ピアノのオンラインレッスンって実際どうなの?初心者にもおすすめなの?気になる音質や画質などの問題点について、実際に受講した生徒さんたちに緊急アンケートを実施しました。改善点など貴重な意見も多数あるので先生たちも必見です。

ピアノレッスンをオンラインに移行しても大丈夫?

いまだ収束の目途が立たない新型コロナの影響により、ピアノ教室に通わずに受講できるオンラインレッスンに移行する人が急増しています。
そこで気になるのが音質や画質などリモートならではの問題点。移動時間や直接接触がなくなることにメリットを感じる一方で、対面レッスンとの違いに戸惑う人も少なくありません。とくに初心者の方は不安に感じる部分が多いでしょう。

そこで今回は実際にピアノのオンラインレッスンを受講した生徒さんたちにアンケートを実施し、「オンラインレッスンはおすすめできるのかどうか」本音をチェックしてみました。オンライン移行を検討している人や現役講師の方もぜひ参考にしてみてくださいね。

チェック①【音質】

やはり一番気になるのが音質ですよね。機械を通しての音でどこまでストレスなくレッスンを受けることができるのでしょうか。ピアノのオンラインレッスン受講者にアンケートを実施してみました。

音質に関しては「少し悪い」という意見が全体の40%でした。生の音に比べるとやはり聴き劣りしてしまうので致し方ない結果とも言えます。
一方で「まあまあ良い」という意見も全体の30%程となっています。オンラインレッスンの音質は悪いものであると一概には言えないのではないでしょうか。では実際にどのように音が聞こえるのか、ピアノのオンラインレッスンを受講した生徒さんの本音をみていきましょう。

電波の性質上なのか、ピアノの音を拾いきれないのか、音が途切れることがあります。
20代 女性
一般的にオンラインレッスンで使用されている機材では強弱を感じ取るのが精一杯で、細かいニュアンスまで聞き取るのが困難だと思う。
40代 女性
やはり、ネット環境がしっかりしていないというのもあるが、ピアノは生音が1番で、たまにノイズも入って上手く聞こえない時があるから。
10代 女性
CDと一緒にピアノを弾いたりしたら、CDもしくはピアノ、どちらかの音しか聞こえなかったりする。あとは、喋りながらピアノを弾いて伝えるということをすると、音が、両方伝わるのは難しい。生で聞くと比べるとやはり、劣る
30代 女性
機械を通して聴こえてくる音なので、リアルで聴く音と同じ!という訳にはいきませんが、はっきりと強弱などや緩急など表現が分かるレッスンを受講できています。
20代 女性
時々音量が大きくなるときに音割れすることがあります。ffやfzの時に特にそう感じます。また、強弱がスピーカーを通すとわかりづらいです。
30代 女性
私はほぼ素人の状態でピアノは始めましたがあまり気にしてませんでしたがある程度慣れてくるとタイムラグに違和感を感じたりカメラ越しで聴く音に違和感を感じるのかなと思います。
30代 女性
自宅の電波の会社も良かったので、特に負傷はありませんでした。また先生がオンラインでも聞き取りやすいようにあえてグランドピアノではなく電子ピアノを使って響かないようにしてくれていたのも配慮でした。
20代 女性
やはり実際よりはやや落ちますが特に支障など大きな問題なく滞ったりもせずレッスンが出来ていると思います。
20代 女性

厳しい意見も多いですが、自宅にいながらレッスンを受けられることのメリットは大きいので、音質に関しては多少の妥協は必要なのかもしれません。ただ、オンラインレッスンの環境整備や機材の導入などで改善できる可能性もあります。下記記事もぜひ参考にしてみてください。

チェック②【画質】

ピアノのレッスンでは音を聞くだけではなく、先生の手の動きを観察することも大事な勉強方法です。オンラインではこの問題をクリアできているのでしょうか?さっそくアンケート結果を見ていきましょう。

「まあまあ良い」が全体の30%以上であり、なおかつ「かなり良い」という意見まで出ています。これは、先ほどの音質に比べるとかなり優秀な結果と言えるでしょう。どういった部分が評価されたのか、受講者のリアルな声をご紹介します。

指の動きが見える程度にはクリアなので、いいかなと思っています。
30代 女性
手元が拡大するようにカメラを固定しているので、画質においてはそれほど苦労していないです。ピアノで実際に弾いた際の曲のイメージや、運指の持って行き方も先生との相互のやり取りにおいて画質はさほど問題はないです。
30代 女性
これも通信状況にもよるが、画像が固まってしまう時がある。そうなってしまうと集中が途切れてしまうのがストレス。
50代 男性
ときどきボヤけたり、映像が不自然にスローになったりすることもありましたが、ほとんどそのようなトラブルはないです。
20代 女性
カメラがフリーズすることもありましたがオンラインレッスンの醍醐味かなと思っております。実施される講師の方はできれば回線速度だけは意識して頂ければと思います。
20代 男性
通う方のレッスンに比べて、視覚から得られる情報は少ないのですが、姿勢や手などを見るだけなら問題なかった。
30代 女性
通信環境によると思いますが、通常の光回線であれば問題ないです。画質そのものではないのですが、一画面だと手元しか映らず、顔や譜面も映せるといいと思います。
40代 女性
画質はいいと思います。しっかりと横の角度からでもピアノの向こう側の端が見えるくらいなので画質は大丈夫です。
20代 女性
画質自体は今の技術では素晴らしいとおもいますが、その時の光の加減、部屋の明るさ、灯りの方向で、暗さが大分違います。着ている服でも、変わります。
40代 女性

通信環境によって画質が乱れることもあるようですが、レッスンをするうえではそこまで支障はないようです。少しホッとしました。また、カメラの台数や設置位置などを工夫することでより改善が見込めそうです。有意義なオンラインレッスンを実現するためには、レッスンを提供する側も、受ける側も協力することが大事なんですね。

チェック③【上達】

音質、画質の問題についておおよその心構えができたところで本題に入ります。ズバリ『オンラインレッスンでピアノの演奏が上達するのか?』という問題です。
ピアノレッスンを受ける理由はもちろん自身が「上達」するためですよね。遠隔でのレッスンでどの程度、満足感を得られるのか受講者アンケートの結果を見てみましょう。

ある程度覚悟はしていましたが、オンラインレッスンより直接対面で指導してもらうほうが上達すると感じる意見が全体の約70%という結果になりました。やはりピアノ教室などに通って直接指導を受けたほうが上達を実感するようです。
しかし、アンケート内容を見てみるとオンラインレッスンを受けるタイミングや心構えによって感想が違っています。詳しく見ていきましょう。

最初は何も譜面すらも読めなかったところが、毎回課題を出してくれたところで発表会もあったので頑張ろうと言うモチベーションが上がりました。
20代 女性
アフターフォローのための動画を先生が、送ってくださっているため、それを何度も見て勉強しているから、上達していると感じています。
20代 女性
概ねきちんとレッスンできるが、オンラインだと自宅なので子供の気持ちがレッスンに切り替わりにくいことがある。集中が途切れることがある。
30代 女性
通いのレッスンでもオンラインレッスンでも、自分が練習に使える時間は限られているので、上達の具合いには違いがないと思う。
40代 女性
メリットもデメリットがある。音楽的なことはオンラインで学べて楽ですが、ピアノの奏法や音色に関して繊細なことは学べない。
20代 女性
当然の事ながら通った方が上達速いと思いますがオンラインでもそれなりにできる環境なのでいいかと思います。
50代 男性
やはり直接先生から指導を受けた方が上達します。オンラインでは、タイムラグがあり「そこ」と言われた時にはもう次に進んでいるみたいなことがあるからです。
30代 男性
習いに行く!という行動に伴って脳が動く気がします。家でのレッスンは、リラックス出来て良いのですが、学ぶための緊張感が少し足りない気がします。また、レッスンではグランドピアノを弾けるので、その方が良いです。
30代 女性
やはり通って実際に近くで指導を受けた方が上達すると思うがこの状況の中なのでそこは仕方がないと思っている。
30代 女性

直接指導を受けた方が細かな点もすぐに確認できて、先生との意思疎通も図りやすいという声が多いですね。また、初めてピアノを習う初心者の場合はとくに意思の疎通というのは重要なポイントになるでしょう。

その一方で「オンラインなのだから」と、ある程度覚悟したうえで、自身がどう対処するのかという点に注力している方もいらっしゃいます。
オンラインにはオンラインのメリットがあり、そこにいかにフォーカスできるかがピアノのオンラインレッスンを楽しむ重要なカギとなりそうです。

オンラインレッスンに移行してみた感想

ここまでの情報を見ても、まだオンラインレッスンへの移行を悩んでいる人が多いのではないでしょうか。そこで、実際にオンラインレッスンに移行してみた諸先輩方の本音をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

意外とオンラインでもいけるなと思いました。先生も、鍵盤の上から手の動きを見ることができて良いみたいです。
30代 女性
メリットと、デメリットが両方あり、デメリットは、画面上だとわかりにくいことが多い。音が途切れる。メリットは、通いよりも、先生が丁寧に言葉で教えてくれている。
20代 女性
オンラインレッスンだと相手のネット回線によっては少し遅れがある様で意思疎通が対面に比べて少し難しい様に感じました。また、初心者はできる限り対面の方が伸びる様で講師の方からも通いを打診されました。
20代 男性
コロナが心配でオンラインレッスンを受けてみました。実際は会話のやりとりにどうしても時間がかかってしまうのが残念ですが、マスクをせずにレッスンを受けれるのは嬉しいです。ただリアルタイムでレッスンを受けるほうが音のやり取りや会話、あと音の質など全然違います。
50代 女性
移動の時間と手間が省けるのはたいへん助かるのですが、レッスン内容自体はやはり通った方が先生の手の動きを直に見られるし、悪い箇所の指摘も理解しやすいです。
30代 女性
私が習いたいと思っていることはピアノの音色に関する内容なので、オンラインで習うのは困難だと感じました。
40代 女性
譜読み程度だったらオンラインでも良いとは思う。けれどもうちょっと突っ込んだ内容になると、少々無理があるような気がする。
50代 男性
コロナ禍ということもあり他の生徒さんとの接触も避けられるし自宅で安心してレッスンを受けることが出来ているのでとても良かったです。
30代 女性
いつでもできるのが大変便利で先生とコミュニケーションも取りやすい感じがしますし意見も言いやすいことが助かる。
30代 男性
交通にかかる手間が無くなったことは大きなメリットです。完全オンラインは困りますが、毎回対面である必要もないレッスン内容のこともあるのでそういった時は賛成です。
20代 女性
送迎の必要がないので便利。予定さえ合えばフレキシブルに時間変更ができる。コロナ禍でも気にせずにレッスンを行うことができる。練習と同じピアノを使用するのもよい。
30代 女性

「初心者はできる限り対面の方が上達が早い」とのコメントがありましたね。
完全にオンラインだけとなるのは避けたいところですが、自身の状況に合わせて対面とオンラインをうまく組み合わせると良いのではないでしょうか。「選択肢が増えた」と考えることにより、ピアノを楽しむ手段の幅が広がったように感じることもできます。

目覚ましい技術の進歩によりVRへの注目度も高まっている昨今。より臨場感を感じられるピアノのオンラインレッスンも実現できるのではないでしょうか。

受講者の本音【もっとこうしてほしい!】

さあ、ここからはレッスンを提供している側の先生方必見の情報をご紹介します。
受講者である生徒たちの本音に隠された改善ポイントを見つけて、今後のレッスン品質向上にお役立てください。

生徒側は鍵盤と手元にカメラを固定するので、先生の方で譜面と顔を映せるようになるといいなあと思います。お互い2つのデバイスを使って、顔がうつせたらわかりやすいです。
40代 女性
映像がいろんな角度から瞬時に見れるような状態なら分かりやすい。画像が大きかったり。また、音質が向上するとさらによい。レッスンの内容自体が伝わりにくいので、レッスン時間を通常レッスンより長くとってほしい。
30代 女性
先生のおうちが道路に面しており、大きなトラックや救急車の音などがレッスン中でも結構な音量で流れてくるのでなにか対処してほしい。
20代 女性
講師の方にはオンラインレッスンでよく起こると思いますがネット回線の混みによるフリーズを無くすためにも回線速度の速いキャリアやブロードバンドの回線を使って頂きたいです。
20代 男性
改善してほしい点は特にはありません。しいていえばあまり早口だと聞き洩らしてしまうこともあるかと思うので、会話の速度くらいかと思います。
あとは言葉と音が重ならないように、タイミングを見計らってレッスンすることが求められるかと思います。
50代 女性
手元のアップ画像などが見られるととても参考になり、理解しやすくなると思います。また、弾きながら話すと聞こえないので、それぞれに区切って弾く、説明する、と行って欲しいです。
30代 女性
生徒は見て聞くことからピアノを習得するのを始めます。出来るだけゆっくりとお手本を引いてくれると音の途切れも少なく聞きやすいと思います。
20代 女性
オンラインであれば、場所を生徒に提供しなくてもいいのでその分場所代がいらないので、何か別のことでメリットをつけてほしい。
30代 女性
楽譜を共有する工夫をして欲しい。スタンプカードなどオンラインでも子供のやる気を促す工夫をしてほしい。
30代 女性

講師たちの本音は?

ここまでは生徒たちの意見をご紹介してきましたが、先生たちの声も忘れてはいけません。レッスンは互いに協力し合って初めて良いものになります。

下記記事では現役のピアノ講師たちによる本音トークを紹介しています。
使用するアプリや生徒たちへの接し方についてもお伝えしているのでぜひ併せてチェックしてみてください。

オンラインレッスンに移行するための準備

オンラインレッスン移行のためのお役立ち情報をまとめた記事も下記にご紹介します。これまでのさまざまな問題点の解決策となるかもしれません。あると便利なアイテムや、先生側と生徒側でのカメラセッティングなどについても詳しくお伝えしているのでぜひお役立てください。

まとめ

コロナ禍でピアノ教室に通うことが難しくなった昨今ですが、悲観することはありません。PCやスマホ、ビデオカメラやアプリなど文明の利器をフル活用して、新たな形のレッスンを楽しむのも良いのではないでしょうか。

オンラインレッスンという新たな手段によって生まれるメリットが多いことも紛れもない事実です。準備八割。大事なのは心構えと環境づくり。まずは情報を集め、一度ピアノのオンラインレッスンを試してみるのもおすすめです。