ハロウィンは魔女やお化けの仮装をすることもあり、不気味で怖いイメージがありますよね。クラシック音楽の中には、そんなハロウィンの雰囲気にぴったりの曲がたくさんあるんです。
そこで今回は、ハロウィンで演奏したいクラシックの名曲10選を紹介します!ハロウィンにちなんだ曲を演奏したい方は、必見です。
目次
ハロウィンに演奏したい曲10選
ハロウィンパーティで弾くと盛り上がる曲10選を紹介します。どれもピアノやエレクトーンで演奏できる曲なので、ぜひ参考にしてください。
サン=サーンス交響詩「死の舞踏」
Camille Saint-Saëns – Dance of Death, Danse Macabre Op.40 死の舞踏 Teatr Wielki Opera Narodowa
死の舞踏は、19世紀を代表するフランスの作曲家サン=サーンスが作曲した交響詩です。午前0時に骸骨が踊りはじめ夜明けに帰っていく描写を表したト短調のワルツで、不気味でありながらかっこよさを感じることができます。まさに、ハロウィンのイメージにぴったりです。まるで夜更けに骸骨が踊っているかのように楽しく演奏しましょう。
交響詩「死の舞踏」 / Camille Charles Saint-Saens : ピアノ(ソロ) / 中級
ポール・デュカス「魔法使いの弟子」
P.デュカス / 交響詩「魔法使いの弟子」
魔法使いの弟子は、ディズニー映画ファンタジアで使われたことで有名になったクラシック曲です。古典的でありながら前衛的な一面を感じさせる音使いは、安堵と不安を繰り返すのでハロウィンらしさがあります。装飾音とダイナミクスをはっきりとさせることで、この曲の良さを最大限に発揮できるでしょう。
交響詩「魔法使いの弟子」より / Paul Dukas : ピアノ(ソロ) / 中~上級
ムソルグスキー交響詩「禿山の一夜」
Mussorgsky: Night on Bald Mountain – Radio Filharmonisch Orkest – Live concert HD
ムソルグスキー作曲の交響詩禿山の一夜は、「聖ヨハネ祭の前夜に精霊や魔物が大騒ぎをする」というロシアの民話をもとに作られました。ベースはニ短調でありながら、楽しさを感じさせる高音の装飾や木管楽器のスタッカートが随所にみられます。ピアノで演奏するときは、どの強弱でも1音1音はっきりと話すように弾きましょう。また、転調を意識し調の変化を感じさせるような演奏をすると、クオォリティーの高い曲に仕上がります。
zen-on piano solo ムソルグスキー:はげ山の一夜 全音ピアノ・ミュージック・レパートリーズ
ハチャトゥリアン「仮面舞踏会」
ハチャトゥリアン/仮面舞踏会
アルメニア人作曲家ハチャトゥリアンによって作られた仮面舞踏会は、戯曲のための劇音楽です。題材となった戯曲は、妻の不倫を疑う夫が仮面舞踏会で妻を毒殺するストーリーで、生々しいリアルな怖さを描いています。
人間の本性が見え隠れするような恐ろしさだけではなく、踊りの楽しさも同時に感じられる不気味な曲です。なかでもワルツは、壮大かつ悲劇的でハロウィンにぴったりでしょう。
仮面舞踏会「ワルツ」 (ハチャトゥリアン) ピアニスト 近藤由貴
アンドルー・ロイド・ウェバー「オペラ座の怪人」
オペラ座の怪人(The Phantom of the Opera)
ガストン・ルルーの小説をもとに作成されたミュージカル「オペラ座の怪人」の中で最も有名な一曲と言えるでしょう。誰もが一度は聴いたことのあるクラシック音楽であるため、パーティなどで演奏すると、盛り上がること間違いなし。イントロ部分だけでも充分インパクトがあるので、おすすめです。
オペラ座の怪人 (ピアノ) ピアニスト 近藤由貴
シューベルト「魔王」
シューベルト 「魔王」
シューベルト作曲の魔王は、学校の音楽教材としても知られる歌曲です。物語は、魔王が息子を連れ去ろうとし、恐怖で震える息子が父に助けを求めるもので、不気味で恐ろしい雰囲気が感じられます。
この曲は、速いテンポで3連符が続くためテクニックが必要な曲です。正確な3連符をベースに緊張感のあるメロディーを乗せることで、魔王の怖さを表現できるでしょう。
シューベルト/リスト 魔王 – Schubert/Liszt Erlkönig
チャイコフスキー「くるみ割り人形より金平糖の踊り」
P.チャイコフスキー/「くるみ割り人形」より 金平糖の踊り
くるみ割り人形は、チャイコフスキーが作曲したバレエ音楽でクリスマスにちなんだ曲であるため、本来はクリスマスシーズンに演奏されることが多いです。
しかし、金平糖の踊りは、お菓子の精がダンスを踊る場面で使われる不思議な音楽でハロウィンの雰囲気にぴったりです。
金平糖の精の踊り(チャイコフスキー)Tchaikovsky
グノー「操り人形の葬送行進曲」
グノー:操り人形の葬送行進曲pf. 瀬崎 純子:Sezaki, Junko
操り人形の葬送行進曲は、フランスの作曲家グノーによって作曲されました。ピアノ版とオーケストラ版があり、楽譜の種類が豊富で手軽に演奏できる曲です。
操り人形の物語を風刺的に描いた音楽なので、あえてぎこちないリズムで演奏するのがおすすめ。全体的に明るい雰囲気の曲で怖さよりも楽しさを感じることができるので、パーティなどで演奏するとよいでしょう。
湯山 昭「 ピアノ曲集《お菓子の世界》」
湯山昭/お菓子の世界 第18曲 「ポップコーン」 pf.須藤英子
現代の日本人作曲家である湯山昭が作曲したお菓子の世界は、子供の教育用に作られたピアノ曲集です。その内容は教育的でありながら深い音楽性を感じることができるので、初心者から上級者まで幅広いレベルの方におすすめです。
子供でも理解しやすく楽しく演奏できるため、ハロウィンに親子で演奏してみてはいかがでしょうか。
ファリャ「バレエ音楽恋は魔術師より火祭りの踊り」
El Amor Brujo. Danza ritual del Fuego. Falla.
スペイン人作曲家ファリャの代表作「恋は魔術師」は、主人公の女性が元恋人の亡霊に悩まされるという物語のバレエ音楽として作られました。なかでも火祭りの踊りは、クライマックスの悪魔払いを行うシーンで使われており、最も有名な曲です。
トリルのダイナミクスを大げさに表現しながら演奏すると、ハロウィンらしい音楽に仕上がるでしょう。
恋は魔術師 より 火祭りの踊り リチュアルダンス
ハロウィンとクラシック音楽の関係
ハロウィンとクラシック音楽には何か関わりがあるのでしょうか?。実は、ハロウィンが広まるきっかけは意外なものでした。
ハロウィンが広まったのはオーケストラサウンドのおかげだった
1930年代にハロウィン発祥の地であるケルトからハロウィン音楽がアメリカに持ち込まれました。そのとき、ビジネス展開しやすいように、当時主流であったオーケストラ音楽を使ってメディア進出したといわれています。
当時のアメリカは、ローマの休日やパリの恋人などが作られたハリウッドの黄金期で、ディズニー映画も盛んに放送されていました。これらの映画音楽には、オーケストラが使われており、オーケストラサウンドは聴きなじみのある音楽でした。
そのオーケストラサウンドを使ってハロウィン音楽が作られテレビで放送されることが増えたことで、ハロウィンが世界的に広まっていったと言われています。
ハロウィンらしい曲には三全音が使われていることが多い
ハロウィンらしい不気味な曲には、増4度や減5度といった三全音が使われることが多いです。三全音は、不協和音の中でも最も響きが悪く不快な印象を与えます。
ハロウィンの雰囲気を感じる曲は、この不安定な三全音で怖いイメージが作られています。また、三全音は中世で悪魔の音程と呼ばれ禁止されていたり、バッハが強烈な不協和音を用いるときに使っていたりと、悪い音程として知られていました。
まとめ
亡霊や骸骨などを題材にしたクラシック曲を演奏することで、ピアノやエレクトーンだけでも充分ハロウィンらしい雰囲気を演出することができます。
不気味なクラシック音楽を演奏してハロウィンを楽しみましょう!