チェロを始めたいけど必要な費用や環境が分からない……

そもそも私なんかが挑戦していいのだろうか……

など、不安を抱えている読者さん必見です!

現役チェロ奏者でありレッスン教室を運営している筆者が、これからチェロを始めようとしているあなたの不安にお答えします。

この記事を最後まで読めば、大人になってからチェロを始めるときに直面するであろう悩みや疑問を解消し、チェロを始める勇気が持てるでしょう。

ぜひ参考にしてください!

案内人

  • 橋本專史東京藝大卒のプロチェリスト。 2023年デビューCD「GINASTERA&PIAZZOLLA」がレコード芸術特選盤に選出。 現在関東を中心にチェリスト、チェロ教室の先生として活動中。

    詳しくはこちら

チェロは大人になってからでも始められる?

結論、大丈夫です。楽器を弾いたこともないし、楽譜も読めない人でもOKです。

その理由は3つ。

1.音の数が少なく、余裕を持ってチェロの音を楽しめる

チェロはピアノのように同時に沢山の音を鳴らすような無理難題は要求されません。1つの美しい音を出すことだけに集中すればいいので、体や脳に掛かる負担が少ないのです。そのため、小さい頃から楽器に触れていなくても、気軽に始めることができます。

2.大人から始めている人が大多数!

実際、筆者の教室の生徒40名のうち30名が大人です。そのほとんどが音楽未経験者でありながら、ここ3年間誰一人として辞めていません。つまり、チェロを継続することのハードルは限りなく低いということになります。勇気を出して始めるかどうかが重要です!

3.大人だからこそ魅力を深く理解できる

チェロの美しい音色は、仕事や日常のストレスを忘れさせ、深い癒しを与えてくれます。これは、忙しい毎日に追われている大人だからこそ得られる体感です。そのため、チェロは大人の習い事として大変人気があります。

チェロの難易度

数ある弦楽器の中でもチェロは難易度が低いと言えます。それは、楽譜を見たら一目瞭然です。

下記のチェロの楽譜を見てみましょう。

【チェロ】モーツァルト 弦楽四重奏 アイネクライネ2楽章より抜粋

スッキリ。シンプルで簡単そうです。

一方、ヴァイオリンはこんな感じ(ちゃんと同じ曲です)!

楽譜が読めない人でも分かると思いますが、音符の人口密度が全然違いますよね……

これを分かりやすく言い換えると、

音符の密度が高い→要求される仕事が多く、難易度が高い

音符の密度が低い→要求される仕事が少なく、簡単

つまり、チェロは難易度が低いということです。

そもそも、オーケストラやアンサンブルでチェロに任されている役割は「ベースを弾いてアンサンブルを支える」というものです。

チェロは全ての楽器の中でも、比較的仕事量が少ないポジションであるため、楽器演奏に慣れていない方でも余裕を持って演奏することができます。

ちなみに、オーケストラのアンサンブルではなく、ソロでやる曲もチェロの譜面はシンプルで弾き易いものが多いですよ!例えば、下記の楽譜をご覧ください。

これは、有名な無伴奏チェロ組曲「プレリュード」の楽譜です。楽譜が読めなくても指番号を書けば弾けます。

このことからも、チェロは指の動きに自信がない方でも年齢問わずチャレンジしやすい楽器であると言えます。

チェロを始めるのに必要なもの(筆者おすすめ)

必要なもの

説明

価格(相場)

弓・チェロ・ケースセット

EastmanVC100セットがおすすめ

¥319,000

教本

鈴木メソードの教本が定番

¥3,300

ブラックホール

床を傷つけないためのアイテム

¥2,838

松脂

弓の毛に塗るアイテム

¥2,275

替えの弦セット

弦が切れた時にあると安心

¥19,690

消音器

アパートで弾く場合は必要

¥473

練習場レンタル代

音楽スタジオ、カラオケ

¥800円/1時間

教室レッスン代

月3回がスタンダード

¥14000円/月3回45分

トータルでどれぐらいの費用になる?

上の表を足し算すると、合計で35万円程度あれば始められます。

初心者は必ずしも楽器を買う必要はない

音楽教室によっては楽器のレンタルをしています。相場は月額6000円位。しかし、早いタイミングで買い替えないとお金の無駄になってしまいます。習い始めて2ヶ月位を目処に買うかどうか判断するのがおすすめです。

冒頭でもお伝えしましたが、筆者のチェロ教室では、ここ3年間退会者が出ていません。これは楽器本体の値段が他と比べて高いので「辞めると勿体無い!」という思考もあるかもしれませんが、それ以上にチェロは、演奏すること自体に楽しみを見出し易い楽器なんだと筆者は思います。なので、楽器を購入してもきっと損はないでしょう。

実際にチェロを始めてみよう!

独学は可能?

独学は可能です。

音楽教室への移動の手間や、レッスン代が掛からないのは大きなメリットです。

しかし、勉強やダイエット、筋トレと同じで独学で結果を出せる人は一握りの天才達のみ。特に楽器を学ぶことにおいては専門性の高い知識や経験に基づいたアドバイスが必要になってくるので、それを1人でゼロから学んでいくのは非常に困難です。

実際にチェロを弾いてみるとわかるのですが、最初のうちはイメージ通りに弓が持てなかったり、音が出ないことがあります。そういう時に客観的に専門的なアドバイスをしてくれる先生が必要です。

筆者は、思い切って教室で先生に習うことをおすすめします。

「それでも周りにチェロ教室が無いし、教室があったとしても必要以上にお金もかけたくない!」という方にはオンラインレッスンがおすすめです。

オンラインレッスンならLINE、Zoomを使って家にいながら手軽にレッスンを受けれます。

音楽レッスンをするうえで課題となっていたツールの画質・音質も研究が進み、実用的にレッスンが出来るレベルになってきました。実際に先生に会ってレッスンを受講する体験には勝てませんが、最低限必要なアドバイスやコミュニケーションは可能です。

まずはチェロ教室に飛び込むのがおすすめ

大抵の音楽教室では無料体験レッスンを受講出来ます。

そこで教室の雰囲気、先生の指導スタイルや人柄を知ることが出来るので、まずは気軽に足を運んでみましょう!

大切なのはチェロを楽しむこと!

チェロを始めたては、弓の持ち方や音程が思うようにコントロール出来ず、難しいと感じることもあると思います。しかしそれは当たり前で、プロでも最初は時間をかけて良い音を鳴らすための体の使い方を苦労して覚えるものです。

しんどい、難しいと感じた時は先生に相談したり、そんなものだと割り切って時間をかけて少しずつ練習していけば、ふとした瞬間に信じられないくらい良い音を出せる瞬間が必ず来ます

まとめ

迷っているなら、絶対チェロを始めるべきです。楽器を演奏する楽しさは勿論、ピアノとのデュオ、チェロ同士のアンサンブルなど、チェロを通して一緒に音楽を楽しめる仲間との出会いも待っています。

最初の費用が大きいのがネックですが、一生をかけても飽きることの無い趣味になることをプロ奏者でありチェロ講師でもある筆者が保証いたします。まずは勇気を出して、チェロの体験レッスンを受けてみましょう!

この記事を読んだ方のチェロ人生が豊かになることを心より願っております。