【ピアニスト富永峻 連載コラム】第一回 クラシック音楽のあり方とは

                                   
コラム(人物)
公開日時:2020/07/03
 
更新日時:2020/07/08
                       

富永峻

  • 富永峻
  • 音楽高校(スペイン) 在学中より、数々の国際コンクールに入賞、マドリード王立音楽院時代には、2年間、コンクールの副賞として、スペイン各地でソロリサイタル・室内楽コンサートを開催。その後、ドイツ・フライブルグ音楽大学に進み、旧ソ連を代表する伝説的ピアニスト、エミール・ギレリスの直弟子 フェリックス・ゴットリーブに師事。…

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ピアニスト富永峻です。
音楽のこと、海外経験のことなどその時気になったり感じたことを書かせていただこうとおもっています。
今月はストリーミング配信に関してです。

 

ライブ配信をしてみて

コロナ禍故に、お客様をいれての演奏会開催が難しい状況が続いています。
それをきっかけにライブ配信やオンラインレッスンへの取り組みをする演奏家も増えたと感じています。
 
もちろん私もその一人。
 

Livestream 2020/4/26

 
何事にもひとひねりしたり、工夫&こだわり(視点を変えるとただの自己満足?)をしないと気が済まない性分なので、ストリーミングも動画の画角などこだわりを持ってやりたかったのだけれど悪戦苦闘。練習の時間までが犠牲に。
 
大変な苦労をして撮ってみた結果、そこまでこだわらなくてもよかったかもしれないと。
 
試行錯誤する事に価値があるのだからとも思ったけれど、、、いや、後悔は何も生まないし常に最高品質を求めたい!
 

レコーディング

宮本さん(株式会社パブット)にマイクセッティングをしていただいた

 
このご時世 Spotify, Apple music などのデジタル配信プラットフォーム、あるいはYoutubeで音楽を聞く人がほとんどではないでしょうか。またそれらの再生にはPC内蔵スピーカーやイヤホンでの視聴が主流となると高品質なマイクや機材に投資しても意味がない?聴き手も評価しづらい?
 

良い録音とは?

答えは十人十色でしょう。
 
私自身のこだわりで、できる限り会場の生音に近づけて録音したいと思っていたけれど、それは間違っていたのかも。
 
生音に近ければ良い録音というわけでもないし、録音には録音技術で視聴者を魅了するという世界もあるんだと実感した。
 

富永峻

 
そしてそれは演奏と同レベルの研究、練習、そして経験が必要でしょう。エンジニアとは別にRecording Producerがいるのもそういう理由なのかと思った。
 
クラシック音楽特有の繊細な表現、ライブの緊張が漂う空間は演奏者と同じ空気を吸ってこそ体感できるもの。それは録音ではどうしても出せない。
 
だから配信も録音も記念品である。全世界に広がるというメリットもあるし、物理的に会場に足を運べないお客様には便利で有効だから今後も活用はしたいけれど、自分としては生で良い音楽を届けられるよう腕を磨き続けていきたい。そしてなるべく生演奏を聴きに来て欲しい。
 
録音には録音の良さがあり、生演奏を再現するためのものでないと感じたのが今回の結論。
最後に全てがデジタル化、スピードアップし、加工技術も日々進化している中、年月をかけて育て、温め、磨いていくものも忘れないようにしたい。

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