ジュピターだけじゃない。ホルストの「惑星」的グローバリゼーション。

2017/05/18
人物

ホルストのジュピター(Jupiter) は皆さんよくご存知でしょう。

「うん、『惑星』の中の木星の事でしょう?」

そうですね、「天体・お星さま」のお話しですね。ということで、ここは1つ、地球を一周するように、ホルスト&ジュピターを読み解いていきましょう!

 

まず、木星(ジュピター)は、ギリシャ神における王様ゼウスで、天空の神さまのことを意味します。また、ジュピターという名前には、明るくかがやく空という意味もあります。さらに、ギリシャ神話ではゼウスは太陽の父とされています。その娘の一人に音楽(Music) の語源であるミューズがいます。
(宇宙開発では、NASAは1990年代後半からソーラーセイル技術の研究を始め、2010年に初めてソーラーセイルから推進力を得る小型人工衛星を地球周回軌道に打ち上げました。同じく2010年には、日本のJAXAが同じ技術で惑星間飛行ができることを実証しています。彼らが金星探査機「あかつき」と一緒に打ち上げた「イカロス(IKAROS)」は、地球から770万キロのところで帆を展開して光子加速を開始し、その半年後には金星の近傍まで到達するという偉業を成し遂げました。)

 

「平原綾香のヒット曲で有名になったよね?」

うーん、確かにそうなんだけど、それ以前からジュピターは、イギリス人の国民的ソングではありました。ただ、世界的なヒット作品となったのは、 ヘルベルト・フォン・カラヤンがこの作品を発掘し、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団の演奏会で紹介したことがきっかけです。そして鮮明なレコード録音もあって世界的な(といってもレコードや放送が広く普及している国々において)大ヒットとなり、この曲は一躍有名になったのです。そして、「惑星」はオーケストラのスタンダードレパートリーになりました。
ちなみに、2004年、最大震度7を観測した新潟県中越地震が発生した際には、被災地の人々を勇気づける曲として「Jupiter」が数多くリクエストされ、更には東日本大震災以降も、大多数の被災した人々を今日も救いつづけています。

 

「ホルストの他の曲って何かあったっけ・・・?」

えーっと、そうですね、ホルストはオペラからオーケストラ作品、吹奏楽(ミリタリーバンド)のための組曲、合唱作品など多岐にわたる分野で作品を残したのですが、神秘主義、東洋趣味の作品もなかなか人気があります。「リグ・ヴェーダによる合唱讃歌」 ( 梵 : ऋग्वेद ṛgveda, 英 : Rigveda )は、古代インドの聖典であるヴェーダの1つ。サンスクリット語の古形にあたる言葉)、「二つの東方絵画」などが知られています。また、バレエ音楽「日本組曲」は、日本人ダンサーの草分け、伊藤道郎の依頼により作曲されました。伊藤から口笛!により教えられた日本古謡が、全編に用いられています。例えば、「漁師の唄」が効果的に使われるとともに、「桜の木の下で」は、「ねんねんころりよ~」の歌詞で知られる「江戸子守歌」が、リリカルなアレンジになっています。

 

というわけで、ホルストのヨーロッパ音楽の素養に加えて、アジアにも視野を広げ、更には、壮大な宇宙観を反映させたスケールの大きい傑作「惑星」を生み出した彼のグローバリズムは、当時、イギリスが世界経済の中心地であった事(今の基軸通貨はアメリカのドルですが、20世紀初頭はイギリスポンドでした)なども踏まえると、実のところ意外にも、さほど特殊なものではなく、「時代の必然性」が透けて見えてくるのではないでしょうか?

P.S. 今年、2017年2月25日(土)、渋谷の Bunkamura オーチャードホールにて、「爆クラ!presents ジェフ・ミルズ × 東京フィルハーモニー交響楽団 × アンドレア・バッティストーニ クラシック体感系 II – 宇宙と時間編 -」が開催された。このイベントは、デトロイトテクノの草分けDJ、ジェフ・ミルズの最新作「Planets」のリリースを機に日本に再上陸した、エレクトロニック・ミュージック(電子音楽)とクラシックの異色なコラボレーションプロジェクトです。世界的なエレクトロニック・アーティストが、新たに発表する史上最大の野心作をライブ体験しようと、約2000人が会場に集まりました。

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