引越しやライフスタイルの変化などでピアノを手放さなければならなくなったとき、買取という選択肢があります。
これまで大切にしてきたピアノだからこそ、信頼できる業者にできるだけ高く買い取ってもらいたいですよね。

そこで、本記事では買取の流れや、高く買い取ってもらうためのコツなど、ピアノを売るときに損をしないための方法について紹介します!

案内人

  • おばたおりえピアノ調律師。大阪府出身。
    大学卒業後、専門学校にて調律・修理・整調・塗装・オーバーホールを学ぶ。
    卒業後、ピアノ調律会社にて工房勤務経験を経て現在フリーの調律師として活動中。

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買取可能なピアノの種類と金額相場

ピアノにはいくつか種類があり、それぞれ買取金額の相場が異なってきます。今回は代表的なアップライトピアノ・グランドピアノ・電子ピアノについてご紹介します。

アップライトピアノ

家庭や学校などで使われる一般的な縦型ピアノがアップライトピアノです。さまざまなメーカーやモデルがあり、中古で取引される台数も多いため買取金額にばらつきがあります。

おおよその相場は、国産ピアノの場合、一般的なモデルで5〜20万円程度です。

グランドピアノ

アップライトピアノと比べてより演奏性が高く音の響きも豊かですが、高価で場所を取るグランドピアノ。そのため、アップライトピアノと比べて中古流通台数が圧倒的に少ないことが特徴です。

おおよその相場は国産ピアノで10〜80万円程度です。

電子ピアノ

電子音をスピーカーから鳴らすタイプのものが電子ピアノです。
アップライトピアノのような大型のものから持ち運びできる小型なものまで種類は多岐に渡ります。昨今の住宅事情の変化から需要が高まっており、状態が良く年数があまり経っていないものであれば買取対象になる可能性があります。

おおよその相場は3,000円〜5万円程度です。

ピアノ買取の流れ

ピアノの買取は、中古ピアノ買取専門業者に依頼するのが一般的です。次項で見積もり査定から引取りまでのおおまかな流れをご紹介します。

連絡前の準備

買取査定を依頼するにあたり、以下のような情報が必要になります。事前に確認した上で申し込みましょう。

ピアノの種類アップライトピアノ・グランドピアノ・電子ピアノ
メーカー名ヤマハ・カワイなど
モデル・製造番号ピアノ本体又は保証書などに記載あり
外装の色黒・茶色・ワインレッドなど
ペダルの本数3本又は2本
傷などの有無目立つ大きな傷・小傷数カ所・擦り傷など
設置場所1階or2階以上・戸建orマンション・エレベーターありorなし 

搬出経路の幅など

メーカー・モデル・製造番号の確認方法

・アップライトピアノの場合
メーカー名は鍵盤蓋の内側中央に印字されているケースがほとんどです。一般的に、アルファベットと数字の組み合わさったものが機種名。4桁以上で黒く印字されている数字が製造番号です。
モデルと製造番号は、内部の鉄骨(弦を張っているフレーム)の上部に大きく記されており、ピアノ上部の蓋(天屋根)を開けると確認することができます。
もしくは、内側上部か背面に入っている調律カードに記載されている場合があります。

・グランドピアノの場合
ほとんどの場合、ボディの右側面にメーカー名が印字されています。モデルと製造番号は鉄骨に印字されているため、確認するには上部の屋根を開ける必要があります。
アップライトピアノ同様、ボディや鉄骨で確認が取れない場合は調律カードをチェックしてください。

・電子ピアノの場合
ほとんどの機種には棚板(鍵盤の乗っている板)裏の右側、または側面にメーカー名・モデル名の書かれたステッカーがあります。

業者に見積りの依頼

電話やWebだけで完結するのか、現地見積もりが必要なのかは業者によって違ってきます。出張見積もりが有料の場合もあるため、事前の確認が大切です。

中には、電子ピアノを取り扱っていない業者もあるためご注意ください。

訪問日時を相談

見積もり金額に納得できれば、引き取りに来てもらう日を決めます。
配車の都合上、当日の時間指定ができないケースがほとんどのため、早めにスケジュールをおさえておきましょう。

ピアノの引き取り

実物を確認して問題なければピアノの搬出作業を行います。
傷や内部の状態によっては事前見積もりから査定金額が減額になることもあります。また、伝えていた情報と異なる場合も同様です。

買取代金の受取り

基本的には銀行振込みですが、引取りの際に運送スタッフから現金で支払われるケースもあります。

ピアノを高価で買い取ってもらうには

大切なピアノを売りに出すからにはできるだけ高く買い取ってもらいたいですよね。そこで、ここからはピアノを高価で買い取ってもらうためのポイントをご紹介します。

あらかじめキレイにしておく

やはり見た目は大事です。
埃を払ったり、外装や鍵盤についた手垢や指紋、汚れなどを専用のクリーナーで落とすなど、あらかじめ見た目をきれいにしておくと印象が良くなります。背面にも埃が溜まりやすいので、可能であれば拭っておきましょう。

付属品があれば揃えておく

ピアノ購入時に付属していた保証書や椅子、カバーやインシュレーターなどの付属品があれば、査定までに全て揃えておきましょう。場合によっては査定額が上がる可能性があります。

複数の業者に見積りを依頼する

ピアノ買取を検討する際は、複数の業者に見積もりを依頼するのがとても大切です。相見積もりをすることによるメリットは2つあります。

①買取価格を比較してより高値で買い取ってくれる業者を選ぶことができる
業者によって査定基準や流通ルート、在庫状況などが異なるため、査定金額に大きく差がつく可能性があります。

②買取価格の相場がわかる
複数の業者で見積もれば買取相場がわかります。平均的な価格を把握できていれば、相場より明らかに低い価格で交渉を進めてしまうリスクが回避できます。

ピアノ買取の注意点

ここからは具体的な注意点について解説していきます。

出張費や特殊作業費・キャンセル料を確認しておくこと

業者によっては見積もりのための出張が有料の場合があります。そのことを知らず、当日請求されてトラブルになるケースもあるため、事前に確認が必要です。

設置場所が2階でクレーン車が必要であったり、搬出するために解体作業が必要な場合は特殊作業費が発生するケースもあり、その場合は買取金額が減額になる可能性もあります。

その他、査定後に買取をキャンセルするとキャンセル費用が掛かるケースがあります。引取日が決まった後であれば、トラックの配車費用や人件費などが発生するためです。
キャンセルポリシーも業者によって異なるので、必ず事前に確認しておきましょう。

調律はしなくてOK

調律がされているかどうかは査定金額に影響がない場合がほとんどです。買取後に業者がピアノのメンテナンスを行うため、査定前にわざわざ調律をする必要はありません。
ただし、何年も調律しておらずほとんど弾いていない場合は要注意。部品の故障や、内部に隠れたダメージが潜んでいる可能性があるからです。状態によっては減額になったり、値段がつかない場合もあることを念頭に置いて査定の依頼をしましょう。

買取不可の場合もある

ピアノも車や家などと同じで、年数が経つにつれ価格が下がっていきます。また、保管状況によってもピアノの状態は大きく変わるため、残念ながら買取ができなかったり、ほとんど買取価格がつかない場合もあります。

アップライトピアノ・グランドピアノの場合、一般的に製造から30年が経過すると値段がつきにくくなるケースが増えてきます。
また、重要な部品が欠損していたり、火災や水害などで重大なダメージを負ったピアノは修理も非常に難しいため、一般的に買取はできません。

その他、よくあるケースに虫害や小動物による被害があります。
「何年も弾いていないピアノにねずみや虫が入り込んで巣を作っていた」なんてことも…。部品を大きく欠損させたり木材を痛めてしまうため、この場合も買取不可であることがほとんどです。

買取不可の場合でも、無料で引き取ってもらえたり、運送費用を支払って引き取ってもらうケースがあります
ピアノを処分する場合は通常のごみとして廃棄することができません。専門業者への依頼が必要となり、一般的に3〜5万円程度の処分費用が掛かります
そのため、値段がつかなかった場合でも買取業者に引取りを依頼する方が得になる可能性があるのでよく検討しましょう。

電子ピアノの場合、一般的に製造から5年以上経過すると買取価格が大幅に下がってしまいます。アップライトピアノやグランドピアノと違い、電子部品の寿命があるため短い期間で価値が下がるのです。
業者によっては古い年式の電子ピアノでも、状態が良いものや人気のモデルであれば買い取ってもらえるケースもあります。

ピアノ買取でおすすめの一括査定サービス

前述のとおり、ピアノ買取では複数の業者に見積りを依頼するのがとても大切です。とはいえ1社1社に連絡するのは手間が掛かるし、どこに頼めばいいのかわからない…という方がほとんどではないでしょうか。

そんなときに便利なのが、一括査定サービス。
なぜなら、1社ずつ業者を選ぶ手間が省けるだけでなく、複数業者の見積もりを比較して高価で買い取ってくれる業者を簡単に見つけることができるからです。
さっそく、おすすめの一括査定サービスをご紹介します。

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画像出典:引越し侍のピアノ買取

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まとめ

ピアノ買取で失敗しないためのポイントは大きく分けて2つ。

①複数の業者に見積もりを依頼すること
②信頼できる業者を選ぶこと

大切なピアノの手放し方で後悔しないように、相場やそれぞれの業者の対応の違いについてしっかり確認した上で依頼しましょう。