吹奏楽部は、文化部の中でも活動時間が長くて忙しい部活だと言われています。特に強豪校では、「練習量の多さ」や「複雑な人間関係」から部活が嫌になってしまうことも。

今回は実際に筆者が吹奏楽部できついと感じたエピソードと、それを乗り越えたポイントを紹介します。

吹奏楽に興味がある人や現在吹奏楽部に所属している人は、ぜひ参考にしてくださいね。

案内人

  • 笹木さき4歳でピアノを習いはじめ、中学・高校の吹奏楽部ではトランペットとトロンボーンを担当。高校卒業後は音楽大学の短期大学部で作曲とジャズピアノを専攻。

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きつい吹奏楽部で3年間頑張るメリット

一般的に吹奏楽部では、コンクールなどの本番が近づくにつれて練習がきつくなります。

しんどい状況が続いたときのモチベーション維持のためにも、「きつい吹奏楽部で3年間頑張るメリット」を把握しておきましょう!

引退のときに大きな達成感を得られる

最初から最後まで「楽しい」だけの部活より、「きついこと」「楽しいこと」の両方を経験できる部活のほうが、引退のときに大きな達成感を得られます。

休みが少なかったり、厳しい演奏指導をされたり、吹奏楽部で「きつい」と感じるポイントは人によってさまざま。苦しい時期に支え合うことで部員の絆はより強くなり、一緒に頑張った時間はかけがえのない思い出になるでしょう。

やり遂げたことが自信になる

きつい吹奏楽部の活動を3年間やり遂げたことは確かな実績となって自分の中に残り、その後の人生を支える自信になります。

引退・卒業した後、学業やアルバイト・仕事に追われて疲れ果ててしまったとき、吹奏楽部で過ごした3年間を思い出してみましょう。

「あの吹奏楽部をよくやり切った!自分はすごい!だから新しい環境でもなんとなかる!」とポジティブに乗り越えられる瞬間がきっとあるはずです。

吹奏楽部にいた当時の環境

筆者が所属していた高校の吹奏楽部には、3学年合わせて100人ほどの部員がいました。コンクールごとにメンバー選抜のオーディションがあり、学年関係なく実力に順位を付けられる厳しい環境です。

コンクール以外の時期も、部活終了後に残って練習する人がたくさんいました。自主練習をせずに帰って「やる気がない」と思われるのが怖かったことを思い出します…。

周りに合わせて長時間練習を繰り返すうちに腱鞘炎を発症するなど、身体的にも精神的にもつらい経験をしました。

吹奏楽部時代にきついと感じたエピソード

吹奏楽部できついと感じるポイントは、体力的なものだけではありません。

筆者の場合は部員の多さが引き起こす出来事で、精神的にきついと感じることがありました。ここでは、実際に経験したエピソードを紹介します。

全く希望していない楽器の担当になった

吹奏楽部では、部員の希望・適性・パートの人数などを基に担当楽器を決定します。

筆者は中学校の吹奏学部でトランペットを担当していたので、高校でも同じ楽器を希望しました。ところが実際は、第3希望の中にも挙げていなかったトロンボーンの担当になったのです。

当時はショックが大きく、担当楽器が決まった日の帰宅後に泣いたのを覚えています。

それでも音楽が好きだったので部活は辞めませんでしたが、最初の頃はトランペットパートの人と話すことをつらいと感じながら部活に参加していました。

オーディションで先輩と争った

一から始めたトロンボーンの演奏にも慣れてきた頃、アンサンブルコンクールのグループを決めるオーディションがありました。指定されたスケールなどを1人ずつ吹き、顧問の先生2人が審査する形のブラインドオーディションです。

全員が吹き終わった後、筆者と先輩の2人が呼ばれて再度吹き直しをすることに。音色を比較された結果、上級者グループの集まるアンサンブルメンバーに選抜されたのは筆者でした。

悔し泣きする先輩を見て複雑な気持ちになり、オーディション後は先輩との接し方に悩んだり、居心地の悪さを感じたりしました。

先輩との接し方でお悩みの方は下記記事もぜひ参考にしてみてください。

きつい環境を乗り越えられた理由

吹奏楽部のきつい環境を乗り越えられた一番の理由は、「演奏するのが楽しい」という気持ちが何よりも大きかったこと。

たくさんの人と当たり前のように一緒に演奏できる環境はとても貴重で、吹奏楽部を辞めてしまったら再び手に入れることは難しいだろうと当時から感じていました。

吹奏楽部に入ってきついと感じたときの解決法

吹奏楽部の活動を続ける上で、きついと感じる出来事を完全になくすことは難しいですが、考え方や視点を変えて気持ちを前向きにすることはできます。

ここでは、精神的にきついと感じたときに使える解決法を紹介します。ぜひ日々の部活に取り入れてみてくださいね。

同じ境遇の部員とコミュニケーションを取る

部活で精神的にきついと感じるときは、自分と近い境遇の部員を見つけて積極的にコミュニケーションを取るのがおすすめです。

筆者が未経験の楽器の担当になって悩んでいたときは、同じく楽器初心者の部員と話すことで練習のモチベーションを維持することができました。

特に同じパートのメンバーが頑張っていると「負けていられない!」と感じて練習に身が入るようになり、吹き続けるうちに担当の楽器であるトロンボーンが大好きになりました。

自分の中でゴールを設定する

きつい練習が続いて「楽しくない」「辞めたい」と思ってしまう時期を乗り越えるには、自分の中で身近なゴールを設定する方法が効果的です。

筆者の場合は、一番近い本番の舞台を目指して「とりあえずその日までは頑張ってみよう」という気持ちで練習しました。具体的なゴールを意識することで心が軽くなり、残りの期間を楽しもうという気持ちが生まれます。

本番の舞台で演奏する楽しさを実感すれば、前向きな気持ちで再び部活に取り組めるようになりますよ。

まとめ

練習や人間関係できつい思いをするとモチベーションが下がってしまうのは当然のこと。そんなときは吹奏楽部で3年間やり抜くことのメリットを思い出して頑張りましょう!

吹奏楽部はみんなで1つの音楽を作る部活です。しんどいときは周りのメンバーとコミュニケーションをとって、上手に気分転換をしてくださいね。