「全日本ジュニアクラシック音楽コンクール」は、クラシック音楽を学ぶ学生にとって身近な大会です。幅広い部門が設けられていて、さらに年齢別の細分化もされている、門戸の広さが特徴です。

そんな当コンクールは、2023年に44回目の開催を迎えます。2月27日現在、すでに本選の大部分が行われ、あとは全国大会を残すのみ。大詰めとなったタイミングではありますが、コンクールの概要や審査部門、日程、課題曲などを以下に紹介します。

全日本ジュニアクラシック音楽コンクールとは?

全日本ジュニアクラシック音楽コンクールは、学生や未就学児といった若い音楽家の表彰と応援を目的とした大会で、1983年に第1回大会が開かれました。近年では年2回開催となっており、2022年12月~23年4月にかけて第44回が催されます。

入賞者には、賞金のほか、リサイタルへの出演、音大のマスタークラスの学費免除推薦といったさまざまな特典が贈られます。入賞という実績が実際のキャリア形成につながる点で、若手音楽家にとって貴重な機会です。

本選通過率から見る大会の難易度

部門によって多少の差はありますが、本選の平均通過率はおおむね50%弱。他のコンクールに比べ通過率は高めで、比較的挑戦しやすい大会といえます。

その反面、全国大会に多くの参加者が集まることになるため、入賞を狙うには相応の演奏レベルが必要です。過去の大会では、第1位・第2位の該当者が不在の部門も見受けられ、この点からも審査の厳しさがうかがえます。

過去の主な入賞者

第43回

ピアノ部門

中学3年生の部 第1位 菅谷凛

高校2年生の部 第1位 黒澤怜愛

弦楽器部門

高校3年生の部 第1位 大保あゆみ

フルート部門

高校生の部 第1位 関山美優

木管楽器部門

高校生の部 第1位 米山大空

金管楽器部門

高校生の部 第1位 宮浦千弘

声楽部門

大学生の部 第1位 我妻直輝

*詳細は公式サイトをご参照下さい。

第42回

ピアノ部門

小学2年生の部 第1位 長谷生雅

高校3年生の部 第1位 箱崎佑音

中学1年生の部 第1位 矢賀部光夏多

弦楽器部門

高校1年生の部 第1位 松木翔太郎

大学生の部 第1位 雁瀬心生

フルート部門

高校生の部 第1位 村上小夏

木管楽器部門

中学生の部 第1位 津田愛

金管楽器部門

高校生の部 第1位 今石素介

声楽部門

高校生の部 第1位 長嶋穂乃香

大学生の部 第1位 上田駆

*詳細は公式サイトをご参照下さい。

2023年には第44回大会が開催!

2022年12月~23年4月にかけて、第44回大会が開催されます。2月27日現在、予選と大部分の本選が終了しており、残すは全国大会のみとなっています。

大会の流れ

ピアノ部門/弦楽器部門/フルート部門/木管楽器部門/金管楽器部門/声楽部門については、まず全国各地で予選が行われます。予選通過者は本選へ進み、さらに本選参加者が全国大会に臨みます。

作曲部門については、最初に譜面審査があり、これの通過者のみが全国大会に進める仕組みです。全国大会では、作曲者本人もしくは制作に協力した演奏家が実演することになっています。

第44回全日本ジュニアクラシック音楽コンクールの審査部門

ピアノ部門

キッズ

小学1~6年生(各)

中学1~3年生(各)

高校1~3年生(各)

大学1~4年生(各)

弦楽器部門

キッズ

小学1~6年生(各)

中学1~3年生(各)

高校1~3年生(各)

大学生

フルート部門

中学生

高校1~3年生(各)

大学生

木管楽器部門

中学生、高校生、大学生

金管楽器部門

中学生、高校生、大学生

声楽部門

中学生、高校生、大学生

作曲ソロ部門/作曲室内楽部門

小学生低学年、小学生中学年、小学生高学年、

中学生、高校生、大学生

第44回全日本ジュニアクラシック音楽コンクールの日程と会場

予選

地区大会は2022年12月~2023年2月初頭に開催されました。詳細については公式サイトをご確認ください。

本選

本選は全国各地で行われ、その日程はさまざまです。詳細は公式サイトをご覧ください。

全国大会

日時

会場

部門

3月21日(火祝)

清瀬けやきホール・大ホール

ピアノ部門 小学3年生の部

金管楽器部門 中学生・大学生の部

3月22日(水)

清瀬けやきホール・大ホール

ピアノ部門 高校2年生の部

弦楽器部門 小学5年生の部

曳舟文化センター・ホール

ピアノ部門 小学5年生の部

弦楽器部門 高校3年生の部

3月23日(木)

清瀬けやきホール・大ホール

ピアノ部門 小学2年生の部

木管楽器部門 中学生・大学生の部

曳舟文化センター・ホール

声楽部門 中学生・大学生の部

弦楽器部門 大学生の部

3月24日(金)

清瀬けやきホール・大ホール

ピアノ部門 キッズ・小学1年生の部

弦楽器部門 中学1年生の部

曳舟文化センター・ホール

ピアノ部門 大学3年生の部

木管楽器部門 高校生の部

3月25日(土)

清瀬けやきホール・大ホール

ピアノ部門 中学1年生の部

弦楽器部門 小学2年生の部

3月27日(月)

小岩アーバンプラザ・ホール

ピアノ部門 高校3年生の部

弦楽器部門 中学3年生の部

3月28日(火)

小岩アーバンプラザ・ホール

フルート部門 高校2年生の部

金管楽器部門 高校生の部

曳舟文化センター・ホール

ピアノ部門 中学2年生の部

作曲ソロ・室内楽部門 全ての部

3月29日(水)

曳舟文化センター・ホール

ピアノ部門 大学2年生・大学4年生の部

弦楽器部門 小学3年生の部

3月30日(木)

曳舟文化センター・ホール

ピアノ部門 大学1年生の部

弦楽器部門 キッズ・小学1年生の部

武蔵野市民文化会館・小ホール

ピアノ部門 小学6年生の部

弦楽器部門 高校2年生の部

3月31日(金)

曳舟文化センター・ホール

声楽部門 高校生の部

弦楽器部門 小学6年生の部

武蔵野市民文化会館・小ホール

弦楽器部門 高校1年生の部

フルート部門 高校1年生・高校3年生の部

4月1日(土)

五反田文化センター・音楽ホール

ピアノ部門 高校1年生の部

弦楽器部門 中学2年生の部

清瀬けやきホール・大ホール

ピアノ部門 小学4年生の部

弦楽器部門 小学4年生の部

4月2日(日)

清瀬けやきホール・大ホール

ピアノ部門 中学3年生の部

フルート部門 中学生・大学生の部

第44回全日本ジュニアクラシック音楽コンクールの課題曲

本コンクールでは課題曲の指定がなく、参加者各自で好きな曲を自由に選べます。ただし、ジャンルはクラシック音楽限定で、各部門にて定められた演奏分数を遵守しなければなりません。

ピアノ部門

予選

本選

全国大会

キッズ

3分以内

3分以内

3分以内

小学1~2年生

3分以内

4分以内

4分以内

小学3~4年生

5分以内

6分以内

6分以内

小学5~6年生

6分以内

8分以内

8分以内

中学1~3年生

8分以内

10分以内

10分以内

高校1~3年生/大学1~4年生

10分以内

12分以内

12分以内

弦楽器部門

予選

本選

全国大会

キッズ

4分以内

4分以内

4分以内

小学1~2年生

6分以内

7分以内

7分以内

小学3~4年生

6分以内

7分以内

7分以内

小学5~6年生

8分以内

10分以内

10分以内

中学1~3年生

8分以内

10分以内

10分以内

高校1~3年生/大学生

10分以内

12分以内

12分以内

フルート部門

予選

本選

全国大会

中学生

8分以内

10分以内

10分以内

高校1~3年生/大学生

10分以内

12分以内

12分以内

木管楽器部門・金管楽器部門

予選

本選

全国大会

中学生

8分以内

10分以内

10分以内

高校生/大学生

10分以内

12分以内

12分以内

声楽部門

予選

本選

全国大会

中学生/高校生/大学生

6分以内

8分以内

8分以内

第44回全日本ジュニアクラシック音楽コンクールのチケット情報

本コンクールは全会場で一般観覧自由となっており、入場料も無料です。

また、2023年7月には表彰式と入賞者披露演奏会が開催されます。

日時:2023年7月25日(火)・26日(水)・27日(木)
会場:東京・サントリーホールブルーローズ

チケット情報はまだ出ていません。随時、公式サイトのチェックをお願いします。

第44回全日本ジュニアクラシック音楽コンクールの結果

コンクールの結果は、詳細が分かり次第、当サイトにて紹介予定です。

まとめ

今回は第44回全日本ジュニアクラシック音楽コンクールについて、概要や審査部門、日程、課題曲などを紹介しました。

幅広い部門があるこの大会には、全国のさまざまな若手音楽家が集まります。特に、全国大会では素晴らしい演奏の連続が期待できるので、興味のある方は、ぜひ会場へ脚を運んでみてください。