電子ピアノはアコースティックピアノよりは手頃ではありますが、それでも決して安い買い物ではないですよね。
「少しでも質のよいものを選びたい」
「自分の演奏スキルを上げられるものを選びたい」
そんなさまざまな思いを込めて選ぶ電子ピアノだからこそ、失敗は避けたいものです。
この記事では、電子ピアノ購入に関する本当にあった失敗談や、「買ってはいけない電子ピアノ」を見分けるためのチェックポイントを詳しく紹介しています。
これから電子ピアノを買おうと思っている方は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
目次
【経験者は語る】買って後悔した電子ピアノ失敗談TOP3
電子ピアノ選びで失敗したという声は少なくありません。エディミュージックの独自アンケートによると、特に多かったのが「鍵盤のタッチに違和感」「部屋の色味とマッチしなかった」「鍵盤数が少なすぎた」という3つのポイントです。
それでは、アンケートの詳しい内容を見ていきましょう。
鍵盤のタッチに違和感
まずは圧倒的に多い意見、鍵盤のタッチについてです。
30代女性
いとこから電子ピアノを譲ってもらったのですが、鍵盤のタッチが軽く、ピアノ教室でグランドピアノを弾いたとき違和感があります。古い電子ピアノのせいか音も悪くて、表現力も身に付きにくく感じています。もし今後購入するなら、グランドピアノの弾き応えを再現できるもう少し高い電子ピアノを買うつもりです。
20代男性
ピアノの練習をしたくて比較的安く買った電子ピアノ。いろいろな音色が選べて最初は楽しかったのですが、タッチの強弱に対する表現が弱く鍵盤が軽いので弾いてる感覚があまりよくありません。あまりにも軽すぎると音の強弱が上手く表現できずに思ったような演奏ができませんでした。
部屋の色味とマッチしなかった
30代女性
販売員の方からすすめられ、タッチを確かめただけで購入してしまいました。でも実際に自分の部屋に置いてみると、「ピアノらしさ」を求めて選んだはずのシンプルな黒のボディが、部屋の印象を暗くしてしまうことに気づきました。予算と機能ばかりを考えて選んでしまったのが失敗のもとでした。
鍵盤数が少なすぎた
20代男性
できるだけ安いものを購入しようと思って買ったものの、弾きたい曲で鍵盤が足りないことがよくあります。妥協せずに大きいサイズのものを買えば良かったと後悔しています。次に新しいものを買うときには、値段などで妥協せず大きくて品質の良いものを買うつもりです。
「買って後悔した電子ピアノ」について、さまざまな意見をいただきました。特に鍵盤のタッチについて悩んでいる方が多いようです。参考にしてみてくださいね。
反対に、「買ってよかった電子ピアノ」について知りたい方は「買ってよかったと思える電子ピアノの特徴!後悔しない選び方とおすすめを解説」を読んでみてください。
【ピアノの先生直伝】買ってはいけない電子ピアノ!7つのチェックポイント
電子ピアノを選ぶときには、これから紹介する7つのポイントをチェックしておけば安心です。
特にアコースティックピアノの経験者や、ピアノ教室に通っている子供が使う場合に気をつけて欲しいのは、はじめの3つ!
残りのポイントも自分の生活スタイルや使う目的に合わせてチェックしてみてくださいね。
タッチが本物のピアノとかけ離れていないか
電子ピアノの鍵盤タッチは、機種によってかなり違います。アコースティックピアノに近いものを選ばないと、弾いたときに違和感があり、練習の妨げになることがあります。鍵盤が軽すぎたり重すぎたりするものは避けましょう。
特に、本物に近いタッチを求めるなら、木製鍵盤の電子ピアノがおすすめです。木製鍵盤はアコースティックピアノのような弾き心地で、より自然な演奏が楽しめますよ。
木製鍵盤については、こちらの記事で詳しく解説しています。
木製鍵盤電子ピアノのデメリットは?特徴とおすすめ商品を紹介!【カワイ・ヤマハ】
88鍵盤揃っているか
アコースティックピアノは88鍵盤ですが、電子ピアノには61鍵盤や76鍵盤のものもあります。このようなコンパクトな電子ピアノは狭いスペースにも置けて便利ですが、鍵盤を幅広く使うクラシック音楽では、鍵盤数が足りなくなることがあります。
鍵盤が足りないせいで弾けない曲があったら悲しいですよね。クラシックのピアノ曲を演奏したいなら、できれば88鍵盤の電子ピアノを選びましょう。
また、子供の成長に合わせて長く使いたい場合にも、88鍵盤がおすすめ。初心者のうちは全ての鍵盤を使わなくても、上達すると幅広い音域を使うようになるからです。
電子ピアノの鍵盤数の種類や選び方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
電子ピアノ・キーボードの鍵盤数は88、76、61どれがいい?選び方とおすすめモデル紹介
同時発音数が少なすぎないか
同時発音数とは、電子ピアノで同時に出せる音の数のこと。これが少なすぎると、ペダルを踏んでたくさんの音を同時に響かせたいときに音が途切れたり、複雑な曲を演奏するときに本来の響きが再現されなかったりします。
リアルな音の響きを楽しみたい場合は、64音以下の電子ピアノはできれば避けましょう。128音以上の同時発音数があるモデルがおすすめです。
ヘッドホン端子がいているか
アパートやマンションでの練習、夜間の演奏など、音を外に漏らしたくないときにはヘッドホンが便利です。ヘッドホン使用時は電子ピアノ本体からは音が出ないため、家族の邪魔にもなりにくいのがうれしいですね。
周りの人へ配慮しながら練習したい方は、ヘッドホン端子のついている電子ピアノを選びましょう。
打鍵音が大きすぎないか
電子ピアノを選ぶときには、打鍵音の大きさにも気を配りましょう。ヘッドホンを使っていても打鍵音は消えません。打鍵音が大きいと夜間の練習は難しくなります。
電子ピアノの打鍵音は機種によって大きく異なるので、店頭で何種類か試し弾きして、どれくらいの大きさか確認するのがおすすめです。
誰でも簡単に扱えるか
必要なときにだけ出して使えるのが卓上型電子ピアノのメリット。ただし、機種にもよりますが、想像以上に重いモデルもあります。子供が使う場合には、一人での準備が難しいことが多いので、注意してくださいね。
また、卓上タイプでも据え置きタイプでも、アコースティックピアノの代わりとして使うなら、複雑な機能は必要ありません。機能が多すぎないシンプルな電子ピアノのほうが、誰にでも簡単に扱えます。
耐久性に不安がないか
長く使える電子ピアノが欲しいなら、聞いたことのない海外メーカーの安過ぎる製品は避けたほうがよいでしょう。初期費用は抑えられても、長い目で見ると壊れやすかったり性能の劣化が早かったりすることがあります。
国内の有名メーカーの製品なら、安心して使えます。例えば、ローランドのGPシリーズとLXシリーズは保証期間が10年もあります(2024年3月29日以降、対象製品を新品で購入の場合。詳しくは公式サイトで確認のこと)。
これだけ長い保証があるのは、メーカーが品質と耐久性に自信を持っている証拠といえますね。
演奏者のレベルに合った価格帯から選ぼう
電子ピアノを購入するときには、演奏する人のレベルに合った価格帯で選びましょう。初心者から上級者まで、それぞれのレベルや使う目的に合ったモデルを選ぶと、もっと楽しく演奏できるようになりますよ。
初心者なら5万~10万円程度
メーカーによって違いますが、だいたい5万円以上の電子ピアノならタッチ感や音質のしっかりしたものが多いでしょう。10万円以下でも十分に演奏を楽しめるものがたくさんあるので、実際に店頭で試し弾きしながら探してみてくださいね。
ただし、将来的にアコースティックピアノに移る予定があるのなら、10万円以上のものがおすすめ!アコースティックピアノに変えたときに違和感が少なくなります。予算と相談しながら検討してみましょう。
10万円以下で買えるピアノを探している方は「安い電子ピアノが欲しい!低価格おすすめモデル6選」を読んでみてくださいね。
上級者なら20万円~
上級者や本格的な演奏を楽しみたい人には、20万円以上の電子ピアノがおすすめです。この価格帯の電子ピアノは、よりアコースティックピアノに近い弾き心地!さまざまな演奏表現を楽しめますよ。
安いモデルと比べると、タッチ感と音質が明らかに違います。鍵盤の重みや押したときの反応、音の響きなど、細部にまでこだわった製品が多く、テクニックを身につけたいときにも役立ちます。
電子ピアノのなかでも特に品質の高いハイブリッドピアノについて知りたい方は、「ハイブリッドピアノとは?メリット・デメリット、おすすめ機種をピアノ講師が徹底解説!」を読んでみてください。
迷ったら電子ピアノ5大メーカーから選ぼう
電子ピアノ選びに迷ったときには、ヤマハ、カワイ、ローランド、カシオ、コルグから選ぶと安心です。これらの国内メーカーは、信頼できるブランドとして知られていますよ。長い実績があり、品質のよさや耐久性が高く評価されています。
ただし、これらのメーカーのなかにも弾き心地がライトタッチに調整されているものがあります。アコースティックピアノに近い弾き心地のものを探している方は注意してください。
詳しくは下記記事をチェックしてくださいね!
【迷ったら見て!】各電子ピアノメーカー一覧表|特徴やラインナップまとめ
目的によってはエレクトーンやキーボードもおすすめ
アコースティックピアノの代わりとして購入するなら、なんといっても電子ピアノが一番です。ただし、使う目的によってはほかの電子楽器も検討してみましょう。
「オーケストラのようなさまざまな音色を楽しみたい」または「一人でセッションを楽しみたい」という方には、エレクトーンがおすすめ!機種による差はありますが、エレクトーンは電子ピアノよりもたくさんの機能が使えて、自動伴奏機能も充実しています。
また、路上ライブをやってみたい、またはバンド活動で使いたいという方には、キーボードがぴったり。電子ピアノにも持ち運び可能なモデルはありますが、一般的にはキーボードの方が軽くて持ち運びが簡単です。値段もお手頃ですよ。
タッチ感にこだわらないなら、エレクトーンやキーボードも選択肢に入れてみましょう。
電子ピアノとキーボードの違いは、こちらの記事で詳しく解説しています。
電子ピアノとキーボードの違いを徹底比較!あなたにぴったりの楽器の選び方を解説
電子ピアノに関するよくある質問
電子ピアノの寿命は何年?
電子ピアノの寿命は、一般的な家電製品と同じでだいたい10年くらいといわれています。ただし、使う頻度やどのように保管しているかによって、使える年数は大きく変わってきます。正しく手入れして、長く使い続けたいですね。
電子ピアノの寿命について詳しく知りたい方は、「電子ピアノの寿命は何年?有名メーカーの特徴や長持ちさせるための秘訣を解説」を読んでみてください。
電子ピアノは一人で運べる?
電子ピアノは、モデルによって重さが異なりますが、大人一人で運べるモデルもたくさんあります。自分で運べる電子ピアノがいいなら、スリムなデザインのものや、持ち運び用につくられたモデルを探してみてくださいね。
一方で、据え置き型では、40kg以上のモデルもあります。階段の上り下りや長い距離を移動させるときには、安全のために二人以上で運ぶのがおすすめです。
持ち運びしやすい電子ピアノについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
持ち運びやすい電子ピアノ7選!コンパクトで軽いためライブにもおすすめ
まとめ
電子ピアノは、買った後に「失敗した!」と思っても、簡単には買い直せません。長く使うものだからこそ、じっくり探して納得のいくものを選びたいですよね。
今回紹介した、買ってはいけない電子ピアノを見分けるための7つのチェックポイントを参考に、自分の演奏レベルや目的にあう電子ピアノを探してみてください。
自分にぴったりの電子ピアノで練習すれば、上達の速度も変わってくるはず。それぞれの想いに合った電子ピアノを選び、充実したピアノライフを楽しんでくださいね。