楽器演奏をすることで健康的になれるってご存知でしたか?
健康というと、ジムでの運動やスポーツを思い浮かべる方が多いと思いますが、楽器演奏することで得られる効果、実はかなり大きいのです。高齢化社会に伴い健康志向がブームとなっている今、分かってはいるけど体を動かすのが少し苦手、という方に是非お勧めしたいのが楽器です。
最近は音楽教室に通う中高年の方も多いようです。皆さん習っている楽器はさまざまで、キーボード、ギター、ウクレレ、サキソフォン、フルート、中にはゴスペル教室で歌っている方もいらっしゃいます。
趣味がないので何か始めたいと考えている方も、是非この機会にいかがでしょうか?
それでは、演奏することで得られる健康面での効果をご紹介しましょう。

楽器演奏は脳にいい?

楽器演奏が脳を活性化するというのは、神経科学の分野でも実証されています。
楽器にも様々な種類がありますが、共通しているのは手指を使うこと、楽譜を見ながら演奏すること、そして自分の出している音を聴くということです。

サキソフォン、フルート、クラリネット、リコーダー、トランペットなどの管楽器や、ギター、ベース、ウクレレ、バイオリンなどの弦楽器の場合、まずはドレミファソラシドの運指を覚えるところからスタートです。
ピアノやキーボードは鍵盤があるのでドレミファソラシドの位置は分かりやすいですが、両手で弾くとなると頭を使いますよね。電子オルガンやドラムなら両手両足を使うことになります。
そして実際に曲を演奏しましょう、という段階になると、楽譜を見て自分の音をよく聴きながら演奏します。

認知症の予防方法の一つに「デュアルタスク」というものがあります。デュアルタスクとは、2つ以上のことを同時に行うことです。例えば、テレビを見ながら洗濯物をたたむ、歩きながら歌を歌う、といったことが挙げられます。
このデュアルタスクは、認知症予防のみならず、様々な病気の後遺症を回復させるためのリハビリテーションの現場でも広く普及しており、具体的なトレーニング方法も多く編み出されています。

このデュアルタスクを実践できるのが、まさに楽器演奏なんです。
楽譜を見ながら指を動かす、自分の出す音を聴く。まさにデュアルタスクの実践ですよね。楽器演奏が脳のトレーニングになるということにも頷けます。

ピアノは認知症の予防に最適

認知症の予防に指の運動が効果的というのは、テレビ番組や雑誌でも紹介されていますね。
ピアノやキーボードは、10本の指を使って曲を演奏するので、まさに指の運動にぴったり。
学生時代にオルガンや鍵盤ハーモニカに親しんだ方も多いでしょうし、取り組みやすい楽器の一つなのではないでしょうか。

そして、憧れの曲を一人で演奏できるという楽しさもあります。
クラシックの小品、例えば「エリーゼのために」「トルコ行進曲」とか、ディズニーやジブリの名曲、昔から好きな歌謡曲など、ピアノの楽譜は数多く販売されています。初心者向けにアレンジされた楽譜もたくさんあります。
「大好きなあの曲を弾きこなしたい!」と目標を持って取り組んでいるうちに、いつの間にか指先の運動にもなっているなんて最高ですね。

ピアノが家にないという方でも、最近は様々な価格帯の電子ピアノやキーボードが販売されていますし、ピアノを安価でレンタルする方法、音楽教室に行ってピアノ部屋をレンタルする方法などもあります。

管楽器演奏は誤嚥性肺炎の予防にもなる?

サキソフォン、フルートなどの管楽器を演奏するのに欠かせないのは呼吸法です。楽器に息を吹き込んで音を出す仕組みなので、まずは運指と共にその楽器に合った呼吸法を学ぶことになるでしょう。

正しい呼吸法を訓練することにより、嚥下機能や呼吸機能を高めることができると言われています。
高齢になると怖いのが誤嚥性肺炎など呼吸機能を低下させる病気です。呼吸機能が低下する病気をもった方のリハビリテーションにも腹式呼吸の訓練が勧められています。

最近は呼吸法を解説した本も多く見かけますね。自分一人で本を読みながら呼吸法を練習しようとしても、すぐに飽きてしまいますが、楽器を習いながら呼吸法も自然に体得できるのが管楽器演奏のメリットといえるでしょう。
特に持病がないという方でも、呼吸を整えることは体調を整えたり心の状態を整えることにも繋がります。

ただ管楽器は値段が高いなぁ、と躊躇してしまうこともあるでしょう。
そんな方でもご安心を!オカリナや鍵盤ハーモニカ(ピアニカ)、リコーダー、ハーモニカといった数千円で購入できる楽器でも呼吸法は大事です。そしてこれらの楽器の演奏方法を教えてくれる教室も増えています。

良い姿勢が自然に身に付く

どんな楽器を演奏するにせよ、身体の軸がブレないこと、良い姿勢を保つことは基本中の基本です。
楽器を持つのに不自然な姿勢を続けていると、身体を痛めてしまうことがあります。
楽器それぞれに合った姿勢の保ち方があるので、音楽教室では先生から姿勢について何度も指導を受けることになります。
呼吸法同様、正しい姿勢も健康維持には欠かせない要素です。
正しい姿勢を保っているうちに、いつの間にかちょっぴり気になっていたお腹がへこんできた!なんて嬉しい効果もあるかもしれません。

(まとめ)楽器演奏でいつまでもハリのある生活を!

吹奏楽部の生徒が朝練で走ったり体操をしているという話を聞いたことはありませんか?
合唱部でも、歌う前に発声練習はもちろんストレッチなど準備運動をすることがあります。
大人でも、いい演奏をするためには健康維持・体力維持が欠かせません。

最近は楽器店の中でも、”健康と音楽”をテーマに、リズムトレーニングや発声などのレッスンを行う場所も増えており、スポーツクラブに通うよりも気軽に続けられる趣味になると好評です。
楽器店・音楽教室では無料体験を行っているところも多いので、まずは相談をしてみてはいかがでしょうか。
音楽や楽器に末長く親しみ、健康な生活を送っていきたいですね。