数ある音楽コンクールの中でも異彩を放つのが、今回ご紹介する大阪国際音楽コンクールです。
民俗楽器部門や、小学1年生以上を対象にした声楽ミュージカル部門、アマチュア部門など珍しい部門があったり、対象年齢層が幅広かったりと、いったいどんなコンクールなんだろう?と驚く方もいらっしゃるのではないでしょうか。

本記事では、第23回大阪国際音楽コンクールの日程や課題曲などについて、詳しくご紹介します。

大阪国際音楽コンクールとは?


大阪国際音楽コンクールは、大阪から世界へ羽ばたく音楽家を輩出したいという趣旨のもと、2000年に設立されました。発端は、ピアニストの北野蓉子さんが、亡き夫と計画していた若手のための国際音楽コンクール。

部門の多さが特徴で、初開催以来どんどん種類が増えていき、現在では3つのセクションに分かれた総合的な音楽コンクールへと発展しています。また、若手のためとありますが、年齢上限はなくシニアでも応募可能です。

国内のみならず海外でも地区大会が行われ、年々レベルが上がっている注目のコンクールです。

大阪国際音楽コンクールの予選レベル

部門によって多様であり、定量化が難しいのですが、海外の音楽大学の協力や参加者の増加により、同コンクールの予選レベルが上がっているのは間違いありません。毎大会、本当に素晴らしい演奏を聴くことができますよ。

大阪国際音楽コンクール│2021年・2020年のファイナリストと結果

次に、2020年と21年の主な入賞者として、ピアノ部門、弦楽器部門、管楽器部門のAge-Gの結果を紹介します。

2021年(第22回)

ピアノ部門 / Piano(Age-G)
第1位森重 美千香(神戸大学 卒業)
第2位小山 有里子 (京都市立芸術大学 卒業)
第3位中村 梨乃(京都市立芸術大学 2年)
奥井 理澄(愛知県立芸術大学 卒業)
弦楽器部門 / Strings(Age-G)
第1位水越 菜生(桐朋学園大学 3年)
第2位該当者なし 
第3位該当者なし
管楽器部門(木管楽器) / Woodwinds(Age-G)
第1位柳原 将也(大阪音楽大学 卒業)
第2位藤井 駿 (京都大学大学院 修了)
第3位北村 杏子(上野学園大学 卒業)
徳永 碧(東京藝術大学 卒業)
管楽器部門(金管楽器) / Brass(Age-G)
第1位該当者なし
第2位該当者なし
第3位木村 愛香(武蔵野音楽大学 卒業)
松本 貴美子(愛知県立芸術大学 卒業)

2020年(第21回)

ピアノ部門 / Piano(Age-G)
第1位該当者なし
第2位髙木 直樹(昭和音楽大学大学院 修了)
谷川 俊介(京都大学 修了)
第3位具志堅 光星(九州大学 卒業)
弦楽器部門 / Strings(Age-G)
第1位該当者なし
第2位奥山 羽衣 (東京音楽大学 卒業)
第3位北谷 茉莉子(ハンガリー国立リスト音楽院 卒業)
管楽器部門(木管楽器) / Woodwinds(Age-G)
第1位該当者なし
第2位柳原 将也 (大阪音楽大学 卒業)
第3位堀内 心優彩(多賀町立多賀小学校 5年)
若山 修平(上野学園大学 卒業)
管楽器部門(金管楽器) / Brass(Age-G)
第1位該当者なし
第2位藤吉 正規(愛知県立芸術大学大学院 修了)
第3位該当者なし

2022年には第23回大阪国際音楽コンクールが開催!

毎年開催されている大阪国際音楽コンクール。2022年には第23回が開催されることになり、予選が迫っています。10月10日のグランドファイナル=ガラコンサートに向けて、熱戦が繰り広げられることでしょう。

ここでは、同大会の詳細を紹介します。

審査部門

審査部門は大きく3つのセクションに分かれています。

Section Iピアノ部門
声楽部門(オペラ、歌曲、ミュージカル)
弦楽器部門 (ハープ、クラシックギター含む)
管楽器部門
Section Ⅱアーリーミュージック部門(チェンバロ等の古楽器によるソロ・アンサンブル)
2台ピアノ部門(8手まで)
連弾部門(8手まで)
デュオ部門(編成自由)
アンサンブル部門(編成自由。8人まで)
民俗楽器部門(ソロ/アンサンブル8人まで。※マリンバ、マンドリンは民俗楽器に含む)
リサイタルコース(ピアノ、弦楽器、管楽器、声楽。※ジョイントコンサート出演者選抜形式)
Section IIIアマチュア部門ピアノ・アウトスタンディング・アマチュアコース
ヴィルトーゾ(高校生以上の上級者   年齢上限なし)
エクセレンス(大学生以上   年齢上限なし)
スーペリア(高校生)
シニア(18歳以上になってから始めた者、年齢上限なし)
シルバー(満70歳以上   年齢上限なし)
デュオ・アンサンブル(年齢制限なし   8人まで)
ユース部門自由曲コース(全専攻・幼児から中学生まで対象)
課題曲コース (ピアノのみ・幼児から小学生まで対象)

コンクールの流れ

コンクールは以下の流れで進みます。

予選(Section I のみ。音源審査)

地区本選(予選免除者、II・III はここからの参加)

ファイナル

グランドファイナル=ガラコンサート

【2022年】第23回大阪国際音楽コンクールの日程

第23回大阪国際音楽コンクールの日程は以下の通り。

予選

Section I に参加希望者対象の音源審査です。

第1次締切日:7月1日

第2次締切日:7月15日

地区本選

Section I 予選免除者と、Section II と Section III の参加希望者は地区本選からの参加になります。

開催地区開催日会場
愛知7月24日名古屋芸術大学 音楽講堂ホール (予定)
宮城7月24日仙台中央音楽センター IVyホール
千葉8月7日勝浦市芸術文化交流センターホール
東京①8月9日ティアラこうとう 小ホール
兵庫8月10日うはらホール
福岡8月12日アクロス福岡 円形ホール
大阪①8月13日・14日ムラマツリサイタルホール新大阪
富山8月19日北日本新聞ホール
広島8月19日広島市南区民文化センター ホール
大阪②8月21日大阪市立阿倍野区民センター
東京②8月27日三鷹市芸術文化センター 風のホール・星のホール
映像Youtubeにアップした映像を審査

*海外での審査については公式サイトの情報を要確認。

ファイナル

開催日審査部門会場
10月1日【アマチュア部門】

スーペリア、エクセレンス、シニア、シルバー、デュオ・アンサンブルコース

ムラマツリサイタルホール新大阪
10月2日【アマチュア部門】

 ヴィルトーゾ、POAコース

ムラマツリサイタルホール新大阪
【ユース部門】

 全コース

大阪市立阿倍野区民センター
10月5日アーリーミュージック兵庫県立芸術文化センター 小ホール
10月6日2台ピアノ、連弾、ピアノAge-Gムラマツリサイタルホール新大阪
リサイタルコース大阪市立阿倍野区民センター
10月7日ピアノAge-U大阪市立阿倍野区民センター
声楽ミュージカルコース大阪市立阿倍野区民センター
民俗楽器、デュオ、アンサンブルムラマツリサイタルホール新大阪
10月8日ピアノAge-E3/Hムラマツリサイタルホール新大阪
弦楽器Age-J/U/G大阪市立阿倍野区民センター
管楽器Age-J/U大阪市立阿倍野区民センター
10月9日ピアノAge-E1/E2/Jムラマツリサイタルホール新大阪
弦楽器Age-E1/E2/E3/H/ハープ大阪市立阿倍野区民センター
管楽器Age-H/G大阪市立阿倍野区民センター
声楽Age-J/H/U/G高槻市立生涯学習センター 多目的ホール

グランドファイナル=ガラコンサート

開催日時:10月10日 12:00~
会場:高槻現代劇場中ホール

※終了後、表彰式が行われます。

【2022年】第23回大阪国際音楽コンクールの課題曲

続いては各コースごとの課題曲についてご紹介します。

Section Ⅰ

Section Ⅰは年齢によって課題曲・自由曲が分かれる部門があります。年齢区分や詳細については公式サイトをご参照ください。

ピアノ部門

【Age-E】

ステージ課題曲演奏時間①+②
予選自由曲1曲
地区本選①J.S.バッハの曲より1曲 又は 任意のエチュード1曲

②自由曲1曲

4分
ファイナル自由曲1曲5分

【Age-J】

ステージ課題曲演奏時間①+②
予選自由曲1曲
地区本選①J.S.バッハの曲より1曲 又は 任意のエチュード1曲

②自由曲1曲

5分
ファイナル自由曲1曲5分

【Age-H】

ステージ課題曲演奏時間①+②
予選自由曲1曲
地区本選①J.S.バッハ平均律(Ⅰ・Ⅱ)よりフーガ1曲またはショパンのエチュード(op.10、op.25)より1曲

②自由曲1曲

7分
ファイナル自由曲1曲7分

【Age-U・G】

ステージ課題曲演奏時間①+②
予選自由曲1曲
地区本選①J.S.バッハ平均律(Ⅰ・Ⅱ)よりフーガ1曲またはショパン、ドビュッシー、スクリャービン、ラフマニノフ、プロコフィエフ、リストのエチュードの中から1曲

②自由曲1曲

10分
ファイナル自由曲1曲8分

※予選の演奏曲は制限時間なし。
※ファイナルの演奏曲は、予選、地区本選曲とは異なること。

声楽部門

【Age-J・H】

ステージ課題曲演奏時間①+②
予選自由曲1曲
地区本選自由曲1曲5分
ファイナル自由曲1曲5分

【Age-U・G オペラコース】

ステージ課題曲演奏時間①+②
予選任意のアリア1曲
地区本選任意のアリア1曲5分
ファイナル任意のアリア1曲7分

【Age-U・G 歌曲コース】

ステージ課題曲演奏時間①+②
予選1765年以降に作曲の任意の歌曲1曲
地区本選1765年以降に作曲の任意の歌曲1曲5分
ファイナル1765年以降に作曲の任意の歌曲1曲7分

※予選の演奏曲は制限時間なし。
※ファイナルの演奏曲は、予選、地区本選曲とは異なること。

ミュージカル部門

【ジュニア】

ステージ課題曲演奏時間①+②
予選ミュージカル曲1曲
地区本選ミュージカル曲1曲5分
ファイナルミュージカル曲1曲5分

【シニア】

ステージ課題曲演奏時間①+②
予選ミュージカル曲1曲
地区本選ミュージカル曲1曲5分
ファイナルミュージカル曲1曲7分

※予選の演奏曲は制限時間なし。
※ファイナルの演奏曲は、予選、地区本選曲とは異なること。

弦楽器部門

*ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、ギター

【Age-E】

ステージ課題曲演奏時間①+②
予選自由曲1曲
地区本選自由曲5分
ファイナル自由曲1曲5分

【Age-J】

ステージ課題曲演奏時間①+②
予選自由曲1曲
地区本選自由曲6分
ファイナル自由曲1曲6分

【Age-H】

ステージ課題曲演奏時間①+②
予選自由曲1曲
地区本選自由曲7分
ファイナル自由曲1曲7分

【Age-U・G ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ】

ステージ課題曲演奏時間①+②
予選自由曲1曲
地区本選①J.S.バッハのソナタ、パルティータ、組曲の中より任意の1曲

②自由曲1曲(但し、J.S.バッハ以外の曲)

10分
ファイナル自由曲1曲8分

【Age-U・G コントラバス】

ステージ課題曲演奏時間①+②
予選自由曲1曲
地区本選自由曲8分
ファイナル自由曲1曲8分

【Age-U・G ギター】

ステージ課題曲演奏時間①+②
予選自由曲1曲
地区本選自由曲8分
ファイナル自由曲8分

*ハープ

【ジュニア】

ステージ課題曲演奏時間①+②
予選自由曲1曲
地区本選自由曲6分
ファイナル自由曲1曲6分

【シニア】

ステージ課題曲演奏時間①+②
予選自由曲1曲
地区本選自由曲8分
ファイナル自由曲1曲8分

※予選の演奏曲は制限時間なし。
※ファイナルの演奏曲は、予選、地区本選曲とは異なること。

管楽器部門

【AgeーJ・H】

ステージ課題曲演奏時間①+②
予選自由曲1曲
地区本選自由曲5分
ファイナル自由曲1曲5分

【AgeーU・G】

ステージ課題曲演奏時間①+②
予選自由曲1曲
地区本選自由曲7分
ファイナル自由曲1曲7分

※Age-U・Gは、木管楽器、金管楽器に分けて審査。
※予選の演奏曲は制限時間なし。
※ファイナルの演奏曲は、予選、地区本選曲とは異なること。

Section Ⅱ

次に、Section Ⅱの課題曲と審査内容を紹介します。

2台ピアノ・連弾・デュオ・アンサンブル・民俗楽器

審査内容はすべて自由曲となります。

アーリーミュージック

ステージ課題曲
地区本選<チェンバロ>
J.S.バッハ以外の曲(映像審査とする)<その他の楽器>
自由曲
ファイナル18世紀以前の作品

リサイタルコース

ステージ課題曲
地区本選45分のプログラムを構成し(曲間含む)、そのうちの25分程度の曲を録画した映像および45分演奏会用プログラム構成内容を8月10日までに提出
ファイナル上記の残りの部分20分程度を演奏する

Section Ⅲ

ここからは、Section Ⅲの課題曲と審査内容を紹介します。

アマチュア部門

【ピアノ・アウトスタンディング・アマチュアコース】

ステージ課題曲審査時間
地区本選自由曲(複数曲選択可)15分
ファイナル地区本選とは異なる自由曲20分以上30分以内

【その他のコース】

ステージ課題曲審査時間
地区本選・ファイナル自由曲1曲(クラシックギターは複数曲可)<ヴィルトーゾ>

10分

<エクセレンス>
5分
<スーペリア>
5分
<シニア>
4分
<シルバー>
4分
<デュオ・アンサンブル>
5分

ユース部門

ユース部門は、自由曲コース(全専攻・幼児から中学生まで対象)と課題曲コース(ピアノのみ・幼児から小学生まで対象)に分かれます。

【自由曲コース】

コース参加資格審査内容審査時間
ジュニア中学生自由曲1曲5分
インファントA.小学4~6年生自由曲1曲4分
B.小学1~3年生自由曲1曲
C.幼児自由曲(複数曲可)

【課題曲コース】

コース参加資格審査内容
インファントA.小学4~6年生下記より任意の1曲
B.小学1~3年生
C.幼児
コース課題曲
インファントAギロック:森の妖精

グリエール:ロンド

ミュルデル:村の夕暮れ

グルリット:スケルツォ

チャイコフスキー:ワルツ

モシュコフスキー:タランテラ

インファントBクレメンティ:ワルツ Op.38 No.8

シュモール:ポロネーズ

ピエツォンカ:タランテラ

ゲール:蝶々

ストリーボッグ:スケルツォ・ロンディーノ

平吉毅州:踏まれた猫の逆襲

インファントCヴィットハウアー:ガボット

ギロック:おもちゃのダンス

グルリット:オルゴール

ギロック:インディアンの雨乞いダンス

ギロック:フラメンコ

ロリン:おしゃべりなアヒル!

第23回大阪国際音楽コンクールのチケット情報


第23回大阪国際音楽コンクールのチケット情報は、まだ出ていません。公式サイトを随時ご確認ください。

第23回大阪国際音楽コンクールの結果

コンクールの結果は、詳細が分かり次第、当サイトにて紹介予定です。

まとめ

創設者である北野夫妻の思いが込められたコンクールは、今や幅広い年齢層と多様な楽器で参加できる、国内随一の規模にまで成長しました。年齢制限がなく、いつか晴れの舞台に立ってみたい方の夢にもつながっています。

懐の深い本大会、今年はどんなファイナリストが誕生するか楽しみですね。