2020年5月1日(金)~4日(月・祝)まで、東京国際フォーラムを中心に開催を予定しておりました「ラ・フォル・ジュルネTOKYO 2020」(LFJ)は、このたびの新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響を受け、やむなく開催を中止することといたしました。
1995年、フランスの港町ナントで初めて開催されたクラシック音楽祭「ラ・フォル・ジュルネ」。“ハチャメチャな日”を意味するネーミング通り、毎年音楽を通して数々の熱狂を生み出してきました。
2005年からは東京・丸の内でも開催されるようになり、街全体でお祭り感覚を楽しめるユニークな音楽イベントとして、例年大好評を博しています。
そしてつい先日、「ラ・フォル・ジュルネTOKYO 2020」の詳細について、創設者兼アーティスティック・ディレクターであるルネ・マルタンより公式発表がありました。この記事では、「ラ・フォル・ジュルネTOKYO 2020」における注目のコンサートをピックアップしました!
©LFJ TOKYO
Photo : Marc ROGER Mention obligatoire
目次
「ラ・フォル・ジュルネTOKYO 2020」の開催場所・開催期間・タイムテーブルについて
先ず、この項目では「ラ・フォル・ジュルネTOKYO 2020」の気になる開催場所・開催期間・タイムテーブルについてご紹介します。
開催場所:東京国際フォーラム、大手町・丸の内・有楽町、京橋、銀座、日本橋、日比谷
https://www.lfj.jp/lfj_2020/access/
開催期間:
前夜祭…5月1日(金)
[参照タイムテーブル]
1日目…5月2日(土)
[参照タイムテーブル]
2日目…5月3日(日・祝)
[参照タイムテーブル]
3日目…5月4日(月・祝)
[参照タイムテーブル]
※計約325公演予定(有料126公演、無料約200公演)
※有料公演のチケット料金は各タイムテーブルに記載有
「ラ・フォル・ジュルネTOKYO 2020」のテーマは?
今年のラ・フォル・ジュルネTOKYOのテーマは「Beethoven―ベートーヴェン」!!
ラ・フォル・ジュルネTOKYOでベートーヴェンをテーマとして取り上げるのは、初年度の2005年以来2度目です。ベートーヴェン生誕250周年である2020年は、記念すべき大いなる節目として、ベートーヴェンの真髄に様々な角度から迫るプログラムが盛りだくさん!
(c)teamMiura
ベートーヴェンの名曲をたっぷりと堪能出来るのはもちろんのこと、ラ・フォル・ジュルネならではの斬新な観点からベートーヴェンの新しい魅力に迫る、ユニークなプログラムを楽しめます。
また、今年の1月末から2月頭にかけてフランス・ナントで先駆けて開催した「ラ・フォル・ジュルネ・ド・ナント 2020 ベートーヴェン」は、史上最高の大盛況で幕を閉じたそう!フランスでもベートーヴェン人気はとても根強いということが伝わりますね。
世界中の音楽ファンから愛される偉大なる音楽家、ベートーヴェンの名曲で織り成される「ラ・フォル・ジュルネTOKYO 2020」のコンサートについて、次の項目より早速ご紹介していきます!
ピアノ ・ソナタ全32曲を演奏!若き才能がきらめく新進ピアニストたちによる調べ
「ラ・フォル・ジュルネTOKYO 2020」では、ベートーヴェンのピアノ・ソナタを<11人の若手実力派ピアニストたちによるベートーヴェン・ピアノソナタ・ツィクルス>シリーズとして、3日間に渡って全32曲を演奏します。
演奏するのは、オリンピックイヤーに因んで5大陸から選出された才能ある若手ピアニストたち!
モロッコ出身のヌール・アヤディ、キューバ出身のホルヘ・ゴンサレス・ブアハサン、フランス出身のダヴィッド・サルモン、ジャン=バティスト・ドゥルセ、日本からはサイキ・マリナ、オカダ・コウジロウなど、世界中の若手ピアニストが出演します。
(c)teamMiura
また、2019年チャイコフスキー国際コンクールで第2位を受賞した大注目の若手ピアニスト、藤田真央もラ・フォル・ジュルネに初参戦!実力派ロシア人ヴァイオリニスト、ニキータ・ボリソグレブスキーとロシアを代表するチェリスト、アレクサンドル・クニャーゼフと組む豪華トリプル・コンチェルト、<華やかなる名手たちの競演>は聴きごたえたっぷりな公演になること間違いなしです。
また、藤田真央はピアノ・ソロコンサートにも出演予定です。今をときめく若きピアニストたちの調べを聴き比べてみても面白いはず。
ベートーヴェンVSシュタイベルト、即興演奏対決再び?!
ピアニスト兼作曲家のシュタイベルトがベートーヴェンに即興演奏の腕比べを果敢に仕掛けるも、シュタイベルトの楽譜を逆さまにしてベートーヴェンが見事な即興をやり遂げ勝利した逸話は、ファンの中では有名ですよね。
この有名なエピソードに因んで、「ラ・フォル・ジュルネTOKYO 2020」では<ベートーヴェン風即興サロン>を上演予定です!
フランスの気鋭ピアニスト、パスカル・アモワイエルと熟練ピアニスト兼作曲家の野平一郎がベートーヴェンVSシュタイベルトを再現します。
ラ・フォル・ジュルネらしいユニークな切り口を感じさせる企画ですよね。また、ベートーヴェンへの造詣が非常に深いパスカル・アモワイエルによる、ピアノ・ソナタ全曲のメロディーを取り上げながらのベートーヴェンの音楽性、そして生涯を弾き語る芝居仕立ての音楽スペクタクル公演も、感動必至の密度の濃い内容となっているようです。
ピアノを演奏しながら、ストリーテラーとして楽聖ベートーヴェンについて掘り下げて語っていく斬新な公演で、ベートーヴェンファンなら必見です。
ルンバ風、ハバナのベートーヴェンに運命×マンボ?ラテンアレンジのベートーヴェンが新鮮で楽しい!
クラシック&ラテン音楽のフュージョン・ピアノと銘打った、ヨアキム・ホースレイ カルテットによる、斬新なベートーヴェンコンサート<ハバナのベートーヴェン>。
鍵盤を弾きながらも、手やスティックを用いて打楽器を奏でるようにピアノを操り、ルンバ風にアレンジした交響曲第7番は今まで聴いたことも見たこともない、新鮮なステージになること間違いなしです!
Concerto Budapest(c)Zeneakad-mia
キューバのリズムに合わせて踊り出したくなるような、独創的な交響曲第7番を味わえます。
また、<シエナのエクストリーム・ベートーヴェン!>では、作曲家の宮川彬良がベートーヴェンの交響曲第5番「運命」に、ペレス・プラードの「マンボNo.5」を組み合わせてアレンジした「シンフォニック・マンボNo.5」を、シエナ・ウインド・オーケストラのパワフルなサウンドで楽しめます。
運命×マンボの斬新すぎる組み合わせがつい癖になる、思わず笑顔が溢れてしまうような心弾むアレンジとなっています。
思い切りの良いラテンアレンジは、聴いていてもついつい踊り出しそうになってしまいそうな軽快さが魅力的ですよね。重厚な楽曲が多いベートーヴェンですが、ラテンアレンジを楽しめるコンサートでは愉快に会場全体で楽しめることでしょう!
©LFJ TOKYO
ラ・フォル・ジュルネの“第九”は一味違う! 多様な楽しみ方で“第九”を堪能できる
ベートーヴェンを語る上で外せないのが交響曲第9番、所謂“第九”ですよね。「ラ・フォル・ジュルネTOKYO 2020」では、通常の第九演奏だけでなく、名音楽家たちが編曲を手がけた異色の第九を堪能できます!
最終日のコンサート、<3つの「第九」、歓喜の歌>では、第九の最終楽章をリスト・バージョン、ワーグナー・バージョン、カルクブレンナー・バージョンと3者それぞれの編曲版を一挙に聴き比べる形式で上演する予定です。
カルクブレンナー・バージョンのフィナーレ・歓喜の歌はフランス語で綴られており、聴き慣れていたはずの歓喜の歌がガラリと変わるはず。
他にも、オーケストラ演奏をピアノ独奏にアレンジしていたりと、斬新な第九を味わうことができます。
また、<ファイナルコンサート“みんなで第九”>では、ラ・フォル・ジュルネ史上最大規模の聴衆参加型プログラムとなる、大合唱コンサートが予定されています。
2014年のラ・フォル・ジュルネ前夜祭で上演し、大盛況だった「みんなで第九」。
「ラ・フォル・ジュルネTOKYO 2020」では、会場を収容規模の大きいホールAに移し、客席総勢5000人で歓喜の歌を歌おう!というビッグプロジェクトに昇華されました。“ハチャメチャな日”の締め括りにふさわしい、感動的なコンサートになりそうですね!
まとめ
「ラ・フォル・ジュルネTOKYO 2020」における注目の公演についてご紹介しました。
(c)teamMiura
テーマをベートーヴェンと1つに括っていても、ラ・フォル・ジュルネらしく新しい切り口が光るバラエティに富んだプログラムばかりで、ベートーヴェンと縁がない方でも楽しめることでしょう。
メイン会場となる東京国際フォーラムでのコンサートに加え、多数のエリアコンサートも実施される「ラ・フォル・ジュルネTOKYO 2020」。
今年はベートーヴェン生誕250周年、そして東京オリンピック開催とビッグイベントが重なり、例年にも増して街全体が活気に満ち、盛り上がること間違いありません!
「ラ・フォル・ジュルネTOKYO 2020」で想い出に残る熱狂体験を味わってみてはいかがでしょうか。