世界三大音楽コンクールのひとつに数えられる「エリザベート王妃国際音楽コンクール」。古くから世界的に有名な音楽家を輩出してきた、歴史と権威のある大会です。
最近だと2021年、ピアノ部門で務川慧悟さんと阪田知樹さんが入賞し、国内で大きな話題となりました。そして2023年、声楽部門が開催されることになっています。
本記事ではエリザベート王妃国際音楽コンクールについて、概要や日程、課題曲などを紹介します。
目次
エリザベート王妃国際音楽コンクールとは?
エリザベート王妃国際音楽コンクールとは、音楽を愛したベルギーの元王妃エリザベートの名を冠した音楽コンクールのこと。同国の首都ブリュッセルにて、ヴァイオリン・ピアノ・チェロ・声楽の各部門が毎年交替で審査されます。
大会のレベルは世界トップクラス。チャイコフスキー国際コンクール、ショパン国際ピアノコンクールと並ぶ世界三大音楽コンクールの一つとされており、世界中の有望な若手演奏家が優勝を求めて集います。
審査の過酷さでも知られていて、特にピアノ部門などのファイナルでは、参加者はエリザベート音大内の施設に1週間隔離されます。そして、この大会のために作られた新曲が渡され、隔離期間中にゼロから仕上げることになるのです。PCやスマホの持ち込みが禁止、オーケストラ以外との接触も禁止といった生活上の制約もあり、かなりハードな内容であることが分かります。
ただ、正直なところ、コンクールの賞金額はそこまで高くありません(優勝者でも300万円ほど)。重要なのは栄誉と権威であり、優秀な成績をおさめた参加者は、世界から一目置かれる実力者の仲間入りを果たします。
エリザベート王妃国際音楽コンクール過去の主な入賞者
ヴァイオリン |
堀米ゆず子|1980年 優勝 |
諏訪内晶子|1989年 第2位 |
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戸田弥生|1993年 優勝 |
ピアノ |
ウラディーミル・アシュケナージ|1956年 優勝 |
若林顕|1987年 第2位 |
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務川慧悟|2021年 第3位 |
チェロ |
ヴィクトル・ジュリアン=ラフェリエール|2017年 優勝 |
岡本侑也|2017年 第2位 |
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チェ・ハヨン|2022年 優勝 |
声楽 |
ティエリー・フェリクス|1992年 優勝 |
ホワン・スミ|2014年 優勝 |
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サミュエル・ハッセルホルン|2018年 優勝 |
2023年は声楽部門のコンクールが開催!
審査部門が毎年変わるエリザベート王妃国際音楽コンクール、2023年には声楽部門が開催されます。日程や開催地などは次のとおり(それぞれ詳しくは後述)。
日程 |
2023年5月21日~6月3日 |
開催地 |
ベルギー ブリュッセル |
参加資格 |
18歳以上30歳未満(声楽は32歳) |
審査方法 |
事前審査→1次審査→セミファイナル→ファイナル |
エリザベート王妃国際音楽コンクール2023の日程
予選
事前審査のエントリーはすでに締め切られており、本大会へ出場できる演奏家は3月中旬までに発表される予定です。
1次審査
日時 |
2023年5月21日~22日 |
会場 |
ブリュッセル フラジェ |
1次審査の結果は、5月22日の最終公演後に発表されます。
セミファイナル
日時 |
2023年5月24日~25日 |
会場 |
ブリュッセル フラジェ |
ファイナルへ進む12名は、5月25日の最終公演後に発表されます。
ファイナル
日時 |
2023年6月1日~6月3日 |
会場 |
ブリュッセル Centre for Fine Arts |
オーケストラ |
ラ・モネ管弦楽団 |
指揮者 |
アラン・アルティノグリュ |
エリザベート王妃国際音楽コンクール2023の課題曲
予選
2つ以上の異なる言語および2つ以上の異なる時代からの3曲を、ピアノ伴奏とともに歌う。
1次審査
異なる言語・異なる時代のオペラアリア、オラトリオアリア、リート、芸術歌曲から2曲を各自で選び、ピアノ演奏とともに歌う。
セミファイナル
参加者は、2つのプログラムを審査委員会へ提案。出場の前日に委員会から一方を指定されるので、それを歌う。
ファイナル
1つ以上のオペラアリアと2つ以上の異なる言語を含む3~6曲を、オーケストラ演奏とともに歌う。
エリザベート王妃国際音楽コンクール2023のチケット情報
サブスクリプション購入の場合は2月14日から、その他のチケットは3月7日から発売されます。詳細については公式サイトの情報をご確認ください。
エリザベート王妃国際音楽コンクール2023の結果
コンクールの結果は、詳細が分かり次第、当サイトにて紹介予定です。
まとめ
本記事では、2023年のエリザベート王妃国際音楽コンクールについて、概要や日程、課題曲などを紹介しました。
今回は声楽部門の開催ということで、期間中に聞ける素晴らしい歌声が、今から楽しみですね。世界的に注目度の高いコンクールのため、本ブログ含め、さまざまなメディアがこれから情報をとりあげていくでしょう。ぜひ、こまめにチェックしていただければと思います。