

I

ラフマニノフ

 

・協奏曲 第2番 ハ短調 Op.18
・協奏曲 第3番 ニ短調 Op.30

入賞者へ贈られる賞も豪華!

レベルが高く、国内外から広く注目される大会だけあって、入賞者へ贈られる賞も豪華です。

◆賞金
第1位:3百万円
第2位:百万円
第3位:五十万円
第4位:三十万円
第5位:二十万円

◆1位入賞者への副賞
①日本および海外でオーケストラとの共演
②日本および海外のホールでのリサイタル

現在確定している優勝者のための演奏会が、公式サイトに挙げられています。国内外で15本ものコンサートに出演できるという豪華さです。

第5回高松国際ピアノコンクールのチケット情報

第5回高松国際ピアノコンクールは、第1次審査から本選、表彰式、入賞者演奏会まですべての審査段階が一般公開されます。

チケットは2022年11月1日(火)から販売が開始されています。

審査日程

一日券

一般

学生

会場

レクザムホール

第1次審査

2/12(日)

開場/9:30

審査/10:00

各日1,000円

[1F指定席]

各日500円

[1F指定席]

小ホール

2/13(月)

開場/9:30

審査/10:00

2/14(火)

開場/9:30

審査/10:00

第2次審査

2/15(水)

開場/9:30

審査/10:00

各日1,500円

[1F指定席]

各日700円

[1F指定席]

小ホール

2/16(木)

開場/9:30

審査/10:00

第3次審査

2/18(土)

開場/12:30

審査/13:00

各日2,500円

[1F指定席]

各日1,000円

[1F指定席]

小ホール

2/19(日)

開場/12:15

審査/12:45

本選

2/22(水)

開場/14:00

審査/14:30

各日3,000円

[1F指定S席]

各日2,500円

[1F指定A席]

各日1,000円

[1F指定

A席]

大ホール

2/23(木)

開場/12:30

審査/13:00

表彰式/17:00

入賞者演奏会

2/24(金)

開場/18:30 

開演/19:00

1,000円

[1F・2F指定席]

500円

[1F・2F指定席]

小ホール

インターネットでのチケット購入申込みとレクザムホール1階サービスセンターでの販売は2023年2月20日(月)まで受け付けています。

以降はレクザムホール小ホールの当日券売り場で開演1時間前から当日券が販売される予定です。

第5回高松国際ピアノコンクールの結果

結果は下記記事をご参照ください。

まとめ

約1年の延期を経て開催される、第5回高松国際ピアノコンクール。奏者、聴衆ともに待ち望んだコンクールがどのような結果になるのか、期待が高まります。

国内外の若手ピアニストが一堂に会する高松国際ピアノコンクールは、クラシックファンなら一度は聴きに行きたい貴重な機会です。会場近くにお住まいの方は足を運んでみてはいかがでしょうか。