新型コロナウイルスの感染拡大の観点から、4月7日に行政より緊急事態宣言が出されました。これにより、音楽教室や個人レッスンも休業を余儀なくされたところが多いでしょう。
こうした中、オンラインレッスンの需要が高まってきています。今回は、オンラインレッスンの方法から、あると便利なアイテムまで、今役立つ情報をお伝えします!
目次
需要高まるオンラインレッスン!そのメリット、デメリットとは?
新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、「3つの密」を避けよう!という動きが広まっています。
通常、レッスンは3密にあてはまってしまいます。
今は対面でのレッスンを行うことは難しく、多くの音楽教室が休業を強いられています。このままの状態が続くことで、次のようなことにつながってしまうかも知れません。
生徒の習熟度が下がってしまう
生徒の音楽への関心が薄れ、退会につながる
新規の生徒を募集することができない
レッスンができないということは、生徒が指導を受けられないということです。
その間に自己流で練習してしまうと、よくないクセがついたりすることも考えられます。
また、毎週、先生と会うことで保てていたモチベーションが下がり、最悪の場合、退会につながってしまう可能性もあるでしょう。
さらに、新規の生徒が募集できないので、教室によっては経営が苦しくなることが予想されます。
オンラインレッスンには、次のようなメリットがあります。
自宅にいながらレッスンを受けることができる
移動時間を取られない
録画すれば何回も復習することができる
対してデメリットはというと・・・、
手や体のフォームを、先生が実際に触って修正することができない
端末を通しての音となるため、音色やアーティキュレーションの指導を充分に行うことができない
ネット環境によってはタイムラグが生じるため、一緒に弾くことができない場合がある
オンラインレッスンでは、スマートフォンやパソコンを通して行うため、音色や音の抜け方などは、乏しくなってしまいます。
そのため、テクニックというよりは表現を指導しなければならない生徒には向いていないと言えます。
しかし、譜読み~テクニックの完成までの範囲であれば、十分有効なレッスンを提供できるはずです。
何より、新型コロナウイルス感染拡大を防止しながら、レッスンを続けられるということは、今の状況において、最大のメリットと言えるでしょう。
オンラインレッスンを実際にやってみた!
先生側のセッティング
まず、レッスンを配信する情報端末を用意します。タブレットやパソコン、お手持ちのスマートフォンでもOKです。
スマートフォンを使う場合は三脚が便利でしょう。これは自撮り棒に三脚が付いたものです。
ピアノの場合は、鍵盤より高い位置にカメラが来るようにセッティングしましょう。ピアノの少し後ろから映すと、鍵盤や手も映すことができます。
それ以外の楽器は、全身が映るようにセッティングしましょう。
生徒さん側からはこのように見えます。
生徒さん側のセッティング
生徒さん側にも、スマートフォン、タブレット、パソコンなどを用意してもらいます。
ピアノ以外の楽器であれば、正面に立ってもらえばレッスンがしやすいでしょう。
ピアノの場合は少し工夫が必要です。
❶ 生徒さんの後ろ側から椅子や台に置く→生徒さんの弾き姿が見られる
❷ ピアノの譜面台に置く→生徒さんがこちらの映像を見やすい
「家の中の様子を映したくない」という生徒さん側の事情がある場合も配慮し、プライバシーにも注意しましょう。
実際のレッスンの進め方
❶ 日時と使用するテレビ通話を決めておく
❷ 生徒さんの楽譜をこちらも用意する、もしくは写真に撮って送ってもらう
❸ 時間になったら、こちらからコールする
❹ レッスンをする
❺ レッスン終了後、楽譜の書き込みを生徒さんに送る
やってみた感想
思っていたよりもスムーズにレッスンすることができました。途中、音声が途切れていしまったり、コールしなおす場面もありましたが、オンラインレッスンでも十分に指導することができると感じました。
久しぶりに生徒さんの顔を見られたことがとても嬉しく、いい時間となりました。
電波の問題
筆者の環境では、午前中に行ったレッスンではスムーズにやり取りできていましたが、午後は少しつながりにくい場面もありました。
つながらなかった場合や、途切れ途切れになってしまった場合のレッスンをどうするのかはあらかじめ決めておく必要があります。
時間通りつながるとも限らないので、レッスンの前後にはある程度余裕を持ったほうがいいでしょう。
タイムラグ
タイムラグはやはり感じました。例えば、生徒さんの演奏の拍が早くなった時など、対面のレッスンなら一緒に拍を数えて直すことができます。
しかし、オンラインレッスンでは一緒に拍を数えてもタイムラグが生じてズレてしまいます。
演奏の途中で声をかけてもタイミングがズレてしまいますので、細かいフレーズに分けて指導するなど、工夫が必要です。
オンラインレッスンのおすすめアプリ
テレビ電話が使えれば、簡単にオンラインレッスンを行うことができます。
実際のレッスンでは、どのアプリケーションが使われているのでしょうか。その特徴や違いも一緒に見ていきましょう。
ZOOM
ZOOMとは、ビデオ・WEB会議用アプリケーションです。最大の特徴は、1000人まで同時参加することが可能なこと。最近では、ZOOMを使った飲み会など、様々な用途で活用されています。レッスン受講側はIDの発行が必要ないところも、便利です。
音質 | 画質 | 複数人での通話 | ログインの必要 | 画面共有 |
かなり良い | かなり良い | 可能(40分まで無料) | 配信側のみ必要 | 可能 |
Skype
Skypeは、世界中で長年使われいる無料の音声通話、ビデオ通話のアプリケーションです。歴史のあるアプリケーションなので、認知度は抜群。すでにIDを持っている人も多いので、オンライン・レッスンに取り入れやすいのではないでしょうか。
音質 | 画質 | 複数人での通話 | ログインの必要 | 画面共有 |
良い | 良い | 可能 | 必要 | 可能 |
LINE電話
通常のやり取りはLINEで行っている人がほとんどではないでしょうか。LINEでも、ビデオ通話機能を使って、オンライン・レッスンを行うことができます。ZOOMやSkypeと違って、ログインする必要がないので、どうしても「複雑なアプリが苦手…」という方におすすめです。
音質 | 画質 | 複数人での通話 | ログインの必要 | 画面共有 |
あまり良くない | あまり良くない | 可能 | なし | PC版のみ可能 |
オンラインレッスンお役立ちアイテム
スマートフォンがあればオンラインレッスンをすることは可能ですが、新型コロナウイルスの影響で、対面のレッスンができない期間が長期化する恐れもあります。
よりよいシステムがあればさらに高品質なオンラインレッスンを提供できるようになります。ここからはそんなお役立ちグッズをご紹介します。
スマホの場合にあると便利なもの① マイク
iPhone等のスマホのみでも可能ですが、どうしても音割れしてしまう等の状況が発生します。別途マイクを接続することで、相手によりクリアな音質で教えることが出来ます。
最初にご紹介するのはiphoneに接続することが出来る高品質マイクです。
マイクの角度を変えたり、レベルを調整することが出来るのでとても便利。
また、オンラインレッスン以外にも、ちょっとした録音の際、このマイクとスマホがあれば高音質に録音することが出来ます。
一つ持っておいて損は無い商品ですね。
スマホの場合にあると便利なもの② 三脚
スマートフォンやタブレットに使える三脚があれば、オンラインレッスンの撮影は各段にスムーズになります。
安価なものから高価なものまで種類は様々。耐荷重に気を付けて選びましょう。
スマホの場合にあると便利なもの③ ヘッドフォン
スマホをスピーカーモードにすると、相手の音がよく聞き取れない場合があります。イヤフォンでもいいですが、ヘッドフォンのほうがぐっと音質は良くなります。
BlueToothのワイヤレスヘッドフォンであれば、ケーブルも邪魔にならないのでおすすめです。
PCの場合にあると便利なもの① ウェブカメラ
ノートPCの場合はすでについているものが多いと思いますが、別途購入することをおすすめします。
もともとついているカメラよりも広角になり、音声もクリアになる傾向があります。
また、ノートPCとは独立して、ウェブカメラのみを好きな位置に設置することも出来るので、一つあると便利ですよ。
PCの場合にあると便利なもの② ハンディビデオレコーダー(兼ウェブカメラ)
続いて紹介する商品はウェブカメラとしての利用も出来る、ハンディビデオレコーダーです。
映像は4K画質、マイクもハイレゾ録音が出来るので、通常のウェブカメラと比べ物にならないほど高音質の収録が出来ます。音質を重視したビデオカメラといったところでしょうか。
もちろん、単体でも利用出来るので、これ一つあれば、スタジオやリハーサル、本番の収録も気軽に出来ます。
PCの場合にあると便利なもの③ ヘッドフォン
スマホと同じように、PCのスピーカーでは相手の細かい音がよく聞き取れない場合があります。お使いのPCがBlueToothに対応しているかわからない場合、素直に優先のヘッドフォンにしておきましょう。
これがあるだけで、だいぶやりやすくなりますよ。
まとめ:リモート・テレワーク活動を行いましょう!
新型コロナウイルスにより、クラシック業界は急速な変化を強いられています。
音楽教室もまた、こういった変化についていかなければなりません。
何より、今まで頑張ってレッスンに通ってきた生徒さんたちの「楽器を弾く力」を少しでも衰えさせないように、私たちが試行錯誤し、行動する時なのではないでしょうか。
いつかまた対面でレッスンすることができる日まで、リモート・テレワークでのレッスンの可能性を広げていきましょう!