自宅以外でのピアノ演奏を楽しみたいあなたに、持ち運びしやすい電子ピアノをご紹介します!持ち運びやセッティングが簡単な電子ピアノを選ぶことで、いつもの音楽ライフがもっと楽しくなること間違いなし。もちろん、外出先でのピアノ練習にも便利です。
・持ち運びしやすくて音質の良い電子ピアノはどれ?
・何を重視して選ぶべき?
・サイズ感や各モデルの違いや費用について知りたい!
本記事では、これらの疑問に対して現役ピアノ講師が詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
案内人
- 大谷美緒3歳からピアノを習っていた経験から、多くのこどもに音楽を好きになって欲しいと思い、0歳からのリトミック教室「マハロミュージック」を開講。現在では「ココロミュージック」も開講し、0歳から楽しめるリトミック、3歳からシニアまでのピアノ音楽教室を経営。
持ち運びしやすい電子ピアノの選び方
電子ピアノは、アコースティック・ピアノを再現して作られた電子楽器なので、基本的には88鍵盤のものがほとんどです。
そのうえで、メーカーによって性能やサイズに違いがあるので、以下のチェックポイントを押さえて選んでいきましょう。
重さとサイズをチェックする
ひとくちに電子ピアノと言っても、性能やデザインによって重さが異なります。そのため、自身の演奏スタイルや、演奏シーンを想定して、必要な性能を明確にしたうえで検討することが大切です。
重さレベル
重量 |
重さレベル(成人の場合) |
7~15kg |
★★☆☆☆ 比較的軽量なので一人で持ち運びも可能 |
15~20kg |
★★★☆☆ 力や体力に自信のない方は持ち運び困難 |
20kg~ |
★★★★★ かなり重いので一人での持ち運びは困難 |
また、88鍵の電子ピアノは、長さ1.3m程のものがほとんどです。ライブ会場や教室など屋外へ持ち運ぶ際には、搬入経路の確認も必要となります。
タッチ感と重さ、どちらを優先するか
同じ88鍵の電子ピアノでも、性能によって電子ピアノの重さが異なります。その代表例が「タッチ感」の違いです。
「本物のピアノのようなタッチ感」を実現するためには、鍵盤の構造がより精密になり、材質もグランドピアノ同様に木製を採用するモデルもあります。つまり、本物のタッチ感を求めると、必然的に重い電子ピアノを選ぶことになるのです。
タッチ感を優先するのか、持ち運びの利便性を優先するのか、自身の演奏スタイルを考慮したうえで優先順位をつけることが大事になってきます。
バッテリーや電池も使えるか
電子ピアノは、メーカーや種類によって電源のタイプが異なります。
コンセントを繋ぐタイプのもの、電池を入れて使用するもの、充電やバッテリーでの演奏が可能なものなど、商品によって異なるので、性能表示をしっかり確認しましょう。
持ち運んで外で演奏することを検討している方は、電源がない場所での演奏も可能な電池やバッテリー使用タイプを選ぶとよいでしょう。
持ち運び用の専用ケースが付いているか
ポータブルタイプの電子ピアノには、持ち運び用のケースが必要です。そのまま運ぶと破損や故障の原因にもなるので、ケースに入れて安全に運ばなければなりません。
商品によっては専用のケースが付属でついているものや、別売りで商品専用のケースが販売されているものもあります。専用のケースがない場合でも、電子ピアノの幅や長さを確認して別途購入することも可能です。
リュックの様に背負うタイプや、肩にかけるタイプ、ソフトタイプや、クッション性能があるタイプ、ハードタイプなど種類があるので、自身の移動シーンを想定して運びやすいケースを選びましょう。
持ち運びしやすい電子ピアノ7選
ピアノ講師である筆者がおすすめする、持ち運びしやすい電子ピアノを7つご紹介します!おすすめポイントと併せてチェックしてくださいね。
YAMAHA(ヤマハ)|P-225
ヤマハのPシリーズは、コンパクトで持ち運び可能でありながら、アコースティックピアノのような本格的な演奏ができる電子ピアノです。無駄を省いたスタイリッシュなデザインで、省スペース設置を実現させます。
ヤマハフルコンサートグランドピアノ「CFX」の音色を搭載しているため、音にこだわりたい方にもおすすめです。
重さ |
11.5 kg |
サイズ |
幅1,326 mm、高さ、129 mm、奥行き272 mm |
鍵盤数 |
88鍵盤 |
スピーカー出力 |
7W×2 |
電源 |
電源アダプター必要 |
KAWA(カワイ)I ES120 Filo
ES120 Filoは、国際的なコンクールでも評価されているKAWAIの「フルコンサートピアノ」の音色を搭載した本格派電子ピアノです。
軽量かつコンパクトなボディで、運搬性にも優れるFilo(フィーロ)は、ライブシーンでも大活躍。軽音楽やバンド愛好家にも人気のモデルです。
重さ |
12.5kg |
サイズ |
幅1,305 mm、高さ、150 mm、奥行き280 mm |
鍵盤数 |
88鍵盤 |
スピーカー出力 |
10W×2 |
電源 |
電源アダプター |
Korg(コルグ)|Liano
軽量で薄型の電子ピアノと言えばコルグのLianoでしょう。
88鍵でありながら、通常サイズの130cm幅を切るコンパクトさ。さらには7cmという本体の薄さは持ち運びにもってこいです。
シンプル操作を実現させ、見た目やデザイン性の高さだけではなく、イタリアン・ピアノの音色を搭載した本格的な電子ピアノとしても人気です。スピーカー搭載でありながら6kgの軽量ボディは、ピアノ演奏の場所を選びません。
重さ |
6kg |
サイズ |
幅1,282mm、高さ、73 mm、奥行き290mm |
鍵盤数 |
88鍵盤 |
スピーカー出力 |
8W ×2 |
電源 |
バッテリー式, 電源コード式 |
ROLAND(ローランド)|FP-10
FP-10は、FPシリーズの中でも88鍵モデルで最小クラスのコンパクト電子ピアノです。小さいボディにもスピーカーを内蔵し、リビングでも屋外でも、いつでもどこでもピアノの演奏を楽しめます。
ハンマーアクションを採用しているので、タッチ感にこだわりたい方にもぴったり。初めてのピアノ購入や、2台目のピアノとしてもおすすめです。
重さ |
11.5 kg |
サイズ |
幅1,284 mm、高さ140 mm、奥行き258 mm |
鍵盤数 |
88鍵盤 |
スピーカー出力 |
6W×2 |
電源 |
電源アダプター必要 |
ROLAND(ローランド)|GO:PIANO88
GO:PIANO88は、スマホと連動させた多彩な機能を楽しめるスマート電子ピアノです。電池駆動にも対応しているので、屋外への持ち運びにぴったり。
ピアノ以外にも、エレピ、オルガン、ストリングスの計4音色を搭載。多彩なジャンルの曲をいつでもどこでも自由に演奏できるのが大きな魅力です。
重さ |
7kg |
サイズ |
幅1,283 mm、高さ、87 mm、奥行き291 mm |
鍵盤数 |
88鍵盤 |
スピーカー出力 |
10W×2 |
電源 |
ACアダプターまたはアルカリ電池/マンガン電池(単1形)×6 |
CASIO(カシオ)| Privia PX-S1100
ピアニスト角野隼人さんがCMに出演されていることでも話題になっPrivia。スリムでスタイリッシュなデザインに加え、音の細部にまでこだわって作られた電子ピアノです。
なかでもPX-S1100は、フラットなタッチ操作ができる天面パネルを採用しており、インテリアにも馴染むデザイン性の高さも注目されています。細かなニュアンスまで表現できる音響技術と、スタイリッシュな見た目も兼ね備えた贅沢なモデルです。
重さ |
11.2kg |
サイズ |
幅1,322 mm、高さ、102 mm、奥行き232 mm |
鍵盤数 |
88鍵盤 |
スピーカー出力 |
8W+8W |
電源 |
電源アダプター、単3形アルカリ乾電池×6本 |
CASIO(カシオ)|Privia PX-S6000
PX-S6000は、豊かな音の響きとグランドピアノのような本格的な鍵盤タッチを実現した、カシオのポータブル電子ピアノPriviaの上位モデルです。
持ち運ぶにはちょっと重いかもしれませんが、弾き心地やデザインを重要視する方におすすめ。象牙のような自然な感触の鍵盤が採用されていて、グランドピアノのような表現豊かな演奏をどこでも楽しむことができます。
重さ |
14.8kg |
サイズ |
幅1,340 mm、高さ、102 mm、奥行き232 mm |
鍵盤数 |
88鍵盤 |
スピーカー出力 |
8W×2+8W×2 |
電源 |
電源アダプター、単3形アルカリ乾電池×8本 |
電子ピアノ以外の持ち運び可能な鍵盤楽器
持ち運びの利便性を重要視するなら、電子ピアノ以外の鍵盤楽器を選ぶのもよいでしょう。鍵盤数が少ない分、軽量でコンパクトなので持ち運びが簡単です。
アダプター不要で電池や充電式のものも多いため、場所を選ばずに演奏できるといったメリットもあります。
ここでは、電子ピアノ以外のおすすめの鍵盤楽器をピックアップしてご紹介します。
キーボード
グランドピアノやアップライトピアノを再現して作られた電子ピアノに対して、キーボードはピアノ以外の音も手軽に演奏できるように作られた鍵盤楽器です。コンパクトで軽量なモデルが多く、1万円以下の製品も多く販売されています。
電子ピアノとの大きな違いは、鍵盤数の差です。
ポータブルキーボードとして各メーカーから61鍵モデルや、初心者向けに鍵盤サイズが小さい小型モデル、44鍵モデルなどが販売されています。
費用を抑え、持ち運びやすさを重視したい方にはキーボードがおすすめです。
折りたたみピアノ
持ち運ぶことに特化したピアノとして「折りたたみピアノ」があります。
その名の通り、小さく折りたたむことができるので、運搬性の高さはもちろん、場所を取らずに収納も可能なので、持ち運び用やセカンドピアノとしておすすめです。
49鍵から88鍵のものまで、さまざまな折りたたみピアノが販売されており、メーカーによって性能も異なるので詳しくは下記記事をご参照ください。
ロールピアノ
とにかくコンパクトに持ち運びたい方には、ロールピアノもおすすめです。
くるくると小さく丸めることができるポータブルタイプで、さっと卓上に設置して演奏を楽しむことができます。シリコン素材の鍵盤楽器で、キーボードの様にさまざまな音色を出すことができ、録音機能などもあるので気軽な練習や遊び用としても人気です。
ロールピアノの性能やおすすめモデルについて気になる方は下記記事をご参照ください。
電子ピアノの持ち運び方と注意点
電子ピアノを持ち運ぶ際の注意点をチェックしていきましょう。
安全に持ち運ぶには必ずケースに入れる
電子ピアノは、必ずケースに入れて運びましょう。持ち歩いての移動はもちろん、車に載せる場合でも、ケースやカバーに入れるなどして、衝撃や振動による故障や破損を防ぐことが大切です。
もし、鍵盤を弾いても音が出なくなったりするなど「壊れたかも」と感じたら、取り扱い説明書を確認し、場合によっては楽器店やメーカーに修理を依頼しなければなりません。
「近くだからいいや」と安易に考えず、持ち運ぶ際は必ず専用のケースなどを利用して安全に運びましょう。
使わないときも水平に置くのが望ましい
電子ピアノを車で運ぶ場合は、立てかけずに水平に置いて運ぶようにしましょう。使わない時も、立てて保管せずに、水平に置いて収納するように意識してくださいね。
各メーカーの取扱説明書にも、「故障や破損の原因になるため横向きに保管するように」と明記されているものも多いので注意しましょう。
セッティングする場所にも注意
斜めになっている場所や、足元が不安定でぐらつくような場所には設置してはいけません。軽量なモデルであっても、重量があり落下すると怪我や故障に繋がってしまいます。
どうしても設置場所を選べないなどの理由がある場合は、付属の設置台や足が販売されているモデルもあるので、確認してみましょう。
また、電子ピアノは電源が必要なモデルが多いので、近くでコンセントなど電源を確保できるかの確認も必要です。
電子ピアノケースの選び方
電子ピアノケースを選ぶポイントは、持ち運び頻度や使用している電子ピアノモデルなどによって変わってきます。
用途や目的にあった電子ピアノのケースを選びましょう。
ソフト、セミハード、ハードの中から用途に合わせて選ぶ
ピアノのケースにはソフト、セミハード、ハードの3種類があります。
専用カバーや専用ケースが売られているものもありますが、使用用途にあったピアノケースを選んで購入することをおすすめします。どうやって選ぶべきか悩んでいる方は、後述するおすすめポイントを参考にしてくださいね。
ハードケースがおすすめの方
ハードケースは、他の荷物や他の楽器と一緒に運ぶ際に衝撃から楽器を守ってくれます。そのため、長距離移動で車や飛行機などを利用することが多い人におすすめです。耐久性や防水性が高い分ケース自体がかなり重いため、徒歩や電車移動の方には向いていないと言えます。
セミハードタイプがおすすめの方
丈夫なフレームに頑丈なナイロン生地を使用し、内部はクッション性の高い緩衝材などを使用しているのがセミハードタイプです。ハードケースよりは軽くて運びやすいので、徒歩での持ち歩きも可能。近距離から中距離移動が多いかたにおすすめです。
ソフトタイプがおすすめの方
ケースの中で1番安価なモデルがソフトタイプです。肩掛けタイプ、リュックタイプ、キャスター付きのタイプなどがあり、どれも軽量なのが特徴。便利な収納ポケットが付いているモデルも多いので、携帯や財布なども一緒に持ち運ぶこともできます。近距離移動が多い方や、軽さを重視したい方におすすめです。
鍵盤数だけでなく内寸もチェックする
ハードケース、セミハードケース、ソフトケースそれぞれ、同じメーカーから鍵盤数ごとに商品(ケース)が展開されています。まずは、お持ちの電子ピアノの鍵盤数を確認してサイズがあったケースを探しましょう。
ただし、鍵盤数だけでケースのサイズを選ぶのではなく、収納するピアノ本体の大きさも確認が必要です。ケースの内寸にぴったり収まるかどうかも併せてチェックしてくださいね。
まとめ
今回は持ち運びしやすいおすすめの電子ピアノをご紹介しました。
気軽に持ち運べる電子ピアノがあると、自宅以外での演奏やライブパフォーマンスをより楽しむことができるでしょう。
本記事を参考に、あなたのライフスタイルに合わせた持ち運びしやすい電子ピアノを選んで、音楽をもっと身近に感じてもらえたら幸いです。