自宅用にせよ持ち出し用にせよ、電子ピアノは自分に合ったタッチ感や音色の機種を選びたいですよね。そうすることにより日ごろの練習に身が入り、長く使いたくなるはずです。

とはいえ、電子ピアノはさまざまなメーカーからリリースされており、どれを選ぼうか迷う方も多いでしょう。

そこで今回は「カシオ(CASIO)」に焦点を当て、同社の電子ピアノの特徴やラインナップ、おすすめ機種などを解説していきます。

案内人

  • 海老野みほ4歳からエレクトーンを始め、高校生の時にピアノに転向。
    音楽系専門学校に進学し、クラシック・ジャズ・POPs・作曲・アレンジなど、様々なジャンルの知識を身につけながら演奏活動を行う。
    2011年から都内の音楽スクールのピアノ講師として勤務。

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カシオ電子ピアノ・キーボードの特徴

「価格.com」の電子ピアノ・キーボードの売れ筋ランキングでは、カシオ製品が常に上位をキープしています。その理由として、同社製品が持つ以下のような特徴が挙げられます。

リーズナブルな機種が多い

カシオの電子ピアノ・キーボードは、ほとんどが10万円以下となっており、3万円台の88鍵モデルも発売されています。初心者やサブ機を求める方にとっては本当にありがたいですね。

他社の高グレードに比べると機能は絞られていますが、電子ピアノとして洗練されていて、日ごろの練習も十分にこなせます。

デザイン性が良い

さまざまなメーカーの中でも、カシオのラインナップはデザインにこだわったものになっています。

カラーバリエーションが豊富な上、シンプルでコンパクトな機種からポップアートで世界的に有名なアーティストがデザインした機種まで揃っており、自分好みの一台に出会える可能性が高いです。

オーディオやMIDIとの連携機能が豊富

カシオの電子ピアノは、オーディオやMIDIとの連携機能にも力を入れて開発されています。カラオケ伴奏を流しながら練習したり、DTM用のキーボードとして使ったり、その用途はさまざまです。

このような使い方は電子ピアノならではです。また、機種にもよりますがBluetooth接続で気軽に連携させられるので、日ごろの練習や制作を効率よく進められます。

カシオ電子ピアノ・キーボードのおすすめ比較:①プリヴィア

カシオの電子ピアノは、コンセプトや機能ごとにいくつかのシリーズに分けています。その中でも、まずは人気の高い「プリヴィア(Privia)」について見ていきましょう。「カシオといえばプリヴィア」と言われるほどの売れ筋です。

グランドピアノの響きが追求されており、鍵盤ごとに異なる共鳴を忠実に再現。タッチの強さはもちろん、単音・和音といった弾き方による表情の違いも楽しめます。

鍵盤もグランドピアノさながらの、1鍵ずつ異なるタッチ感に調整されています。これにより日ごろの練習でしっかりと技術を向上させられますし、教室などではアコースティックピアノを違和感なく弾きこなせるでしょう。

以下にプリヴィアのおすすめ4モデルをピックアップしました。それぞれの詳細を解説します。

PX-S1100

「PX-S1100」は、奥行きが23.2cmというコンパクト設計でありながら、プリヴィアシリーズの高品質な鍵盤タッチと音色を実装。ハンマーアクション搭載の88鍵モデルでは*世界最小です。小さめのテーブルにも気軽に置けますよ。

ピアノの定番色である黒以外に白と赤があり、好みや部屋の雰囲気に合わせてインテリアの一部として使えるのもポイント。リーズナブルな価格なのもあって、アマゾンやヨドバシといった各種通販サイトで売れ筋ランキング上位を獲得しています。

*2021年7月7日時点、カシオ調べ。

©カシオ計算機株式会社|PX-S1100

【公式】CASIO|PX-S1100

PX-S7000

「PX-S7000」は、2022年9月末に発売されたプリヴィアの新製品です。『Style, Reimagined』をコンセプトに、現代のライフスタイルと調和する360度美しいデザインの電子ピアノとなっています。

デザイン性のみならず、高い演奏力と表現力を実現するテクノロジーを備えているのも大きなポイント。新開発した鍵盤機構(スマートハイブリットハンマーアクション鍵盤)と、独立駆動の4つのフルレンジスピーカーが搭載されているため、多彩な音楽を楽しむことができます。

ピアノの設置場所に応じた音響設定が可能なことからも、弾く場所にとらわれない自由で自分らしいサウンドを求めている人におすすめです。

©カシオ計算機株式会社|PX-S7000

【公式】CASIO|PX-S7000/S6000

PX-S3100

「PX-S3100」は、前述のPX-S1100の機能強化版です。音色は700種類、リズムパターンは200種類、さらに自動伴奏やレコーディング、シンセサイザーなども搭載されています(PX-S1100は音色数18、諸機能はなし)。

本体サイズはPX-S1100と同じく世界最小で、鍵盤タッチと音色はもちろんカシオ最高峰。いろいろな音色で幅広いジャンルの曲を演奏したい方には、PX-S3100の方がおすすめです。

©カシオ計算機株式会社|PX-S3100

【公式】CASIO|PX-S3100

PX-770

「PX-770」は、ピアノスタンドとペダル一体型のモデルです(椅子は別売)。据え置きのピアノが欲しい方にピッタリで、コンパクトな設計となっているため小さめの部屋に置いても圧迫感がありません。

上位機種譲りの鍵盤機構やサウンドシステムも搭載されており、日ごろピアノを楽しむには十分すぎるほどの性能を誇ります。

©カシオ計算機株式会社|PX-770

【公式】CASIO|PX-770WE

カシオ電子ピアノ・キーボードのおすすめ比較:②CDP

3万円で購入できるお手頃価格が嬉しい「CDP」シリーズ。低価格ながら88鍵となっていて、初期投資を抑えたい方やサブ機を求める方などに最適です。

2022年10月現在、CDPシリーズは次の1モデルが販売されています。

CDP-S110

「88鍵の電子ピアノがほしくて、機能は最低限でOK」という方におすすめなのが「CDP-S110」。上位モデルには及ばないものの、鍵盤や音のつくりは価格に見合わないほど高品質で、中級者以上の方でも自宅用ピアノとして重宝するでしょう。

また、10.5kgと軽量で、持ち運びが容易にできるのもポイント。好きな時に好きな場所で演奏を楽しめますよ。

©カシオ計算機株式会社|CDP-S110

【公式】CASIO|CDP-S110BK

カシオ電子ピアノ・キーボードのおすすめ比較:③カシオトーン

「カシオトーン」は1980年から続く、歴史あるシリーズです。ラインナップはすべて61鍵となっており、コンパクトかつスタイリッシュなデザインが特徴。

クラシックだと鍵盤が足りない可能性があるものの、それ以外のジャンルをメインに演奏する方なら問題はないでしょう。

カシオトーンのおすすめは次の2つ。

CT-S1

「CT-S1」は、おしゃれなミニマルデザインが印象的なモデルです。音色数は61と少なめですが、カシオの高品質な音響システムが搭載されており、臨場感あふれるサウンドを楽しめます

タッチレスポンス機能(鍵盤を弾く強さに応じて音色の変化を調整できる)や録音機能も付いており、基本的な演奏や練習は難なくこなすことができます。

©カシオ計算機株式会社|CT-S1

【公式】CASIO|CT-S1

CT-S500

本格的に使い込みたい方には「CT-S500」がおすすめです。

ピアノはもちろん、ギター、ストリングス、ブラス、シンセなど800種類の音色を搭載。歪み系やモジュレーション系、空間系といったエフェクトも100種類が揃っています。

バンド演奏でも埋もれないパワフルなサウンドに仕上がっており、さまざまなシーンで活躍する一台といえます。

©カシオ計算機株式会社|CT-S500

【公式】CASIO|CT-S500

カシオ電子ピアノ・キーボードのおすすめ比較:④カシオトーン光ナビゲーションキーボード

「カシオトーン光ナビゲーションキーボード」は、その名の通り、弾くべき鍵盤が光るナビゲーション機能を搭載した初心者向けのシリーズです。フレーズ演奏やテンポ変更、採点機能などもあり、大人も子供も楽しみながら上達できます。

おすすめは機能が充実した「LK-520」。詳しく見ていきましょう。

LK-520

同シリーズの他機種に比べて内蔵曲や音色数が多く、他機種にはないエフェクトやカラオケ機能、リピート機能なども搭載されたモデルです。

弾くだけなら1グレード下げた「LK-325」も十分なクオリティなのですが、ピアノを長く楽しみたいのであれば、使い方の幅が広いLK-520をおすすめします。

©カシオ計算機株式会社|LK-520

【公式】CASIO|LK-520

カシオ電子ピアノ・キーボードのおすすめ比較:⑤カシオトーンミニキーボード

https://youtu.be/jsRkHOovJqY
32~44鍵盤の小型キーボードで、小さな子供の1台目にピッタリなシリーズです。おもちゃと思われがちですが、本物の楽器を録音した音源が使われており、音そのものへの感受性も養うことができます。

おすすめは、ホワイトとライムグリーンの色使いがかわいい「SA-50」と、シックで落ち着いたデザインの「SA-51」。機能は同じなので、見た目の好みで選ぶとよいでしょう。

©カシオ計算機株式会社|SA-50、SA-51

【公式】CASIO|SA-50

カシオ電子ピアノ・キーボードのおすすめ比較:⑥CT-X

「CT-X」はサウンドにこだわって開発された、カシオトーンの譜系に連なるシリーズです。

今回はCT-X3000をピックアップして解説しますね。61鍵盤と音の良さを求める方は、本機と前述のCT-S500を実際に触って比べてみるのがおすすめです。

CT-X3000

「CT-X3000」は、スピーカー内蔵のシンセサイザーともいえるモデルです。

音色数は800。ピアノもストリングスもシンセ音も、どれも低音から高音までバランスよく響き、臨場感あふれるパワフルな演奏を可能にしてくれます。もちろん音色のカスタマイズも自由自在です。

本体には大出力のアンプが搭載されており、ポータブルとは思えないほど迫力のあるサウンドを体感できます。

©カシオ計算機株式会社|CT-X3000

【公式】CASIO|CT-X3000

カシオ電子ピアノ・キーボードのおすすめ比較:⑦セルビアーノ

「セルビアーノ」は、アコースティックピアノと同じ鍵盤アクションを持つ電子ピアノで、いわゆるハイブリッドピアノのひとつです。また、カシオ最高峰のシリーズであり、同社の技術と情熱が詰まった珠玉の一台でもあります。

そんなセルビアーノのおすすめは次の2種類です。

AP-270

「AP-270」は、セルビアーノシリーズの中で最も低価格なモデルです。店舗や時期にもよりますが、アコースティックピアノさながらの弾き心地と響きを10万円以下で手に入れられるのは大きな魅力と言えます。

オーケストラをバックに演奏できる「コンサートプレイ」というユニークな機能が搭載されているのもポイント。夢のような共演を自宅で実現できます。

©カシオ計算機株式会社|AP-270

【公式】CASIO|AP-270BN

AP-470

AP-270の音響環境をグレードアップしたのが「AP-470」です。4つのスピーカーによりダイナミックで立体的なサウンドを奏でられるほか、天板を開くとグランドピアノの大屋根を開けたときの音の広がりを再現可能となっています。

世界的に有名な複数のコンサートホールの音響をシミュレートしたモードもあり、通常のエフェクトでは得られない臨場感も体験できますよ。

©カシオ計算機株式会社|AP-470

【公式】CASIO|AP-470BN

カシオ電子ピアノ・キーボードのおすすめ比較:⑧セルビアーノ Grand Hybrid

「セルビアーノ Grand Hybrid」は、ドイツのピアノメーカー、ベヒシュタインとのコラボレーションモデルです。

リストやドビュッシーから絶賛されたベヒシュタインとの共同開発ということで、特に音の完成度はピカイチ。まさに一流のグランドピアノさながらです。世界的ピアニスト、マルタ・アルゲリッチのエピソードが、これを証明しています。

現在のラインナップは「GP-310」と「GP-510」の2種類で、大きな違いは次の3点。

①音色数:GP-510は35、GP-310は26
②弦共鳴システムの精巧さ:GP-510の方がシミュレート機能が豊富
③本体色の種類:GP-510は黒、GP-310は黒と白

好みもあるため、ぜひ店舗で実際に弾き比べてみてください。

©カシオ計算機株式会社|GP-310/GP-510

【公式】CASIO|GP-510BP

カシオ以外のメーカーとも比較してみよう!

電子ピアノをリリースしている会社はカシオ以外にもあります。以下の記事にて他メーカーそれぞれの特徴やラインナップを解説しているので、気になる方はぜひお読みください。

まとめ

気になる一台は見つかりましたか?

カシオは他メーカーに比べて低価格ではありますが、品質が非常に高く、コスパ抜群といえます。初心者が最初の一台として選ぶのはもちろん、中上級者が他社からの乗り換えで選ぶのにもピッタリです。

ぜひ本記事を参考に、自分に合った機種を選んでくださいね。