「Shigeru Kawai 国際ピアノコンクール」をご存知でしょうか。カワイが技術の粋を集めて制作した最高峰グランドピアノ「Shigeru Kawai グランドピアノ」を使用する本大会は、国内外のトップレベルのピアニストが競い合う場として、2022年に第4回の開催を迎えます。

今回は、本コンクールの概要やエピソード、日程や課題曲などを紹介します。

第4回コンクールは2023年に延期

公式サイトにて、Shigeru Kawai 国際ピアノコンクールの一年延期が発表されました。
現在の緊迫する国際情勢の影響により、海外からの出場者、審査委員、伴奏者の方々を万全な体制で迎え入れることが困難と判断されたそうです。

2021年に開催されるはずだった第4回大会は、新型コロナウイルスの影響を受けて、既に2022年夏に延期されていました。予備審査通過者58人が発表されていただけにさらなる延期は大変残念で、開催側も苦渋の決断だったそうです。
公式サイト(出場者)

1次予選は2023年7月末~8月に開催予定で、詳細な日程は公式サイトで改めて発表されるそうです。

Shigeru Kawai 国際ピアノコンクールとは?

第4回Shigeru Kawai国際ピアノコンクール ロゴ

Shigeru Kawai 国際ピアノコンクールは、次世代を担うピアニストの発掘・育成や国際交流の推進などを目的として、2017年に始まりました。

歴史の浅い大会ではありますが、レベルは高く、国内外からトップレベルのピアニストが出場し腕を競い合います。前回(第3回 2019年)の優勝者は、数々の国際ピアノコンクールに出場しているロシアのイリヤ・シュムクレルでした。

コンクール名のShigeru Kawaiとは、河合楽器製作所二代目社長・会長である河合滋氏のこと。河合氏は「音楽は万人のもの」という理念の下、カワイ音楽教室を展開したり、グランドピアノ専門工場やShigeru Kawai ピアノ研究所を開設したりと、生涯にわたって音楽の普及や最高のピアノづくりを追求した人物です。

そんな彼が活動の集大成として1999年に発表した最高峰のピアノが、Shigeru Kawai グランドピアノ。本コンクールでは、すべての日程、すべての審査で使用されます。

第4回Shigeru Kawai 国際ピアノコンクールの審査の流れ

審査は、①予備審査→②1次予選→③セミファイナル→④ファイナルの、4段階による選抜となります。
各日程と詳細については、次章から解説していきます。

第4回Shigeru Kawai 国際ピアノコンクールの日程と会場

次に、第4回Shigeru Kawai 国際ピアノコンクールの日程と会場を紹介します。

予備審査

予備審査は、海外居住者についてはビデオ審査、日本居住者については下記の日程と会場にて実施となります。

日程

2022年2月26日(土)・27日(日)

会場

大阪 カワイ梅田コンサートサロン「ジュエ」

日程

2023年に延期

会場

未定

ピアノトライアル

ピアノトライアルとは、コンクールで実際に演奏するピアノを試し弾きするイベントのこと。1次予選の出場者は、1人10分間参加できます。

日程

2023年に延期

会場

未定

出場順抽選会

日程

2023年に延期

会場

未定

※非公開のため、関係者以外は入れません。

1次予選

日程

2023年7月末~8月に開催予定

会場

未定

セミファイナル

日程

2023年7月末~8月に開催予定

会場

未定

ファイナル

日程

2023年7月末~8月に開催予定

会場

未定

入賞者演奏会

日程

2023年に延期

会場

未定

第4回Shigeru Kawai 国際ピアノコンクールの課題曲

次に、第4回Shigeru Kawai 国際ピアノコンクールの課題曲を紹介します。

予備審査

下記の(1)と(2)を演奏。演奏時間は合計で15分以内、演奏順は任意。

A

F. ショパン 練習曲 Op.10またはOp.25より1曲を選択

B

自由曲 ※複数曲の組み合わせも可

*海外在住の場合、公式サイトの注意事項を要確認。

1次予選

下記の(1)と(2)を演奏。演奏時間は合計で20分以内、演奏順は任意。

A

下記より1つを選択

 

・ F. シューベルト:4つの即興曲 Op.90/D899 または Op.142/D935より1曲、または楽興の時Op.94/D780 より1曲ないし数曲を選択
・ F. ショパン:ノクターンより1曲
・ F. メンデルスゾーン:無言歌集 第1巻~第8巻より1曲ないし数曲を選択
・ J. ブラームス:Op.76 Op.116 Op.117 Op.118 Op.119 から1曲ないし数曲を選択

B

自由曲 

 

※複数曲の組み合わせも可。予備審査で演奏した曲を重ねることはできない

セミファイナル

下記の(1)と(2)を演奏。演奏時間は合計で30分以上40分以内とし、演奏順は任意。

※予備審査で演奏した曲は含めても良いが、1次予選で演奏した曲は含められない。

A

F.J. ハイドン、W.A. モーツァルト、L.v. ベートーヴェンのソナタより任意の1曲(全楽章)、または変奏曲1曲を選択

B

自由曲 

 

※複数曲の組み合わせも可

ファイナル

下記のピアノ協奏曲から1曲を選択し、事務局が指定する伴奏者と共演。演奏は2台のピアノで行う。

作曲家

曲名

L.v. ベートーヴェン

ピアノ協奏曲 第3番 ハ短調 Op.37

ピアノ協奏曲 第4番 ト長調 Op.58

ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調「皇帝」 Op.73

W.A. モーツァルト

ピアノ協奏曲 第20番 ニ短調 K.466

ピアノ協奏曲 第23番 イ長調 K.488

ピアノ協奏曲 第24番 ハ短調 K.491

ピアノ協奏曲 第27番 変ロ長調 K.595

F. ショパン

ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調 Op.11

ピアノ協奏曲 第2番 ヘ短調 Op.21

R. シューマン

ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54

F. リスト

ピアノ協奏曲 第1番 変ホ長調 S.124

ピアノ協奏曲 第2番 イ長調 S.125

C. サン=サーンス

ピアノ協奏曲 第2番 ト短調 Op.22

ピアノ協奏曲 第5番 へ長調「エジプト風」 Op.103

P. チャイコフスキー

ピアノ協奏曲 第1番 変ロ短調 Op.23

S. ラフマニノフ

ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 Op.18

ピアノ協奏曲 第3番 ニ短調 Op.30

M. ラヴェル

ピアノ協奏曲 ト長調

S. プロコフィエフ

ピアノ協奏曲 第2番 ト短調 Op.16

ピアノ協奏曲 第3番 ハ長調 Op.26

公式サイトの注意事項も、あわせてご確認ください。

新型コロナ騒動の状況によっては審査方法や日程が変更の可能性も

今回、新型コロナ感染症のみならず、緊迫する国際情勢の影響により大会が延期になってしまいました。海外からの出場者、審査委員、伴奏者の方々を万全な体制で迎え入れることが困難と判断されたそうです。既に予備審査通過者は発表されているだけに大変残念ですが、2023年に無事開催されることを願っています。

参加者の方々、聴きに行きたいと考えている方々は、下記公式サイトで最新情報の更新をチェックしてくださいね。

【第4回Shigeru Kawai国際ピアノコンクール公式サイト】

まとめ

一日も早く世界の平和が取り戻され、「音楽は万人のもの」という考えの下、音楽教育の普及や最高峰のピアノづくりに邁進した河合滋氏の想いが込められた国際コンクールが開催されることを祈ります。