今の時代、大人も子供も毎日忙しいですよね。そんな中でも「趣味をあきらめたくない!」という人向けに、出張型の習い事が増えてきています。
今回は、筆者自身が出張型ピアノレッスンと店舗型ピアノレッスンの両方を利用したり、子供のための家庭講師を呼んだりした経験をもとに、出張型ピアノレッスンについて解説していきます。
メリット・デメリットや料金相場、選び方のほか、おすすめの教室も紹介しているので、ぜひご一読ください。
案内人
- 山本知恵ピアノ歴30年以上、他にもクラリネット、ヴァイオリンの演奏経歴を持つ音楽と美術を愛するフリーライター。好きな曲はベートーヴェンのピアノソナタ第8番「悲愴」とヘンデルのオラトリオ「メサイア」。
目次
出張型ピアノレッスンを利用するメリット
教室まで通う負担がない
教室まで通う必要がないため、時間に余裕ができたり、浮いた分を練習時間にあてることもできます。
特に地方では近くにピアノ教室がない場合は、電車やバスを乗り継ぐか、車を長時間運転しなければなりません。そのため体力的にも精神的にも負担がかかってしまいます。しかし、出張型であればこの問題をクリアできます。
リラックスして取り組める
住み慣れた環境でリラックスして取り組める分、レッスンに集中しやすくなり、練習効率の向上が望めます。
特に子供の場合、慣れない場所では落ち着いてレッスンを受けるのが難しいケースも少なくありません。グループレッスンだとなおさらで、このようなタイプのお子さんには、出張型が特に効果的といえます。
自分の練習環境に合ったアドバイスを受けやすい
練習環境というのは、場所はもちろんライフスタイルも含めた生活様式全般を指します。「集合住宅に住んでいるから時間帯に制限がある」「家事育児のスキマ時間で練習したい」などですね。
こうした課題に対し、出張型であれば先生は日頃の現場を直接見ることができる分、受講者の現状により即した指導をしやすくなるのです。
出張型ピアノレッスンを利用するデメリット
違うピアノに触る機会がなくなる
自宅だと、電子ピアノやアップライトピアノで練習している方が多いのではないでしょうか。一方、先生の教室には、多くの場合グランドピアノが置かれています。
筆者は小さいころに出張型ピアノレッスンを利用していたのですが、その後に先生の家のグランドピアノで練習するようになってから、自分の弾き方の欠点に気付いたり、新しい表現を見つけたりしたことがありました。違うピアノだからこそ分かることもあるのです。
このような機会を持てないのは出張型レッスンの欠点といえます。本番を想定したトレーニングとして、必要に応じて店舗型の教室も併用するといった対策も検討しましょう。
出張費がかかる
レッスン料のほかに出張費もかかることが多く、店舗型に比べて金銭的な負担は大きくなりがちです。
出張費は一律の場合と距離や地域によって変動する場合があり、後者であれば距離によって出張費が大きくかさむかもしれません。
先生が来る前に準備が必要
筆者が個人的に考える出張型ピアノレッスン最大のデメリットは、先生が来る前の部屋の掃除です。筆者が子供向けの家庭講師を家に呼んでいたときには、通常の5割増しくらいの感覚で家を整えていました。
また、先生が車で来られる場合には駐車場も必要になります。家に停められるスペースがなければ臨時の駐車場を確保したり、有料駐車場を探さなければなりません。
出張型ピアノレッスンは子供向け?大人でも利用可能?
出張型ピアノレッスンは、子供はもちろん大人も幅広く利用できます。実際、仕事で忙しいため通う余裕まではない人や、家庭との両立を目指す人などの間で広まっています。
出張型ピアノレッスンはこんな人におすすめ
- 少しお金をかけてでも、なるべく多くの時間を練習に使いたい人
- 「子供がまだ小さい」「持病がある」といった事情で教室に通うのが難しい人
- 慣れた場所の方が力を発揮しやすい人
出張型ピアノレッスンの料金相場
出張型レッスンの料金体系は、レッスン料+出張料(+入会金)というのが一般的です。
レッスン料はレッスンの内容や時間によって変動し、例えば初級レベルの30分コースだと1回5千~1万円ほどが相場です。
また、前述の通り出張型ピアノレッスンの出張費には「一律」と「距離や地域によって変動」の2パターンがあります。
一律の場合は1回500~1,000円が相場です。一方、距離や地域によって変動の場合、地域ごとに1回あたりの金額が割り振られていたり、1kmごとにいくらと決まっていたりと、先生によって料金体系が異なります。
ただし、出張費がレッスン費にもともと組み込まれていたり、兄弟そろっての利用で出張費が割引になったりするケースもよくあるので、あらかじめよく確認しておきましょう。
加えて、入会金が1万円ほどかかるケースもあるほか、自宅に駐車スペースがなく有料駐車場を利用する場合に、駐車場の料金が別途必要になることもあります。
出張型ピアノレッスンの選び方3ステップ
①インターネットで調べる
まずは、気になるピアノ教室の公式サイトや口コミなどをリサーチします。
【重点的にチェックするポイント】
- どんな経歴の先生が運営しているのか
- どういうコンセプトで教えているのか
- どんなレッスン内容なのか
- 料金体系はどうなっているのか
- 口コミはあるのか
②体験レッスンを受けてみる
条件に合う教室が見つかったら、そこの体験レッスンを受けてみましょう。直接対面することで、ネット上の情報だけでは分からない点、例えば先生の性格やレッスン中の雰囲気などを把握できます。
とりわけ、先生との相性は習い事をする上で最も大切なポイントです。料金よりも重視しましょう。ここが合わないと、どれだけ先生に指導力があってもレッスンが苦痛になりかねません。
「正式に決めるまでは住所などの個人情報を知られたくない」という方は、相談次第で教室を見学させてもらえる場合もあります。
③レッスン内容やシステムが自分にあっているかを考慮して決める
先生と気が合っても、レッスンの内容やシステムが自分に合わない可能性があります。
例えば振替レッスンの有無。特に社会人は、仕事の急用でレッスンを受けられなくなるケースが考えられますが、ここで柔軟な対応をしてもらえると安心できますよね。システム的なことは、全国展開している大手よりも個人で活動している講師の方が融通を利かせてもらえる傾向にあります。
また、発表会の有無も気になるポイントです。日頃の成果を披露できるほか、発表会の場でグランドピアノを弾いたり、いろいろな人の演奏を見たりするのがよい刺激になると思います。
出張型ピアノレッスンのおすすめ教室3選
エルパ
「エルパ」の特徴は、音大出身の先生に教えてもらえることです。大人から子供まで幅広く利用でき、年間40回制とワンレッスン制の2種類から、自分に合った習い方を選べます。もちろん、無料の体験レッスンもあります。
家族で同時に入会すると割引になるシステムもあり、兄弟や親子での利用もおすすめです。対象エリアは東京、神奈川、千葉、埼玉などが中心となっています。
オンピーノ
「オンピーノ」は、3歳から18歳までを対象とした出張型ピアノ教室です。子供の好きや楽しいを引き出すレッスンを目指し、受講者一人ひとりに合わせたオーダーメイドレッスンを行っています。
対象エリアは関東・東海・北陸甲信・近畿・九州と広いのも特徴。もちろん、無料の体験レッスンも用意されています。
ドルチェ
「ドルチェ」は、趣味の人からプロを目指す人まで幅広くサポートする出張型の音楽教室です。東京芸術大学・桐朋学園大学などの学生らが講師を務める「DOLCE(ドルチェ)」と、国立・武蔵野・東京音大などの学生らが講師を務める「DOLCEampio(ドルチェアンピオ)」の2コースが用意されています。
日頃の成果を披露する場として独自の発表会も開催しており、目標を持ってピアノに取り組みやすくなる点は大きな魅力です。もちろん、無料体験も用意されています。
*対応エリアや料金は、申込前に要確認
まとめ
今回は出張型ピアノレッスンについて、筆者の経験を交えながら解説しました。
出張費がかかるといったデメリットはあるものの、教室に通いにくい方や慣れた環境で練習したい方にピッタリといえます。自分のライフスタイルや性格を考慮しながら、利用を検討してみてくださいね。