音大出身のミュージシャンが活躍する音楽ジャンルは、決してクラシック界だけではありません。Jポップ界でもその実力を発揮し、輝きを放っている音大出身のミュージシャンはたくさん存在します!この記事では、音大出身のポップミュージシャン達を紹介します。

①aiko
出身大学:大阪音楽大学短期大学部

aiko 『カブトムシ』

Jポップ界を代表する女性シンガーソングライターの1人、aikoは大阪音楽大学短期大学部のポピュラーボーカル学科の出身です。『カブトムシ』『花火』など、恋する乙女心を表現力豊かに歌い上げるスタイルで不動の人気を築いていますね。aikoが手がける楽曲は、つい口ずさみたくなるようなオリジナルのセンスが光るメロディが魅力的です。ブルーノートスケールを多用した独特のコード進行を、aikoオリジナルのポップスに仕立て上げてしまう手腕はさすがの一言!また即興力も高く、ライブツアーで客席からキーワードをいくつか募り、それらを全て曲の中に当てはめるというルールで即興ソングを披露することも。

②広瀬香美
出身大学:国立音楽大学音楽学部

広瀬香美 『ロマンスの神様』

『ロマンスの神様』『ゲレンデがとけるほど恋したい』などの名曲で冬の女王と称されるシンガーソングライター、広瀬香美は国立音楽大学音楽学部作曲学科の出身です。3歳からクラシック音楽の英才教育を受け、作曲力を磨き上げてきた広瀬香美。音大生時代から、マイケル・ジャクソンやホイットニー・ヒューストンのボイストレーナーとして知られるセス・リッグスから歌唱指導を受けてきた本格派のシンガーで、代名詞のハイトーンボイスがきらめく楽曲で一世を風靡しました。また、作曲家として他のアーティストの楽曲を手がけることも多々あり、今まで郷ひろみや島谷ひとみ、ももいろクローバーZに楽曲を提供してきました。指導者としても活動しており、ボイストレーナーを務めている他、現在は福岡女学院大学で客員教授を務めています。

③吉岡聖恵(いきものがかり)
出身大学:昭和音楽大学短期大学部音楽科

いきものがかり 『ありがとう』

『ありがとう』や『風が吹いている』など、聴き心地の良い王道ポップスで大人気のバンド、いきものがかりのボーカルを務める吉岡聖恵は昭和音楽大学短期大学部音楽科ミュージカルコースの出身です。歌詞を聴き手にダイレクトに届けようとする真っ直ぐな歌い方が魅力的なシンガーです。また、ライヴなどでも音程が安定しており、歌唱の基礎がしっかりとしていることがわかります。2017年の1月からいきものがかりとしての活動を休止していた頃は、ソロとして中島みゆきや大瀧詠一の名曲のカバーアルバムを発売。心躍るコラボレーションで話題を集めました。その後、いきものがかりとしては2018年の11月から活動を再開し、ファンを喜ばせてくれました。

④平原綾香
出身大学:洗足学園音楽大学

平原綾香 『Jupiter』

デビュー曲『Jupiter』で一躍人気となったシンガーソングライター兼サックス奏者の平原綾香は、洗足学園音楽大学のジャズコースのサックス専攻出身です。父親がマルチリード奏者の平原まこと、実姉がシンガーソングライター兼サックス奏者の平原愛花の音楽一家で育ち、今でもコンサートで家族共演を果たしています。持ち前の音域の広さと年々進化する歌唱力で、最近では『ビューティフル』や『メリー・ポピンズ』といった話題のミュージカル作品で主演を果たしています。また、ラグビーワールドカップ2019日本大会の開幕戦では、日本国歌『君が代』を独唱。力強い歌声と安定を極めた音程、圧巻の歌唱で世間から絶賛を浴びました。

⑤常田大希(King Gnu)
出身大学:東京藝術大学音楽学部

Millennium Parade 『lost and found』

ハイセンスなミクスチャーバンド、King Gnuのメンバー兼プロデューサーの常田大希は東京藝術大学音楽学部器楽科チェロ専攻出身です。1年も経たないうちに東京藝術大学を中退していますが、小澤征爾主宰の小澤国際室内楽アカデミーに所属していた経験もある本格派です。第20回日本クラシック音楽コンクールのチェロ部門(高校の部)では第3位を受賞しています。King Gnuではチェロの他に、ギター、ボーカル、キーボード、トラックメイキングを担当しており、マルチな才能を発揮しています。また、King Gnu以外でも自身のソロプロジェクトDaiki Tsuneta Millennium Paradeを設立し、クリエイティブチームPERIMETRONの主催も務めるなど、音楽だけに留まることなくクリエイティブ全般でその才覚を活かしています。

⑥井口理 (King Gnu)
出身大学:東京藝術大学音楽学部

King Gnu『白日』

King Gnuでボーカルとキーボードを担当する井口理は東京藝術大学音楽学部声楽科出身です。テノールを専攻していただけあり、高音が美しく軽やかな歌声が特徴的です。King Gnuの常田大希とは小学校時代からの幼馴染だそう。
中学校時代には合唱部に所属し、NHK全国学校音楽コンクールの全国大会に出場を果たしています。そのコンクールでは井口理が合唱で出場し、常田大希はマリンバ担当で出場していました。ちなみに声楽家の井口達は実兄に当たります。SNSでのオモシロ投稿や個性的なキャラクターに注目が集まりがちですが、透明感のある美声と確かな歌唱力は一聴の価値があります!

⑦Fümi(NormCore)
出身大学:東京音楽大学

NormCore『それでも僕は生きている』

『名探偵コナン』や『EVIL OR LIVE』などの人気アニメのテーマ曲を担当し、話題沸騰中のシンフォニックロックユニット、NormCore。NormCoreでボーカル兼リーダーを務めるFümiは、東京音楽大学声楽科の出身です。意外にも(?)教員免許まで所得している堅実派。重厚感のある地声の低音からファルセットを使った超高音まで、高低自在の幅広い音域が魅力のボーカリストです。NormCoreでは主に作詞作曲を手がける他MVの監督を務めるなど、プロデュース方面でも才覚を発揮しています。ソロとしてはUMI☆KUUNとして活動しており、YouTuberや声優としても活躍しています。

⑧Tatsu(NormCore)
出身大学:東京音楽大学

NormCore『カウントダウン』

NormCoreでヴァイオリンを務めるTatsuは、東京音楽大学ヴァイオリン専攻出身です。
NormCoreではロックサウンドに挑戦していますが、クラシックジャンルでも華々しい経歴を誇るTatsu。数々のコンクールで受賞歴があります。主な例として、全日本ジュニアクラシック音楽コンクール第3位、全日本芸術コンクール最高位、ブルクハルト国際音楽コンクール審査員賞など、輝かしい受賞歴を持つ実力派のヴァイオリニストです。NormCoreでの活動の他、著名アーティストのライブや歌番組、CM出演でヴァイオリン演奏を担当しています。共演歴のあるアーティストはサザンオールスターズや椎名林檎、YOSHIKI、菅田将暉など、錚々たる顔ぶれが並びます!

⑧Natsu(NormCore)
出身大学:東京音楽大学大学院

NormCore『それでも僕は生きている』

NormCoreでクラシックギターを務めるNatsuは、東京音楽大学クラシックギター科を卒業後同大学院に進学し、2017年に大学院を修了した経歴を持ちます。着実に大学院まで進学し、演奏技術を磨いてきたNatsu。Tatsu同様多くのコンクールで受賞経験があります。主な例としては、ギターコンペティション全国大会第2位、GLC学生ギターコンクール第4位、オールジャパンギターコンクール第3位など。公益社団法人日本ギター連盟の正会員でもあり、今後のクラシックギター界を担っていく新星と言えるでしょう。

まとめ

Jポップ界で活躍する音大出身のミュージシャン達を紹介しました。
皆さん演奏スキルや作曲スキルに秀でているだけでなく、オリジナルのセンスがキラリと光るミュージシャンばかりです。聴くのはクラシック専門でJポップは聴かない!なんて勿体無い食わず嫌いはせず、この機会に是非とも一度聴いてみてくださいね。

画像出典:YouTube/https://youtu.be/04ZF4TyMdjo
https://youtu.be/uXHNoj-uBTU
https://youtu.be/_gxGkSkuQIM
https://youtu.be/uSnGxtnSDjc