演奏者にとって必須のアイテム、譜面台。昨今では、譜面はPCやタブレットで表示させることも増えてきましたが、紙を使う場面もまだまだ多く、1本は持っておきたいところ。

ただ、製品ごとに見た目や素材、重さなどがさまざまで、どれを選べばよいのか迷ってしまいますよね。

そこで本記事では、譜面台の選び方やおすすめなどを紹介します。

案内人

  • 笹木さき音楽大学の短期大学部で作曲とジャズピアノを専攻。現在は芸術専門図書館で司書として働く傍ら、ライターとして活動中。

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譜面台の選び方

使い勝手のよい譜面台を選ぶためには「どこで・どう使いたいか」を具体的にイメージすることが大切です。この点を踏まえ、譜面台の選び方を3つのポイントに分けて解説します。

持ち運ぶなら軽くて折りたためる製品を

学校、家、演奏ホールなど、複数の場所で譜面台を使いたい人には、軽くて折りたためる製品がおすすめです。

アルミ製であれば500g~1kgほどであり、ほかの荷物といっしょに持っても負担になりにくいでしょう。ただし、軽すぎると安定性に欠ける点には注意が必要です。

あとは、収納ケースが付属しているかどうかもチェックしてください。

文字を書き込むなら安定性のある製品を

楽譜に文字を書き込むことが多い人には、重く安定性のあるスチール製や木製の製品がおすすめです。脚のパイプが太いものや、脚を大きく開いて固定できるものを選ぶと、揺れにくく使いやすいでしょう。

さらにストレスなく書き込みをしたいなら、楽譜を置く部分に穴がない製品を選んでください。

高さも要チェック

譜面台選びでは、高さも重要なポイントとなります。目安は身長や演奏フォームなどによって変わるため、自分にとって使いやすい高さを普段から意識しておくとよいでしょう。

特に立奏で使う方は、購入の前に調整可能な高さの上限を必ず確認しておいてください。

譜面台のおすすめ①折りたたみ可能なコンパクトモデル

ここからは、おすすめの譜面台を紹介していきます。まずは、折りたたみ可能なモデル3つから。

ウィットナー/961D

ドイツの老舗、ウィットナー社の譜面台は、楽器演奏者の定番として世界中で使用されています。

高さを最大124cmまで調整可能な一方、折りたたむと42cmに収納可能。持ち運びはラクラクですし、保管場所にも困りません。また、スチール製で重量は1kgとなっており、安定性・耐久性ともに優れています。

*ケースは付属していません

ヴィヴァーチェ/MS-500

こちらの製品はアルミ製で、重量はわずか570g。500mlのペットボトル+αぐらいの重さなので、ほかに荷物が多くても楽に持ち運べます。

また、組み立てや収納が簡単にできるよう作られていて、軽い力でネジ締めまで完了します。ソフトケースが付属しているのもポイントです。

ヤマハ/MS-260AL

730gと軽量なアルミ製折りたたみ譜面台で、手持ちと肩掛けが可能なソフトケースも付属しています。

譜面置きの角度調節部はギア式で、ボタンをプッシュするだけで簡単に操作できる優れもの。別売りの譜面台ラックを取り付ければ、チューナーなどの小物を置くこともできます。

譜面台のおすすめ②安定性のあるモデル

次に、安定性のあるモデル3つを紹介します。

ケーニッヒ&マイヤー /12125

ドイツの楽器アクセサリ製造メーカー、ケーニッヒ&マイヤーの製品です。

2.8kgの重量があり、楽譜をめくるときや楽譜に書き込みしたりする際に、台が揺れにくい安心設計。それでいて折りたたみ可能で、コンパクトに収納と持ち運びができるようになっています。

キョーリツ/M-300N

脚が太めのパイプでできており、分厚く重い楽譜でもどっしりと支えてくれます。高さや角度を細かく調整できる点もうれしいですね。

また、譜面置きがフラットになっていて、楽譜への書き込みもしやすくなっています。

マンハセット/M50

オーケストラ奏者用に開発された譜面台で、譜面置き下部のラックには筆記用具や弓、リードなどの小物を置くことができます。また、高さを簡単に調節でき、演奏前や演奏中に気になってもすぐ修正可能です。

比較的高価な製品ですが、耐久性と品質が高く評価され、教育現場からプロのオーケストラまで幅広く愛用されています。

譜面台のおすすめ③卓上モデル

ここからは、机の上で使うなど、主に座奏がメインの人におすすめの卓上モデルを3つ紹介します。

CAHAYA/CY0204

高さ70cmから138cmまで調整可能で、座奏でも立奏でも、幅広いシーンで使える譜面台です。最高荷重は5kgとなっており、紙の楽譜だけでなくタブレットも置けます。

カラーバリエーションも豊富で、定番の黒のほか、白、水色、ピンクがラインナップ。かわいい譜面台を探している人にもおすすめです。

Guitto/GSS-02

重量280gと非常に軽く、持ち運びにピッタリなことに加え、ステンレス製なため耐久面でも安心して使えます。A6~A4の楽譜のほか、iPadサイズのタブレットを置くことも可能です。

キョーリツ/MS-140/BK

卓上タイプにしては重めの500gとなっていて、頑丈で安定感があります。普段は自宅のテーブルに乗せて使いつつ、たまに持ち運びもするといった方にピッタリのモデルです。

比較的安価なのもあって、すでに譜面台を持っている人が座奏用に買い足すのにもおすすめです。

まとめ

今回は譜面台について、選び方やおすすめなどを紹介しました。

譜面台と一口に言っても、その特徴はさまざまです。持ち運びに特化したモデル、安定性・耐久性に優れたモデルなど、最適な製品は用途によって変わります。

記事内で紹介した譜面台選びのポイントを参考に、自分に合った製品を手に入れて、快適な音楽活動を楽しんでくださいね。