初めてのピアノ購入を検討する際に、「続けられないかもしれないからできるだけ安い電子ピアノで始めたい」と思う方も多いのではないでしょうか?同時に、「安いピアノって大丈夫なの?」と不安に思う人も少なくありません。

そこで今回は、自分に合った電子ピアノを選ぶポイントと、安いけど高性能のおすすめモデルをご紹介します!

現役のピアノ講師である筆者が実体験を踏まえて解説しますので、楽器選びで失敗したくない人は必見です。

案内人

  • 海老野みほ4歳からエレクトーンを始め、高校生の時にピアノに転向。
    音楽系専門学校に進学し、クラシック・ジャズ・POPs・作曲・アレンジなど、様々なジャンルの知識を身につけながら演奏活動を行う。
    2011年から都内の音楽スクールのピアノ講師として勤務。

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安い電子ピアノでも大丈夫?

結論からお話しすると、これからピアノを始める方は安い電子ピアノでも十分練習ができます

始めたばかりの頃はいきなり複数の曲を弾けるようになるのは難しく、簡単な曲を練習しながらピアノに慣れることからスタートします。つまり最初は、両手で弾けるだけの鍵盤の数があり、正しい音程の音が出れば問題ないのです。

また、すでにアコースティックピアノを持っている人には気軽に弾けるサブ機としてもおすすめです。

安い電子ピアノと高価な電子ピアノの違いは何?

違いはズバリ音の表現力です。

半年程ピアノを続けていると、弾くことにも慣れて曲を通して弾けるようになってきます。そうなると、曲に強弱をつけたり音色の表現にこだわりたくなってくるものです。

そこで初めて「安いピアノでは物足りない」と感じる人が多いでしょう。安価なものだと自分の思うように音の変化がつけられないのみならず、スピーカーの性能も違うので聞こえてくる音が違います。

さらに耐久年数にも差があり、10万円以上の電子ピアノは10年以上使い続けられますが、3万円以下のピアノは長くても5年程度で使えなくなってしまうことが多いのです。

電子ピアノ選びのポイント3つ

実際に電子ピアノを選ぶ時に何をチェックしたらいいのか、具体的に紹介していきます。

ポイント①電子ピアノとキーボードの違いを理解しよう

『電子ピアノ』とネットで検索すると『キーボード』というワードが出てくるのをご存知でしょうか?

キーボードとは鍵盤楽器の総称です。厳密に言えば電子ピアノもキーボードの一種ではありますが、用途の異なる楽器と言えます。

違いは下記の通りです。

電子ピアノ

キーボード

特徴

・鍵盤の数が88鍵
・鍵盤が重い

・鍵盤数が32~61鍵
・鍵盤が軽い

用途目的

アコースティックピアノの演奏を再現するもの。本格的にピアノを練習したい人向け。

鍵盤楽器を誰でも手軽に楽しむためのもの。小さな子供のピアノ練習用や、さまざまな音で楽しみたい人向け。

電子ピアノを購入する目的や用途に合わせて、どちらのタイプを選択したらよいのか確認しておきましょう。

ポイント②鍵盤数を確認しよう

前項でも紹介したように、製品によって鍵盤数は異なります。

これからピアノをがんばりたいと思っている方は最低でも61鍵以上を選びましょう。61鍵はポップスの初級や弾き語りなどを弾くには十分に演奏できる鍵盤数です。

クラシックを弾きたい方は61鍵では足りない可能性があるので、88鍵盤の電子ピアノにすることをおすすめします。

ポイント③鍵盤の重さ・タッチ感は試奏してチェックしよう

一般的な電子ピアノは、アコースティックピアノの弾き心地を再現するためにわざと鍵盤に抵抗感をつけて作られています。実は鍵盤に重みがある方がミスタッチしにくく、強弱や抑揚など表現のコントロールもできるので、本格的に頑張りたい人におすすめです。

それに対してキーボードはどんな人でも弾きやすいように、鍵盤が軽く作られています。指を動かすことに慣れるための練習や、小さな子供にピアノに興味を持ってもらうきっかけとして利用するのもいいでしょう。

タッチ感や弾き心地は好みが分かれるところなので、こだわりたい人はピアノ販売店などで一度試し弾きをしてみてくださいね。

予算1万円台の電子ピアノを買う前に知っておいてほしいこと

よく、「安い電子ピアノ紹介」で1万円台の製品を紹介しているブログなどがありますが、値段だけを見て購入するのは危険です。

この価格帯の電子ピアノは安く手に入る反面、弾き方によって音が出なかったり、壊れやすいというデメリットがあります。

購入の目的や用途にもよりますが、いずれにしても半年〜1年くらいで買い換えることを前提にしておきましょう。

安い電子ピアノのおすすめ:①予算3万円~

3万円以上の価格帯となると、みなさんがよく知っている大手メーカーの製品から探すことができます。

製品のクオリティや壊れにくさ、購入後のサポートなども比較して探してみましょう。

NP-32/YAMAHA

キーボード 電子ピアノ YAMAHA NP-32WH ホワイト スタンド・イスセット 76鍵盤 【ヤマハ NP32WH】【オンラインストア限定】 楽器

ピアノの最大手YAMAHAから発売されている76鍵盤の電子キーボード。軽いタッチで初心者の方にも弾きやすいように作られています。

YAMAHAの特徴である高音質のピアノ音源が使われているのが特徴です。

GO-61P・Roland

61鍵盤の電子キーボードですが、電子ピアノのようなタッチ感があります。

電子ピアノは敷居が高いけど、しっかりと弾きごたえのある鍵盤で練習がしたいという方にはぴったりの一台。省スペースでも設置できるので、あまりピアノで場所をとりたくない方にもおすすめです。

安い電子ピアノのおすすめ:②予算5万円~

5万円以上になると、アコースティックピアノの弾き心地に近い電子ピアノが選べるようになります。

B2/KORG

88鍵の電子ピアノでタッチ感にこだわって作られており、低音は抵抗感が重く高音は軽くなっています。

耐久性も強く、長く使えるものを選びたい方におすすめ。11.4Kgと重量があるのでスタンドの購入や設置する場所を考えてから購入しましょう。

P-45/YAMAHA

YAMAHA P-45B ブラック 電子ピアノ 88鍵盤 専用スタンド・ダンパーペダル・ヘッドホンセット 【ヤマハ P45B】

YAHAMAの電子ピアノの中で一番安く購入できる機種です。ハイグレードの電子ピアノに搭載されているハンマーアクションが使われているので、強弱や抑揚がしっかりと表現できます。

使いやすさと価格からとても人気が高く、筆者が初心者の方におすすめしたいNO.1です!

安い電子ピアノのおすすめ:③予算7万円~

7万円台の電子ピアノでは、それぞれのメーカーのこだわり機能が搭載されています。

自分の求めているこだわりポイントと照らし合わせながらチェックしていきましょう。

Privia PX-S1100/CASIO

機能が最小限になっているシンプルな電子ピアノです。

その分タッチやサウンドのクオリティを重視して作られており、「ピアノを弾く練習がちゃんとできれば良い」という方におすすめ。スタイリッシュなデザインも魅力の一つです。

DIGITAL PIANO KDP75/KAWAI

重厚感のある音が人気のKAWAIの電子ピアノ。アコースティックピアノを再現したタッチ感で強弱もしっかりつけられます。

10万以下の電子ピアノでありながらデモ演奏や練習サポート機能も充実しているので、入門ピアノとしては十分なクオリティと言えるでしょう。

ゆくゆくは高機能モデルの購入を検討している方や、鍵盤タッチにこだわりたい方は下記記事も併せてご参照ください。

電子ピアノを安く買うならネットがおすすめ

多くの楽器店がネット販売にも力を入れていることから、電子ピアノを安く買いたい場合はネット購入がおすすめです。

もちろん実店舗の楽器店や電気屋で購入するのもいいですが、価格や購入できる機種がその店舗の在庫状況などに左右されてしまうのが難点と言えます。特に10万円以下の電子ピアノは少し古いモデルの機種も含まれている為、物によっては同じピアノでも15,000円ほどの差があることも…。

そのため、安く買うためにはネットで複数の店舗の価格を調べることが大事です。

鍵盤タッチにこだわりたい人は、実店舗にて試奏してからお気に入りの製品をネットで探してくださいね。

電子ピアノを安く買うならサウンドハウスがおすすめ

出典:サウンドハウス

楽器や音楽の機材をネットで買うならここ!というぐらい人気の大手販売サイトです。筆者もよく利用しています。

品揃えも豊富で、メーカー・色・在庫状況などからも絞り込むこともできるので、希望にあった機種をすぐに見つけることが可能です。

配送から商品の返品・交換、購入後のサポートもしっかりと対応してくれるので安心して購入できます(使用後の返品・交換はどこのショップでも対応不可なので、よく検討した上で購入するようにしましょう)。

サウンドハウスで電子ピアノを探す

安い電子ピアノを買うなら中古も考えよう

10万円以下の予算で、より良い性能の電子ピアノを選びたいという方には中古で購入する選択肢もおすすめです。

例えばYAMAHAの88鍵電子ピアノの場合、元の価格が8万円前後のものが24,000円で販売されていたりもします。

電子ピアノの製品寿命は20年弱。中古販売の中には製造から5年以内の製品も多いので、十分長く使える電子ピアノを見つけられます。

中古を購入する場合は、楽器の状態やどれくらいの期間使用したものかを事前に確認することが大事です。詳しくは下記記事を参考にしてくださいね。

まとめ

安い機種を選んで失敗した事例は本当によく耳にします。ですが、安い中でも良い製品の楽器というのも間違いなく存在しています。

今回ご紹介したチェックポイントを参考に、ぜひご自身の予算や用途にぴったりマッチする電子ピアノを見つけてくださいね!